シェア
如月サラ
2020年8月30日 09:17
更年期について3年前に書いた私の記事が2020年の今も読まれ続けています。3年前の記事が読まれ続けているということは、「3年前から社会の状況が変わっていない」ということではないかと思います。昨年くらいから世間は少し「生理ブーム」で、生理をテーマにしたマンガが注目されたり生理にフォーカスした百貨店の売り場が世間を賑わせたり、若手起業家が生理に着目した製品を開発したりユニチャームや花王の生理キ
2020年5月21日 19:11
私は東京都内住まいだが、自粛の要請(自粛なのに要請とはこれいかに)に次いで緊急事態宣言が出されてからはや2か月あまりが経つ。食料の買い物という目的以外で最後に家を出たのは取材に出た3月27日だ。この2か月で変わったことといえばオンラインによるコミュニケーションだろう。私は50歳からフリーランスなので、それまでの電車通勤からはとっくにおさらばしていたのだけれど、取引先に打ち合わせに行ったり取材や
2017年8月12日 20:24
人間、長く生きているといろんな目に遭うものですが、よもや自分の身に起こるまいとすら思ってもいなかったことが起きるときがあります。想像すらしていなかったわけだから、驚く前に現実を理解するまでに少し時間がかかります。いつものように月に1度のヘアサロンに行ってカットしてもらっているときに、スタイリストさんが「んんっ!?」という声を出してハサミを止めました。「…如月さん…円形脱毛症になってますね…
2017年7月29日 20:36
気がついたのは2か月後くらいでした。「あれ? 先月、生理来てなくない?」13歳のときに月経がはじまって以来、欠かすことなくログをつけてきました。そういう教育がちょうど中学校でなされ「エンジェルメモ」なる月経ログ手帳をもらったからです。思えば、あれが生涯で初めてのライフログだったのだな。しかも37年の長きにわたり、私は欠かさずつけ続けてきたのです。すごいよね。そう、ガジェット男子が「ライ
2017年3月8日 12:25
3月8日は「国際女性デー」だそうです。報道を見ていて「女性が自分らしく生きるために」という言葉が多いな、と思いました。 私はこの「自分らしく生きよう」というメッセージを聞くたびに息苦しく感じます。「自分らしさ」とは何か? という問いも答えも、そこから抜けているからです。自分らしさ、って、何でしょう。私は、その瞬間、瞬間の選択、そしてその積み重ねのことだと思っています。瞬間の選択を
2017年2月25日 22:26
それはまず老眼からやってきました。薄暗いレストランで、私はおしゃれなメニューの文字がよく見えず、わかっているふりをして適当なことを伝えるようになりました。ちらちらと文字がかすむので、夜に読書ができなくなりました。通勤電車の中で、iPhoneの文字が見えなくなりました。PC画面を見ていると、まぶしくて文字が読みづらいと思うようになりました。それは目が疲れてるせいだ、仕事のしすぎなんだとずっと
2017年2月18日 12:40
50歳になったことを機会にこの連載を書き始めようと決めたとき、まず一番目に大きくメモしたのは「今の立場は自らの意志でつくってきたものではない」という一文でした。 この言葉には2つの意味があります。ひとつは「"都会でキラキラおしゃれに仕事をしてる独身キャリアウーマン"になりたくてなったわけじゃない」という意味。もうひとつは「求められなければここにはいない」という意味です。私は(たま
2017年2月10日 22:01
最初に訪れたクライシスは40歳になる前でした。どうしよう。私はこれまで何もしてこなかった。仕事で大した成果も出していない。かといって何か努力をしているわけではない。夫もいない。子どももいない。それなのにもうすぐ40歳になってしまう。それはただ漫然と生きてきたという証のように思えたのです。 40歳以上の女性向けとされる雑誌やサービスやイメージはどれもこれもがくすんで見えて、私はそのくす