如月サラ

エディター、俳人、作家。書籍『父がひとりで死んでいた』(日経BP)発売中。遠距離介護と空き家になった実家の管理をしながら5匹の猫たちと東京ぐらし。旅、写真。俳句、ヨガ(RYT200)。Twitter @kisaragi_sarah

如月サラ

エディター、俳人、作家。書籍『父がひとりで死んでいた』(日経BP)発売中。遠距離介護と空き家になった実家の管理をしながら5匹の猫たちと東京ぐらし。旅、写真。俳句、ヨガ(RYT200)。Twitter @kisaragi_sarah

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  • R-50 Ladies Only

    本来は中年女性である私の心の触れたあれこれ綴るつもりが、「父がひとりで死んでいた」という記事が思いがけず多くの方に読まれたことで、親の死や介護や実家の空き家問題を書くことが増えてきました。2024年1月で父親の三回忌も過ぎたところで、そろそろまたさまざまなジャンルの記事を書いていこうと思います。

  • 写真日記 Fragments of life

    日々の断片を写真と言葉で書き留めていきます。

最近の記事

『如月サラの葡萄酒奇譚』第六夜〜「泡の消えかかったシャンパーニュ〜循環する銀座の記憶」を公開しました

自由自在にお酒と食を楽しむ大人の広場「Whynot?」マガジンで「如月サラの葡萄酒奇譚(ぶどうしゅきたん)」の連載をしています。

ワインが脇役になった、ちょっと心がほころぶ不思議なエピソードのエッセイを月に1回、書いています。

今回のテーマは「循環する銀座の記憶」。 20代の終わりから22年の間、勤めていた会社のある銀座。辞してからはなんとなく行きづらい街と感じていました。ところが先日銀座に出かけて「私の人生、一巡りしたんだな」と思った瞬間があったので、記しておこうと思

    • 手相が予言した「2人の息子」は猫だったのかもしれない

      昔々、本当にずいぶん昔のこと。おそらく私がまだ30代になったばかりの頃だったと思う。 手相観(テソーミ)として有名な日笠雅水さんに手相を見ていただく機会を得たことがある。 当時、私が勤めていた出版社で、日笠さんが連載をまとめた本を出されたのだけれど、それを記念して1人15分ずつ希望の人の手相を見るという会がおこなわれた。 手を挙げて見事その権利をもらい、指定された時間に会議室に入った。 手のひらを広げた瞬間に、おめでとうございますとおっしゃった。本当に良い手相ですね。

      • 『如月サラの葡萄酒奇譚』第五夜〜「あの日の海のような〜沖縄・やんばるのヨガ合宿」を公開しました

        自由自在にお酒と食を楽しむ大人の広場「Whynot?」マガジンで「如月サラの葡萄酒奇譚(ぶどうしゅきたん)」の連載をしています。

ワインが脇役になった、ちょっと心がほころぶ不思議なエピソードのエッセイを月に1回、書いています。

今回のテーマは「沖縄・やんばるのヨガ合宿」。 50の手習いで、10日間で全米ヨガアライアンス資格RYT200を取得する合宿に行きました。毎日の睡眠時間は4時間! 目の前は海、背後は森で、もちろんアルコール摂取は御法度。若い参加者とともに耐え抜いた

        • 『突然、母が別人になった』というエッセイを日刊ゲンダイで書きました

          『父がひとりで死んでいた』というnoteの記事をきっかけに連載したり書籍になったりしたのですが、その半年ほど前から母の認知症が始まっており、記録をまとめていました。 その原稿が先日、ふとハードディスクの中に見つかったことで、日刊ゲンダイから機会をいただき4回の連載として9/17(火)〜20(金)まで掲載していただきました。 ウェブにも公開されていますので、こちらにご紹介します。 第1回 第2回 第3回 第4回 4回ではもちろん話は終わっていません。「連載第2弾に

