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工作舎の隠れ推し本

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工作舎の編集者・デザイナー・営業・経理が、「ジャンルをまたいだテーマが面白い」「デザインの仕掛けが魅力的」など、それぞれが「人に勧めたくなった」印象に残ったことを伝える連載記事で…
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記事一覧

工作舎の隠れ推し本#12 西欧文学に描かれた「森」の意味をたどる 『森の記憶』

工作舎の隠れ推し本#12 西欧文学に描かれた「森」の意味をたどる 『森の記憶』

note連載企画「工作舎の隠れ推し本」の第12回は、森を切り開くことから文明は始まった『森の記憶』です。記事の最後に、プレゼント企画の詳細が書いてあります。ぜひご応募ください。

何を失ったのかを訪ねる

 「人間文明の発展は次のごとし。はじめに森。次に小屋。そして村、それから都市を経て、最後にアカデミーに至った」(ヴィーコ『新しい学』より)の題辞に導かれて、1章「はじめに森ありき」へ。著者が「起

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工作舎の隠れ推し本#11 アジアの森羅万象を映す 『多主語的なアジア』

工作舎の隠れ推し本#11 アジアの森羅万象を映す 『多主語的なアジア』

note連載企画「工作舎の隠れ推し本」の第11回は、日本を代表するグラフィックデザイナー杉浦康平氏の言葉の選集『多主語的なアジア』です。記事の最後に、プレゼント企画の詳細が書いてあります。ぜひご応募ください。

『多主語的なアジア』がインドを旅した

 旅(行)をする時は、工作舎の本を一冊持って行くようにしている。
それにしても、工作舎の本は重い。本は石だ。
もう随分前の事に思えるが、昨年9月に夏

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工作舎の隠れ推し本#10 SF的手法を駆使して四次元の想像に迫る 『四次元の冒険』

工作舎の隠れ推し本#10 SF的手法を駆使して四次元の想像に迫る 『四次元の冒険』

note連載企画「工作舎の隠れ推し本」の第10回は、論理数学者にしてSF作家、鬼才ラッカーの時空学入門『四次元の冒険』です。記事の最後に、プレゼント企画の詳細が書いてあります。ぜひご応募ください。

四次元空間の住人になるためのガイドブック

 少々戯れ事にお付き合いいただきたい。
 先日来、専門のメーリングリストに登録して勉強中なのだが、「まっ白い皿のうえに乗った艶やかな赤いリンゴの様子をアリア

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工作舎の隠れ推し本#09 トンデモない人々のおかしくも悲しい人生模様 『奇天烈紳士録』

工作舎の隠れ推し本#09 トンデモない人々のおかしくも悲しい人生模様 『奇天烈紳士録』

note連載企画「工作舎の隠れ推し本」の第9回は、あっぱれな人生と奇妙な信念『奇天烈紳士録』です。記事の最後に、プレゼント企画の詳細が書いてあります。ぜひご応募ください。

奇人は現代人へのギフト

 自分とは違う生き方をしている人に出会った時、みなさんの心はどのように動きますか?劣等感や優越感、もしくは、褒めたり批判したりしますか?
 「みんなちがって みんないい」これは、金子みすゞさんの「私と

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工作舎の隠れ推し本#08 異なるものへの怖れ 『犬人怪物の神話』

工作舎の隠れ推し本#08 異なるものへの怖れ 『犬人怪物の神話』

note連載企画「工作舎の隠れ推し本」の第8回は、他者への畏れが生み出す神話・伝承の怪物たち『犬人怪物の神話』です。記事の最後に、プレゼント企画の詳細が書いてあります。ぜひご応募ください。

エリアーデの弟子がひもとく怪物の正体

 中世ヨーロッパでは、未知なる辺境の地に怪物が棲むとされた。
一つ目の巨人(キュクロプス)、無頭人(ブレミーズ)、大きな一本足の種族(スキアポデス)など怪物たちの中に、

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工作舎の隠れ推し本#07 異相に神あり異形に神あり 『本朝巨木伝』

工作舎の隠れ推し本#07 異相に神あり異形に神あり 『本朝巨木伝』

note連載企画「工作舎の隠れ推し本」の第7回は、巨木の生命と日本の物語『本朝巨木伝』です。記事の最後に、プレゼント企画の詳細が書いてあります。ぜひご応募ください。

屋久島の香り

 人はなぜ巨木に魅せられるのか。深山幽谷に自生する樹木には、人のあずかり知らぬ、荘厳な気配がある。一方で、産土神を祀る神社の神木はもっと身近で、懐かしさすら感じさせる。私たちは巨木から何かしらの情報を受け取っていて、

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工作舎の隠れ推し本#06 「うまい!」が見える 『ワンダーレシピ』

