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さわくんCCO(chief concept officer)就任のご挨拶

皆様、初めまして。ランニングホームラン株式会社のさわくんと申します。この度、会社からCCO(chief concept officer)と言う謎の役職を拝命することになりました。

本noteではCCO就任にあたっての想いを分厚めに書いていこうと思います。ただの挨拶文や宣言文ではなく、皆様にとって少しでも示唆深い何かを提供できるような文章を書いていきますので皆様ぜひご覧になっていただけますと幸いです。


クリエイティブの「ク」の字も知らない若造が重役になったわけ

・不登校の苦しみからさわくんの人生は始まった

ランニングホームランはもともと社長がコピーライターだったこともあり、クリエイティブとブランディングを提供する会社として成長をし続けておりました。僕が入ったのは2年ほど前、僕自身は芸大・美大出身というわけでもなく、クリエイティブに学生の頃に携わったこともなく。むしろ面接で「好きなコピーは何ですか?」と聞かれても全然思いつかないくらいには、クリエイティブに疎い人間でした。

代わりに僕は学生の頃ずっとコーチングやカウンセリング、場づくりなどなど教育にまつわる方面でずっと活動をしていました。学生から社会人、起業家まで数千人の人のメンタリングをしたり、はたまたその経験から全国向け中高生用の探究学習教材を執筆したり。クリエイターというよりはどちらかというとコーチや教師、強いていうと起業家と関わる感じでクリエイターと関わることもほとんどなかったと言えるでしょう。

そんな僕がどうして教育などの方向に行かずに、クリエイターとしての道を歩み始めたのか。
答えは、
「コーチングやカウンセリング、教育に携わるのが嫌になった」
というのが正直なところです。

もともとこうした対人支援・教育の領域に携わり始めたのは、自分自身の過去に理由がありました。僕は、中高の時、いわゆる不登校でした。学校の文化に馴染めずいじめられた結果、辛い思いをしてまで学校に適応する意味がわからなくなり徐々に学校に行かなくなったのです。

学校に行かなくなった私は、1日のほとんどをゲームをするかアニメを見るかで過ごす典型的な引きこもりになっていきました。

そんな僕が社会に出る転機となったのが、高校との出会いでした。そこは不登校生が専門の学校で、これまで自分が辛かったいじめや同調圧力はなく、のびのびと過ごすことができ初めて社会で息をすることができるような、そんな感覚になっていたと思います。

ただ自由にのびのびとできる反面、そこは限定的な空間でした。ある意味隔離された安心と安全が提供されたその空間を出た先は、これまでの学校文化と似た厳しい社会が待ってます。卒業した先輩を見てみると、その荒波で生き残っている先輩もいれば再び引きこもりに戻っている先輩も多くいました。

高校生活という束の間の場だけの安寧が提供されるこの場所が、本当に幸せなのだろうか。そこに疑問を高校2年の頃に持ち始め、社会全体を変えるために大学受験を志すのでした。当然、勉強は中学の頃からほとんどしてなかったので偏差値は18からのスタート、学校も受験を前提としてないため孤立無援の中、受験に取り組み何とか大学入学を果たします。

そうした経験から、「どんな状況下でもその人の望む人生を歩むことができる社会とはなんだろうか」という問いに基づいて学問、実践それぞれを深めていくことになります。

「病んでいる人間が、前向きになる方がいいに決まっている」

まだ若かった自分は、困っている人・苦しんでいる人の話をとにかく聞いて周り活力を取り戻すために尽力していたのです。

・「人を救う」ことの限界を知った大学時代

そんな「どう考えても良いことだろう」と思っていた活動や自分の信念に疑問を持ち始めたのは、私が大学3年生の頃でした。

当時は、自分のコーチングの師匠のような方と若年層向けのキャリアイベントを開きまくっていた時期でした。その会の中心では、自分の人生がわからなくなって苦しそうな方が前向きになって、自分の人生を描き始めるキラキラした情景が映し出されていましたが。その周辺では、逆の現象が起こっていることに気づいたのです。

「自分らしくなれなくて苦しいです」「やりたいことを目指しても私にはできません」

そんな言葉に多く直面することがありました。会の中心がキラキラしている反面、そこでもうまく行かない人は徐々にその光が眩しくてフェードアウトしていきます。なので、何も疑わなければ光の裏にある闇に気づくことはほとんどありません。というより、無意識に見ないようにしてしまうのだと思います。「良いこと」と信じて実践をするわけです。闇の側面に目を向けてしまったのなら、もう自分が本当に信じていることが必ずしもそうではない。という事実に向き合わざるを得なくなります。

https://uploads.strikinglycdn.com/files/cd1b54f8-5554-4306-a21b-f539c664ee30/Mode2%20Lab%20Journal%20vol.1.pdf?id=3937213

(上のリンクは、上記の問題を指摘した私の卒論になってます)

私はもう、そうした言葉に直面し現実を直視した以上、無条件でコーチングやカウンセリングが良いものとは思えなくなったのです。

むしろ、その側面を見つめてからもう一度キラキラした場の中心を見てみたところ「個性を見つけた」と言いながら、「個性を見つけた」と言ってる人がよくやりがちな行動をしていたり。「自分らしく」と言いながら、「自分らしさらしい」取り組みをやることで「自分らしいんだ私は」と無意識に奮い立たせようとしていたり。

決して、中心はキラキラしていて周辺が暗いのではなく、中心がただ闇の部分が見えなくなっているだけということに気づいていきます。

多様な個性を、多様に花開かせる取り組みが、逆に新しい普通に向かうための装置にしかなっていない。社会の同調圧力が嫌で社会を変えようとしていたのに、僕が行っていたことは新しい同調圧力を作っていただけなのかもしれない。

