マガジンのカバー画像

創作

48
1人でも多く読んで貰いたいので頑張ります。 1年で短編50本チャレンジ中
運営しているクリエイター

#短歌

【サンプリング小説】目の前を横切ってゆく黒猫のほうは良いことありますように

【サンプリング小説】目の前を横切ってゆく黒猫のほうは良いことありますように

目の前を横切ってゆく黒猫のほうは良いことありますように
引用:twitter @tarrorism (たろりずむ 様)

アカリの束縛が段々と強くなってきたのは、付き合って間も無い頃からだった。
束縛といっても、それはまるで子どもの後追いのようなもので、
彼女は決して俺から離れようとしないのだ。
俺にとってアカリは疫病神だ。
一緒にいるとロクなことが無い。
それでも彼女は時々俺に向かって、まるで俺

もっとみる
【サンプリング小説】来世では喜劇となってあのひとのリュックの中に潜んでいたい

【サンプリング小説】来世では喜劇となってあのひとのリュックの中に潜んでいたい

来世では喜劇となってあのひとのリュックの中に潜んでいたい
引用:twitter @abggg_d (あぼがど 様)

祐希先輩が事故で死んだ日、リュックの中にはシェイクスピアの『マクベス』が入っていたらしい。

先輩らしいと思った。

私は通夜に参列をしたが、最期まで彼の顔を見なかった。
祐希先輩の親族に挨拶をしたら、
焼香だけあげて、こっそり帰ろうと思っていた。
上手くやったつもりである。
啜り

もっとみる
【サンプリング小説】ハチワレの猫のマスクは白い毛でときどき鯖の匂いがしてる

【サンプリング小説】ハチワレの猫のマスクは白い毛でときどき鯖の匂いがしてる

ハチワレの猫のマスクは白い毛でときどき鯖の匂いがしてる
引用:twitter @akiyuzu0224(春ひより 様)

町中に夕焼けこやけの歌が流れ、
子供たちは一斉に自宅へと向かい出す。
まるで牧場の羊のように、僕たちも例外では無く走り出す。

「明日も再チャレンジだからな!」

不機嫌そうに怒鳴るガキ大将のハジメの声に、隣にいた智成が小声で呟いた。

「…明日もやるの?」

背中を向け、帰

もっとみる
【サンプリング小説】靴底も削れているし休みます決意の朝に猫と目が合う

【サンプリング小説】靴底も削れているし休みます決意の朝に猫と目が合う

靴底も削れているし休みます決意の朝に猫と目が合う
引用:twitter @S1nju_(真珠。 様)


嘘を知らない鳥たちは、今日も朝が来た喜びを表現する為にただ歌う。
昨日まで降り続けていた雨もようやく止んで、清々しい程の青空だった。
『素敵な朝』という言葉が似合う午前6時。
彩芽はベッドの上で深い溜息をついていた。

最悪な気分である。
朝起きた瞬間からそう思ったのだから、今日は最悪な日

もっとみる
【サンプリング小説】この僕はイケアのサメのぬいぐるみでないし君を強く抱けるよ

【サンプリング小説】この僕はイケアのサメのぬいぐるみでないし君を強く抱けるよ

この僕はイケアのサメのぬいぐるみでないし君を強く抱けるよ
引用:Twitter @uzume_no_hijiri(あめのうずめ 様)

僕たちは、心を巡る感情が余りにも沢山で複雑だ。
だから人間は、喜怒哀楽を表に出してコミュニケーションを行っている。
僕は人間の、心に収まり切らなくなって表情が変わる瞬間というものが堪らなく好きだ。
それが笑顔だろうが泣き顔だろうか、はたまた怒りだろうが、感情が表に

もっとみる