        • 『如月サラの葡萄酒奇譚』第六夜〜「泡の消えかかったシャンパーニュ〜循環する銀座の記憶」を公開しました

        • 手相が予言した「2人の息子」は猫だったのかもしれない

        • 『如月サラの葡萄酒奇譚』第五夜〜「あの日の海のような〜沖縄・やんばるのヨガ合宿」を公開しました

        • 『突然、母が別人になった』というエッセイを日刊ゲンダイで書きました

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        記事

          『如月サラの葡萄酒奇譚』第四夜〜「避暑地の出来事」を公開しました

          自由自在にお酒と食を楽しむ大人の広場「Whynot?」マガジンで「如月サラの葡萄酒奇譚(ぶどうしゅきたん)」の連載をしています。 ワインが脇役になった、ちょっと心がほころぶ不思議なエピソードのエッセイを月に1回、書いています。 今回のテーマは「避暑地の出来事」。初めて「滞在」した別荘地の夜と昼の間(あわい)のことを書きました。舞台は蓼科です。 別荘というものがあることをを子どもの頃は知りもしなかった私が、別荘地や療養地というものがあることを知ったのは、学生時代に読んだ文

          『如月サラの葡萄酒奇譚』第四夜〜「避暑地の出来事」を公開しました

          『如月サラの葡萄酒奇譚』第三夜〜「ジャカランダの花が咲く頃」を公開しました

          自由自在にお酒と食を楽しむ大人の広場「Whynot?」マガジンで「如月サラの葡萄酒奇譚(ぶどうしゅきたん)」の連載をしています。 ウンチクは一切なしで、ワインが"脇役"になった、ちょっと心がほころぶ不思議なエピソードのエッセイを月に1回、書いています。 今回は、100日間自由な時間があったら何をする? という話題。私は世界一周する船に乗りました。香港、シンガポール、ギリシャ・サントリーニ島、米ニューヨーク、イースター島、タヒチといったきらびやかな寄港地のなかに「何の特徴も

          『如月サラの葡萄酒奇譚』第三夜〜「ジャカランダの花が咲く頃」を公開しました

          『如月サラの葡萄酒奇譚』第二夜〜「山の神への捧げ物」を公開しました

          自由自在にお酒と食を楽しむ大人の広場「Whynot?」マガジンで「如月サラの葡萄酒奇譚(ぶどうしゅきたん)」が始まりました。 ウンチクは一切なしで、ワインが"脇役"になった、ちょっと心がほころぶ不思議なエピソードのエッセイを月に1回、連載しています。 今回は、私が毎年、滞在している宮崎県諸塚村の神事にワインを奉納し、神様に荒っぽい方法で歓迎の意を示してもらったという体験を書きました。 写真もすべて自身で。今回は主にLeica Q2による撮影です。 よろしければリンク先

          『如月サラの葡萄酒奇譚』第二夜〜「山の神への捧げ物」を公開しました

          新連載『如月サラの葡萄酒奇譚(ぶどうしゅきたん)』が始まりました

          自由自在にお酒と食を楽しむ大人の広場「Whynot?」マガジンで「如月サラの葡萄酒奇譚(ぶどうしゅきたん)」が始まりました。 ウンチクは一切なしで、ワインが"脇役"になった、ちょっと心がほころぶ不思議なエピソードのエッセイを月に1回、連載します。(編集者からの依頼は「ウンチクが一切出ないワインのエッセイを書いてください」でした)。 初回は「甲斐犬が守る家」。かつての会社の後輩であり、今は料理家・エッセイストとして活躍する寿木けいさんの山梨の家を訪ねたことを書きました。

          新連載『如月サラの葡萄酒奇譚(ぶどうしゅきたん)』が始まりました

          写真が紡ぐ記憶 富士フイルムの『写真幸福論』と私の物語

          富士フイルムが「写真幸福論」というプロジェクトをやっている。 今までFUJIFILMのカメラとはなんとなく相性が悪く、X-T2、X-T3と使ってみたけれど今ひとつ身体になじまず手放してしまった。その後、たまたまソーシャルメディア上で人気になり始めたX-100Vを手に入れる機会があり、これはちょっと持っていてもカッコいいしおもしろいカメラだぞと気に入り、遡るかたちでX70も購入した。 そのうちやっぱりさまざまなレンズでも撮ってみたくなり、X-E4を手に入れ、いくつかレンズも