でも、一人でその発生し続ける矛盾を変えられることもなく。ただ、周辺でフェードアウトしていった人と同様に僕もフェードアウトしていくのでした。

・クリエイティビティに可能性を見出した就職前夜

それからというものの、この「人を救うとは何か」「人を救うことでむしろ病ませてしまうこの状況はなぜか」「では、どうあることが良いのだろうか」そんな問いに悶々としながら、大学を休学し2年ほど彷徨い歩いておりました。

その迷走の最中、「クリエイティビティ」に可能性を私は見出すことになります。というのも、「自分らしく」「夢」「やりたいこと」といった多くの人が憧れる概念やその解釈が多様になれば、この新しい同調圧力は回避可能なのではいか。そうした、概念や解釈を生み出すことは人の創造的なエネルギーにきっとあるのではないか。

自分自身が、コーチングだけではなく、起業や学校運営、アーティスト活動など、様々な方法を模索する中でその仮説に辿り着いたのです。

コーチングという人の真意に辿り着く営み、そしてクリエイティブという真意を多様な形で表現する営み。

この両者が交わる接点に向き合えば、自分が悩み続けた問いに答えが出るのではないか。そうした仮説から、私はクリエイティブ業界に全く知見がない中で門戸を叩き、運よくランニングホームランに拾われることになります。

・クリエイティブの限界を知った入社1年目

ただし、そんな理論通りの答えなど現実にはありません。当然、クリエイティブ業界に飛び込む中で様々な矛盾点を見つけるに至ります。

端的にいうとコーチング業界にないクリエイティビティがクリエイティブ業界にはある一方で、当然のことながらクリエイティブ業界にはコーチング的な人の真意に迫る技法が存在しない。

という事実でした。

これを述べると、「ブランディングやデザイン、クリエイティブは顧客のニーズに深く迫った上でやるものだ。その指摘は浅はかではないか。」

と突っ込まれそうなので詳しく説明します。

例えばとある社長がいて、ブランディングの依頼をしてきたとします。そして社長は「力強い印象」をもたらして欲しいと依頼してきたと仮定しましょう。とすると、この「力強さ」という表出した要望に応えるために解像度を高め理解をしていくことになります。

ただ、ここに落とし穴があると思ってます。
例えば、その社長が幼少の時にいじめられて「強くなければ負ける」という信念が形成されたとします。その人はその瞬間から、「どうすれば強くなる?」「どうすれば負けない?」と考えるようになるでしょう。その問いに基づき、自分を高め、強さに邁進した結果、今の事業、そして社長という立ち位置があるとします。

クリエイティブで発注をする時、依頼は当然「どうすれば強くなれる?」からスタートすることになります。強さに対する社長の人生を深堀り、最もその社長や企業に相応しい「強さ」を体現するクリエイティブや組織開発が行われることになるでしょう。

しかし、例えばこの「強くなければ負ける」という信念が形成される前、彼は別に勝ち負けに執着してるわけではなくただ穏やかに本を読んで知的好奇心を満たしていればよかった人だったとしましょう。

つまり、その人にとっては「穏やかに過ごす」が本来一番気楽で自然な一方、「強くある」をやればやるだけ「無理してる」状態を強化することになります。

そもそもこの過去に遡ると「穏やかに知的好奇心を満たす」を得るために、「強くあろう」としていたことになります。そうした手段がいつしか目的となって、その企業の在り方ができている時、果たしてどちらの要望に応えるべきなのか。ここに向き合う必要があるわけです。

この矛盾に気づけずにブランディングすると、一瞬は最強の武装ができるものの、徐々に「無理」が社長だけではなく社員にも生じ、事業の伸び悩みや組織の崩壊に繋がっていくことになります。

コーチングにおいてはこの核心を特定してから、アクションを決めていく傾向にありますが、クリエイティブにおいてはどちらかというと表出の部分から核心に迫っていく構造になっているわけです。

コーチングに足りないもの、クリエイティブに足りないもの。

この両者を組み合わせた先に、心の奥底にある核心から、社会に表現していくクリエイティブがある世界をつくることができる。

そう思い、ブランディングメソッドの開発や、この考え方に基づく組織開発をランニングホームランでまずは実施していくことになります。

ちなみに、この心の奥底にある核心が弊社でいうところの「快」という概念に当たり、この「快」を体現していくための戦略軸のことを私たちは「コンセプト」と呼んでいます。

呪術廻戦で例えて恐縮ですが、あの世界観でいうところの生得領域が「快」それを領域展開すると「コンセプト」と言えるでしょう。

こうした「快」に基づいた「コンセプト」を自社含め様々な場所で生み出してくこと、企業だけではなく個人や社会もそれぞれの「コンセプト」に従って生きられるようになること。

これが、CCOの役目であり、私自身が一生を賭けて取り組む使命だと思っています。

自分自身の目指す指針が定まり腹が座ったこと、そしてその世界を実現していくための実績や実力もともなってきたこと。それゆえに、今回、CCOに就任することに至ったわけです。

CCOとしてのこれから

以上が、私がCCOに就任した経緯であり、私がCCOになることを本気で腹決めした経緯となっています。私が目指す世界は、コーチング業界にもクリエイティブ業界にも常識が存在しない、未知のような取り組みとなっていくでしょう。そして、業界に限らず社会全体にもこの考え方は新しい価値観として根ざしていくことになると思います。

その先に私が願っているのは、「一人ひとりがそれぞれの持つ世界観を生きることができる」そんな世界です。

この世界に向かうために、個人・企業・業界・社会・世界、あらゆる領域でコンセプトを発掘し世界に解き放っていくことをここに誓いたいと思います。

これからのさわくんの冒険活劇、どうぞお楽しみくださいませ。

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