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さんげんしょく!! #3
第三話
胡椒攻撃に続いて、すぐにまた球が飛んできた。例のごとく爆発したそれは、今度は唐辛子の粉末であった。
「辛っ!! なんなんだよもー!!」
むせながら、土路は銃を乱射した。くしゃみと咳で、正確に撃とうなんて場合じゃなかった。気配を追って命中させられるのは、自身の心と体の平穏の上に成りたつのだ。よって今は数打ち当たれ。
窓ガラスが割れ、ビルの壁や床に弾痕がつくられていく。
途端に、
さんげんしょく!! #2
第二話
「このビルの屋上って行けるの?」
三人はとりあえず階段を上っていた。
「大丈夫だ。鍵かかってて俺たちの行く手を阻むようなら蒼森がなんとかしてくれる」
「そんなことに力を使いたくないんだけど」
「もしくは〈断〉で……」
「たしかに三分過ぎたけど、もっと有意義なことに使ってよ」
紅地は口を尖らせた。使えねぇ、と内心愚痴る。
(ま、心配いらないだろ。俺達は招待された側だ。屋上へ続く扉の鍵が
さんげんしょく!! #1
あらすじ
地上と地下でわかれた世界。太陽の光が燦々と降り注ぐ夏、残念イケメン三人組が登校しようとすると、地下の奴が現れた。なんと、30分後に街に脅威を放つという。三人はそれぞれの能力を合わせて、襲いかかる地下の敵から街を守る!異能力バトルコメディ!
第一話
「紅地ー! おはよー!」
緑が眩しい通学路。蝉の声が耳を引き裂きそうなほど五月蝿い。
後ろから頭でどつかれた紅地は、よろけながら友