工作舎の隠れ推し本#06 「うまい!」が見える 『ワンダーレシピ』

note連載企画「工作舎の隠れ推し本」の第6回は、美味しい魅力いっぱいのグルメスケッチ『ワンダーレシピ』です。記事の最後に、プレゼント企画の詳細が書いてあります。ぜひご応募ください。

食いしん坊のレシピ・スケッチ

 いきなり自分で編集した本を紹介するのは、少々気が引けないこともないけれど、『ワンダー・レシピ』について書いてみたい。そもそも稲垣足穂の『男性における道徳』を読んで以来、料理や食事に

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工作舎の隠れ推し本#05 奇妙な2Dワールド 『プラニバース』

工作舎の隠れ推し本#05 奇妙な2Dワールド 『プラニバース』

note連載企画「工作舎の隠れ推し本」の第5回は、奇想天外な二次元の世界『プラニバース』です。記事の最後に、プレゼント企画の詳細が書いてあります。ぜひご応募ください。

2D OR NOT 2D

 中国発のSF金字塔、劉慈欣『三体』シリーズのクライマックスでは、異星人が放った次元兵器によって太陽系が二次元空間へと崩潰していくシーンが描かれる。あらゆるものが平面へと「滑落」し、太陽系は巨大かつ厚み

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工作舎の隠れ推し本#04 3万4000種の静かな悲鳴 『滅びゆく植物』

工作舎の隠れ推し本#04 3万4000種の静かな悲鳴 『滅びゆく植物』

note連載企画「工作舎の隠れ推し本」の第4回は、滅ぼされてゆく植物たちの生物多様性の旅をめぐる『滅びゆく植物』です。記事の最後に、プレゼント企画の詳細が書いてあります。ぜひご応募ください。

滅びゆく植物たちの寿命と特徴

『工作舎の隠れ推し本』のために、カラー口絵の樹について調べてみた

●リュウケツジュ(竜血樹)
寿命
数1000年級
特徴
傷がつくと血のような真っ赤な樹液を流す

●レバノ

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工作舎の隠れ推し本#03 『セックス&ブレイン』

工作舎の隠れ推し本#03 『セックス&ブレイン』

note連載企画「工作舎の隠れ推し本」の第3回は、オスとメスの相互補完的差異の巧妙なメカニズムを浮かび上がらせた『セックス&ブレイン』です。記事の最後に、プレゼント企画の詳細が書いてあります。ぜひご応募ください。

生物学の呼び声に導かれて。
脳科学がもたらす「男と女」の未来とは

  男は女よりも論理的である、女は生まれつき男より感情的だ…など。男女の性差にはいわれなき神話が多い。イギリス下院議

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工作舎の隠れ推し本#02 アインシュタインの最初の妻 ミレヴァの生涯『二人のアインシュタイン』

工作舎の隠れ推し本#02 アインシュタインの最初の妻 ミレヴァの生涯『二人のアインシュタイン』

note連載企画「工作舎の隠れ推し本」の第2回は、アインシュタインの最初の妻であるミレヴァの生涯を綴った『二人のアインシュタイン』です。記事の最後に、プレゼント企画の詳細が書いてあります。ぜひご応募ください。

朝ドラにはならない人生、だがそれがいい!

「あなたのいない人生を見た 私は輝いてた」
2023年アカデミー賞を席巻した映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の主人公エ

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工作舎の隠れ推し本#01 メーテルリンク『白蟻の生活』

工作舎の隠れ推し本#01 メーテルリンク『白蟻の生活』

note連載企画「工作舎の隠れ推し本」の第1回は、『青い鳥』のメーテルリンクが書いた博物文学の傑作『白蟻の生活』です。記事の最後に、プレゼント企画の詳細が書いてあります。ぜひご応募ください。

シロアリのディストピア性

白蟻の生活はディストピアそのものである。蟻の個は存在せず、全の共同体としてのみ存在する。「青い鳥」を書いたモーリス・メーテルリンクは、博物学的な事実に基づいた白蟻の生態を美しい文

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出版社の社員が個人的に勧めたい一冊 『工作舎の隠れ推し本』#00 プロローグ

出版社の社員が個人的に勧めたい一冊 『工作舎の隠れ推し本』#00 プロローグ

 読者の皆様方、こんにちは。出版社の工作舎です。この度新年から、工作舎の編集者・デザイナー・営業・経理がオススメしたい特別な一冊を紹介する連載企画「工作舎の隠れ推し本」を始めることにいたしました! 「ジャンルをまたいだテーマが面白い」「デザインの仕掛けが魅力的」など、それぞれが「人に勧めたくなった」印象に残ったことを伝える予定です。
 毎回、最大3名様にその回で紹介された書籍を抽選でプレゼントしま

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