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【日記】7月20日〜7月26日

7月20日
朝、電車に乗りながら久しぶりにニール・ヤング&クレイジーホース「ライフ」を聴いて、改めて感動する。ニール・ヤングはシンセの使い方が独特。
何より当時42歳のニールが「寂しい!寂しい!!」とわめき散らす「Too Lonely」という歌は聴く方の加齢のせいか一周回って素晴らしく響いた。

蒸し暑い日。けれど、エアコンが効いているので快適に、やがて寒さに震える。

夜はもり蕎麦をけんちん汁に浸して食べるという初めての試み。美味しかった。が、熱々の汁に浸して食べるせいで汗だくになってしまった。食後、改めてシャワーを浴びる。引き続き穏やかな月曜日の夜。

7月21日
朝は再びニール・ヤング。「ブロークン・アロー」を聴く。ルーズかつ直線的なバンドサウンドを朝から存分に味わう。最後に入っているライヴトラックが無ければ尚よかったのに。

アパレル業界の未来についてとても悲観的な話を聞く。確かにこの先は実店舗で買うよりネットで買うのが主流になるかもしれない。そうすると淘汰されるものは当然いくつも出てくるし、百貨店や商業施設のあり方も変わっていくのだろう。

夜はカレーライスとサラダ。
静かな平日もしばらくないかもしれない。いよいよ慌ただしい日々が始まる。

7月22日
朝、ピチカート・ファイヴ「女性上位時代」を聴きながら電車に揺られる。なんでこんな名作を今まで軽く聴き流していたのだろう、と悔しくなるほど心を掴まれてしまう。
音楽オタクのミュージシャンがついに理想のヴォーカリストを手に入れた、その喜びだけを衝動にして作り上げた完璧なコンセプトアルバム。

連休前のせいか、曜日の感覚が完全に無くなってしまう。金曜日だと錯覚してしまう。
蒸し暑い日にもかかわらず再び効きすぎのエアコンによって震える午前中。内臓までキンキンに冷えたらしく、お昼に温かいものを食べてもなかなか身体が暖かくならなかった。

ここ最近、ラジオから「日本列島やり直し音頭」なる楽曲が頻繁に流れている。音頭好きなので楽曲自体は嫌いじゃないけれど、悲しくなるほどラップが音頭のリズムに合っていない。

帰り道に取り寄せていたマイルス・デイヴィスのライヴアルバムボックス2種、さらにHISのリマスター盤を購入して帰宅。

7月23日
憂鬱な雨が降る連休初日。

1967年のマイルス・デイヴィス・クインテットを聴いていると、演奏家にとって「歌心」が如何に大切なものかを知る。勿論、実際に声に出して歌っている訳ではないけれど、5人の演奏家全員が歌心に満ち溢れている。もし一人でも歌心のない人間がいたら、ここまで聴く者の心を揺さぶるような音にはならなかっただろう。生涯を通してマイルス・デイヴィスは歌心を持つプレイヤーを見つけるのがとても上手かった。

昼食は山葵丼。「孤独のグルメ」に登場したもの。すりおろした山葵とかつお節をご飯にのせてかき混ぜてから醤油をかけ回して食べる。山葵らしい清冽な香りが鼻を抜ける。美味しくて思わず2杯食べてしまう。

夜は毎週恒例のカタカナ配信を見ながら過ごす。先週に続いて休日の配信だったので、ゆったりとした気持ちのなかで見る。ペットについての話を聞いていたら、これまでの人生で一緒に暮らした猫たちのことを思い出して懐かしい気持ちになる。
来週の木曜日は忙しくなるから来週分はアーカイブで見ることになりそう。少し寂しい…。

7月24日
1969年のマイルス・デイヴィス・クインテットのライヴボックスを聴く。3枚組。始まったら最後まで曲間も無く、メドレーのように一気に突き進む構成。この頃は"曲"というものはもはや概念でしかない。ひたすら演奏家同士の即興と衝突だけが繰り広げられていて、とても面白い。特にチック・コレアのピアノが素晴らしい。

「ビッチェズ・ブリュー」もリリース前だった当時、実際にコンサートを体感した人達はこの演奏をどんな風に受け止めたのだろうか。文字通り"得体の知れない音楽"だと思ったりしたのだろうか。

昼は通称「夏の手抜きご飯」で簡単に済ませる。しみじみと美味しい。

夜はボサノヴァ三昧。ブラジルの音楽は昔から大好きだったけれど、そこまで深くは掘り下げて来なかった。という訳で、またしても小西康陽さんのディスクガイドを頼りにあれこれ買ってみた。これからどんどん掘りたい音楽。

7月25日
朝からヘッドフォンをして音楽を聴いていると、毎晩ヘッドフォンを被ってCDラジカセでビートルズを聴いていた小学生の頃に戻ったような気持ちになる。

あれから四半世紀以上の月日が経った今年。
コロナウイルスの影響により、ライヴハウスへ行くことが出来なくなったことで、家に篭って音楽を聴く生活に変わり、外で聴く音楽と家で聴く音楽の間には明確な線引きが出来た。ターンテーブルの前でヘッドフォンを被りながら「まるで昔のようだな」と考える。

細野晴臣氏のレコードに耳を傾ける。ライヴハウスへ行けなくなったことで聴く音楽がこんなにも変わるなんて予想もしていなかったなと、自分の嗜好の変化に驚き困惑している頃に細野さんの音楽を聴き返してみた。すると、まるで初めて聴いた音楽のように活き活きと心に響いた。まさに予期せぬ音楽の贈り物。その瞬間、細野さんのことがもっと好きになったのだ。

7月26日
雨が降ったり晴れたりまた降ったりと忙しない天気。
くまモンのYouTubeチャンネルで「ダルゴナコーヒー」なる最近流行っているらしいコーヒーが紹介されていたので、動画を見ながら作ってみる。インスタントコーヒーに砂糖と水を加えてひたすら混ぜ続けるとそれっぽくなったけれど、大きめのグラスにたっぷりと入れた冷たい牛乳に載せたらたちまち沈殿して単なるコーヒー牛乳になってしまう。やはりコーヒーの量が少な過ぎた。

エミット・ローズが亡くなったことを知り、レコードを聴いて悼む。

"シンガーソングライター"という言葉を聞くと、自然と何人かのことを思い浮かべる。この人もそのなかの一人。
煌びやかでキャッチーなメロディはまさにポール直系。さらにジョージもリンゴもひとりでこなせるだけの才能も持っていた。実家のガレージをスタジオに改造し一人で全てを録音して作られたソロデヴューアルバムは全米29位を記録した。
自分はどのポール・マッカートニーのソロアルバムよりも、エミット・ローズの1枚目を愛している。当の本人は熱烈なジョン・レノン・マニアだったそう。

そのあとも一日中レコード盤を聴いていた。結局、この連休中に出かけたのは金曜日の夕方、小一時間ほど買い物に出ただけ。
夕方、都市とカンタータやしけかけのモクさんの歌を聴く。がっかりすることばかりの2020年だけど、都市カンやモクさんから届けられた新しい歌たちがひと時の小さな幸せを運んでくれる。そのことがたまらなく嬉しい。

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