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#105 鉄棒 逆上がりのコツと練習法:怖さを克服する方法とは?

みなさんこんにちは!
ともぞうです。
逆上がりを指導すると、鉄棒嫌いが生まれます。

また、おススメはしませんが、
それでも逆上がりの指導を考えてるあなたへ!
逆上がりの教科書として、逆上がりの指導について解説していきます。

多分説明が長くなり、読むのも大変なので、数回にわけてお話していきます。
また、1つの記事にすべての情報を盛り込むのはとても労力がいる作業で時間もかかるため、数回に分けさせてもらっています。
重複する内容もあります。
1度で読み切りたいという方もいるかもしれないので、後日、すべて記事が完成したら、つなげて紹介いたします。
ご了承下さい

ちょっとこれまでの簡単な振り返りです。

「学習指導要領体育編」によると、逆上がりは、

5,6年生の「支持系、後方支持回転技群 後転グループ発展技の例示」内に、
〇逆上がり足の振り上げとともに腕を曲げ、上体を後方に倒し手首を返して鉄棒に上がること。

学習指導要領体育編

とあります。

つまり、「逆上がりは5,6年生になってようやく指導すべき技」であり、低学年では指導すべき技ではないということです。
さらに、逆上がりとは、
上り技の1つにすぎない」ということを考えると、

逆上がりが仮にできなかったとしても、他の上り技ができれば、技を組み合わせることができるので全く問題はありません。

少なくとも4年生までに逆上がりの指導に力を入れると鉄棒嫌いが生まれるのだけは確かです。
仮に逆上がりができるようになったとしても、鉄棒嫌いになる可能性大です。
なぜか?
それは、楽しくないからです。

逆上がりができる子ではなく、できない子に注目していけば、逆上がりができない理由が見えてきます。
そして、できない理由がわかれば、低学年で逆上がりの指導などしないようになるはずです。
逆上がりができるために身に付けなければいけない動きは大きく4つあります。
そのうちの2つがこれです↓

①脇をしめ、ひじを曲げて体を鉄棒に引き寄せる動き
②脚を勢いよく振り上げる動き

この2つが鉄棒が苦手な子にとって難しい動きなのです。
前回は、この脚の振り上げを助ける補助器の説明をしているうちアドレナリンがでてしまい、テンション上がって課題を話すだけで終わっていまいました。
逆上がり補助器の話は今回はもうしません。

図②をご覧ください。
体幹もできて、鉄棒に体を引き寄せられるようになったら次の段階です。
回転動作に入るための足の振り上げです。
これが一番難しいです。

図の解説では、「脚を勢いよく振り上げる」とありますが、実際に勢いよく振り上げるためには、反対の足で地面を力強く押さないといけません。
実際に足を振り上げてみてください。
おそらく自分の振り上げた足のつま先が顔くらいまでしか上がらないのではないでしょうか?
まあ体操やっていたら、柔軟性があれば頭の上までいきますが…
運動が苦手な子はそんなことはできません。

だから例えば、「右足を高く振り上げなさい」と指示を出したってうまくはいきません。
左足で、地面を強く蹴らないと右足を勢いよく振り上げるのは難しいです。
なので、振り上げ足と反対の足で、地面を押して跳ねる感覚を身に付ける必要があります。
その感覚を身に付けるのにもってこいの技があります。
足抜き回りです。
鉄棒で身に付けさせたい感覚は、鉄棒で身に付けさせていくのです。

出典:新しい鉄棒運動の授業づくり「大修館書店」

足抜き回りには、足抜き回り前と後の2種類あります。
図でいくと、前半のイラストが足抜き回り後ろで
後半のイラストが足抜き回り前になります。
足抜き回りは、足が鉄棒にあたらないように鉄棒の下を通しながら回転します。
そして、この技は足で地面を押すことによって地面から反発エネルギーをもらうことができます。
そのエネルギーを使って回転するのです。
強く押せば押すほど反発エネルギーをたくさんもらうことができます。
その感覚を身に付けさせるのです。

この足抜き回り後ろですが、できてしまう子はいとも簡単にやってしまいます。
でもできない子は棒立ちです。
鉄棒に正対した状態から踏み込んで逆さになることができないのです。
できない理由は、やったことがない場合とこわい場合の2パターン。
やったことがないだけなら、鉄棒の下に片方の足の裏をあてて、もう片方の足裏で地面を蹴ってその足裏も鉄棒の下にあててごらんと指示します。
そうすると下の図のような状態になります。
つるし柿という技です。

出典:新しい鉄棒運動の授業づくり「大修館書店」

そして、その両足の裏で、鉄棒を強く押してごらん、そうすれば後ろにまわって着地できるよ。と指示するのです。
その際、砂が目に入るので、目を閉じてやるように伝えます。
やったことがない場合であれば、ほとんど全員クリアできます。

しかしです。

こわいと思っている場合は、無理です。


そもそも、逆さ感覚が身に付いてないだけでなく、逆さになること自体が怖いのです。
だから、やり方がわかっていても、足を踏み込むことはできません。
だから棒立ちになるのです。

そういう子がいたら、まずは、ふとん干しができるかチェックしてみましょう。

出典:新しい鉄棒運動の授業づくり「大修館書店」

もし、このふとん干しもできない時は、ぶたの丸焼きです。
このぶたの丸焼きはたぶん苦手な子でもできるはずです。
今まで、ぶたの丸焼きすらもできなかった子に出会ったことがないので…

もし、ぶたの丸焼きができない子と出会ったとしたら、自分であれば次のように指導します。
まず、一番低い鉄棒の下安全マットをしきます。その上にポートボール台のような踏み台をつかって鉄棒に足をかけさせます。
そして、落ちないように、背中を手で支えてあげて安心感をもたせます。
そして手で支えながら、
「ぶたの丸焼きできてるよ~~すごいね~~」
と大いに褒めてあげます。
もちろんこれが使えるのは、低学年だけです。
上学年でこんなことを言ったら嫌われます。

そして、次第に支えている手を離していくのです。
これを続けていけばできるようになると思います。

ぶたの丸焼きだけはなんとしてでも、全員ができるようにしないといけない技と言えます。

出典:新しい鉄棒運動の授業づくり「大修館書店」

ぶたの丸焼きができたら、次は片手を離します。

出典:新しい鉄棒運動の授業づくり「大修館書店」

手を離すことができたら、友達とぶたの丸焼きじゃんけんができます。
これができると、鉄棒は楽しくなります。
友達と楽しむことができるからです。

出典:新しい鉄棒運動の授業づくり「大修館書店」

さらに、片足を離すこともできれば、逆さへの恐怖はなくなります。

出典:新しい鉄棒運動の授業づくり「大修館書店」

逆上がりの感覚づくりには足抜き回りは必要不可欠な技と言えます。
ただ、足抜き回りは逆さになるため、怖くてできない子もいます。

鉄棒の授業で、鉄棒の前で棒立ちになってる子のほとんどは怖いからです。
しっかりと近くで見てぶたの丸焼きができるまで支援してあげましょう。

足抜き回りができるようになったら、いよいよ足の振り上げです。
実はまだ足の振り上げの前段階までしか説明していません。
それくらい逆上がりは難易度の高い技なのです。
だから、私は逆上がりは指導しません。
おわかりいただけたでしょうか?

次回は高く振り上げるための蹴り上げ動作について説明したいと思います。
それではまた!


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