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ことばたち(詩に舞う)

20
私の詩たちが、言葉を寄せあっている場所
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#毎日投稿

【詩】21  (    ・  )

誰となるか

いつなるか

わからないんだ けれど、

ある日、

不意なあいさつの瞬間に

なったりする

水面を揺らす

木琴の共鳴

超越は

瞬間だった

全身で 裸体な

空間の 鼓動は

呼吸に

わたしとあなたを

鮮明に

させる

【詩】先生 (劣情の嘔吐)

【詩】先生 (劣情の嘔吐)

先生、あなたは男で
あぁ、あなた初老に壮年だ。

あなたにはじめて会って
あなたの言葉はすぐに、
私に宇宙だって
知らしめた。

香水をつける男なんて嫌いだけども
あなたの香水は死ぬほど好きだと

描かれた漫画は、衝撃のあの頃で

先生、わたし、いま
先生にならキスできる気がする

先生、あなたそんなこと言う
子どもに顔をしかめるから

先生、あなたに飛び込もうにも
あなたは私に興味がない

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【詩】20

追い越せない心の

優しい反動の 

間に合わせに と

ことば かろやかに

その まなざしの

カクシン 

めぐりゆく

慈愛

【詩】17 (かんげん)

私はよく
私が間に合わないことが
多くて

でも今まで
なにが間に合わないかって考えた
ことなかったかも

空間とか瞬間とか
見えないものは きりがなくて

でも最近思うのは
女とか
スペックとか
わかんないけど
わかんないけど

そういうもっと
単純に
わかりやすく
逃れられない
ものかもしれない

そういうもっと
私が手放せないまま
私がどうすることも
できない 私

あなたの知ってる

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小説を書くことのなにがむずかしいって、(16)

小説をかくことの
なにがむずかしいって

白に 言葉が 反応しないこと

電子に 文字を 打とうとすると
瞬間に とまる 空間

では 紙に書こうとすると
宇宙は いつも 間に合ってくれない

速記の検定でも とろうかしら?

して、とっても けっきょくは
まにあわないん だけど ね。

あたしと現実みたいなものだから

現実は はやくて
あたしは のろまに 間に合わなくて

現実が足一本 なくし

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【詩】15

新幹線に 乗ると

窓に流されて
ツルツルと しっぽの方へ
すべっていった

ねぇ みて みてママ
きれい

ちいさな子
ひかり しずく
気付き

その瞳に 水を光らせて

となりの母のうなずき
雨とともに 流されたようだ

子は はたと だまりこみ
ほおづえ を つく、

【詩】14

わたしをかたちづくる
境界の ひりつく天体の
星々の 呼吸の
信じきれないままに

もてあましては
すてられずに いる

不純の 青空

軽やかに踏み出したい
それは
右足かも知れなくて
左足かも知れなくて
右足でなくとも
左足でなくとも
あたしは歩けるんだと
頭に知らしめたい

12 (祈り)

そして はたして

祈りとは

まだ太陽の空になじまぬ頃の

目覚めの匂いのようだった

11

しゅんかんがいつも
切迫していて
私はばくはつしそうで


誰かが
それは君、生きてるからだ
なんて、

うつくしいことば

わたしがつかうにはあまりに
かなしまぎれに、
空間はよゆうをなくし

………

しょうどうが、
すぎる。

しずかにねむる ぼくをつつむ
不完全な夜の静脈

美しいものがすき
言うなれば
淘汰されすぎていない
美しすぎない
美しいものが

それはまるで
太陽のよう

あなたの感情は
あなたのものなのに
勝手に受けとっては
勝手に傷ついて
まったく
ごめんなさいねと
あやまりたい
気分





(わたしに!)

今ごろに気付いた
春の目覚めが
夜の瞳ほどに 
静かに揺れ続けていたこと