          写真が紡ぐ記憶 富士フイルムの『写真幸福論』と私の物語

          よい写真ってなんだろう

          最近、写真家さんの書籍が人気というので、2冊購入して読んでみた。テクニックではなくもっと根っこのほうの、撮るという行為にていねいに触れた素晴らしい内容だった。また、2冊とも、写真と言葉は不可分なのだということが書いてあった。文章を書くことを仕事にしている私には、その部分がとても理解できた。 写真のディレクションも私の仕事のひとつだけれど、自分でカメラを持つとあまりにもつまらない写真ばかりを撮っている気がしてならない。こちらの頭の中にあるイメージを素晴らしい画にしていく職業フ

          よい写真ってなんだろう

          雪の日はカメラを持って

          昨日の東京の雪はすごかった。 みなさまご無事でしたでしょうか。 私はたまたま友人との夕食の約束があり、SIGMA fpを持って出かけていたので(ありがたき防塵防滴構造!)、帰宅の途中でいくつか写真を撮ることができた。もし家で食事をしていたら、とても出かける気はしなかっただろう。 昨日は降雪と雷が同時に起こってとても驚いたけれど、ニュースで「降雪と雷が同時に起きるのは世界でも珍しく、日本以外ではノルウェーの西海岸やアメリカの五大湖から東海岸にかけて見られる程度」と聞き、とて

          雪の日はカメラを持って

          誕生日といういちにち

          誕生日というのは年々、何を感じていいのかよくわからなくなる日だ。子どもの頃はあんなに待ち遠しかった日曜日や夏休みが、大人になるとただの平凡な休日になってしまうことと似ているかもしれない。 昨日は、日付が変わるとメールで必ず1番にハッピーバースデーとメールが届き、何十年も欠かさず図書券を贈ってくれていた父が亡くなって3回目の私の誕生日だった。 無人の実家を整理するために帰省すると、いつもそこにいた父親の姿が見えなくなってさびしいとか悲しいという気持ちはいつの間にかなくなった

          誕生日といういちにち

          いつも空を探している

          季節が移り変わってゆく土地に暮らしていて良かったなとよく思う。四季が繰り返してゆくことは、再生を感じさせる。春が年にいちど必ず巡り来るように、「今回はだめだったけど、またやればいいかな」と信じることができる。 たぶんそうやって生き延びてきた。 季節は空からやってくる、とずっと思っていた。あるとき友人たちと話していたところ、空から来るんじゃなくて「風が運んでくる」という人も「光が変える」という人もいた。それぞれ感じ方が違うものなんだな、とおもしろかった。 都会のど真ん中で

          いつも空を探している

          きっとひとりじゃないんだよ

          日常生活で、見知らぬ人や弱い社会的つながりしかない人々との会話や挨拶、感謝の言葉が多いほど生活満足度が高まるという研究結果が2023年11月に出たとき、実感と合うなあと思った。 研究では、例としてスーパーマーケットでレジ係に挨拶する、バスで隣に座る人と会話をする、庭の世話をしている隣人と話す、同じシフトで働いている同僚と会話する、毎朝コーヒーを買う店のバリスタと会話するなどの例が挙げられている。 実際はなかなか難しいことが多いかもしれない。バスで隣に座っている人に急に話し

          きっとひとりじゃないんだよ

          MY PERFECT DAYS

          かつて、同じ映画をこんなに多くの友人達が見たり話題にしたり考察したことはなかったように思う。『PERFECT DAYS』のことだ。監督はヴィム・ヴェンダース、主人公の平山を演じるのは役所広司。東京を舞台に清掃作業員の男が送る淡々とした日々を描いている。 ある寒い火曜日、自宅から徒歩20分かかる映画館まで、ダウンを着てポケットにカメラを突っ込んで見にいった。帰りにお茶でもしようと考えていたけれど、見終わった時の感情をそのままにしておきたくて、寄り道せずにまっすぐ帰ってきた。

          MY PERFECT DAYS

          変わってゆくことと変わらないこと 

          2020年に半年あまり使っていたけれど、流り病で外に出るのが憚られるようになり、夏過ぎには手放してしまったSIGMA fpを2024年初頭にふたたび手に入れた。どうしてまたほしいと思ったのか定かではないのだけれど。 2020年夏といえば、母が急激に認知症になっていることがわかり遠距離介護となり、その半年後には父が死んでしまい4匹の猫と無人の実家が残されるという家族のオオゴトにひとりで立ち向かう日々の始まりだった。 この年始に飛行機に乗って母の見舞いに行き、ふと自分が3年分

          変わってゆくことと変わらないこと