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住吉界隈いま・むかし[37]【郷社生根神社(奥天神)】


『住吉界隈いま・むかし』は、1918(大正7)年生まれの白井伊之助さんが記憶と想像で描いた昔の「住吉界隈」(住吉区の西半分と住之江区の東半分 ※ 住之江区は1974(昭和49)年7月22日に住吉区から西部を分離して成立)と、同じ場所で撮った1980(昭和55)年(古くは明治時代)と現在の写真を見比べて移り変わりを見てみようとする企画です。

阪神沿線×タイムスリップ写真館」を見て我が町でもやってみようと思い立ちました。

これまで36回に亘り、次のスポットの移り変わりを見てきました。

住吉界隈いま・むかしの第37弾は、郷社ごうしゃ生根いくね神社(奥天神)(住吉2丁目3番15号)を紹介します。『住吉いま・むかし』P.30~31からの転載です。

国文学研究資料館「住吉名勝図会」より

著者が江戸時代の1794(寛政6)年発刊の「住吉名勝図会」を模写し色付けしたものです。

生根神社(奥の天神)は|少彦名命《すくなひこなのみこと》(酒造の神)を祀り、住吉っさん(住吉大社)の北側へ約200mの所に鎮座しています。創立時期は不明ですが、927年の「延喜式えんぎしき神名帳じんみょうちょう」に|官幣《かんぺい》大社としての記録が残り、古来有名大社であったそうです。

元々は住吉郷の郷社でしたが、江戸時代神宮寺と共に住吉っさんの管理となり、 1872(明治5)年に再び郷社に戻り、現在は大阪市住吉区と住之江区に連なる地域の氏神様として多くの氏子崇敬者から信仰されています。

2022-05-24

拝殿を撮ったものですが、昔と今の写真を見比べると、1936(昭和11)年に旧殿を廃して新たに造営したということで大正時代とは変化が見られます。しかし、42年前とは変わっていません。

2022-05-24

大正時代(1912~1926年)に拝殿前にあった石燈籠は、ひょっとして、南側の入口の左手(西側)にあるこれらの石燈籠でしょうか?

2022-05-24

総木曽桧材にて桃山時代の建築様式を取り入れたという拝殿は、重厚で豪華です。銅板葺きの青緑色の屋根は、翼のような反りもカッコイイです。

2022-05-24

拝殿前の狛犬も銅製で、迫力があります。

住吉大社-御朱印「【住吉大社から徒歩2分】生根神社(住吉)のご利益や歴史・
境内見どころ・アクセス(行き方)をご紹介!
」より

境内の見所を右回りに巡ります~

2022-05-24

拝殿の右手(東側)には御神木「もちの木」が立っていました。樹齢500年以上で、大阪市の保存樹木に指定されています。

2022-05-24

本殿東側にある「神明穴立石しんめいあなたていし」の穴の位置は東西を向いて伊勢神宮を遥拝するように建てられています。少彦名命ゆかりの海浜の石を運んで「何首鳥かしゅう」(漢方薬、強精剤の名前)と刻んで崇めたものです。和歌浦(和歌山市)より一夜で住吉浜までやってきたという伝説もあります。

2022-05-24

本殿は、豊臣政権の末期・1600~1602(慶長5~7)年に、豊臣秀吉側室淀君の命令で寄進されました。完全なる桃山時代の建築様式を残し、切妻きりづま千鳥破風ちどりはふ木造|桧皮葺《ひわだぶき》|極彩色《ごくさいしき》の建造で、大阪府指定の有形文化財(建造物)に指定されました。塀が高くて屋根しか見えないのが残念です😢

2022-05-24

本殿前に立つ樹木の周りの、干支の瓦も何かいい感じです~

2022-05-24

本殿の裏(北側)には、摂社末社が並んでいます。

2022-05-24
2022-05-24

境内の北西角には"奥の天神"と称される由縁となる「天満宮」(摂社)が鎮座しています。現在の建物は江戸時代後期(1750年頃~1850年頃)のもので、|一間社《いっけんしゃ》流造です。

御祭神は菅原大神で、 殿内には室町時代の1482(文明14)年に制作された菅原道真公の|坐像《ざぞう》(大阪市指定有形文化財)が安置されています。

2002-05-23

拝殿の右手(西側)には「紅梅殿」があります(上の「住吉名所図会」参照)。この建物は、住吉神宮寺にあった回廊の一部を移したものです。 当初は絵馬所として使われましたが、昭和初期(1926~1941年)頃に改装され、現在は集会所として利用されてい ます。

2002-05-23

紅梅殿の左手(南側)に「絵馬掛所」がありましたが、白い絵馬もありました😲厄払いの絵馬でした。よく見ると、この厄除け絵馬の「厄」という字はくり貫かれていました!!「厄を取り除く」という意味があるようです!!

2002-05-23

境内南西側に「手水舎」があり、その左(南)隣には「百度石」がありました。後方には、

2002-05-23

子供神輿がありました。

2022-05-24

生根神社の南側の入口です。両側に注連柱が建っているものの鳥居はありません。『摂津名所図会』には境内入口に鳥居と神門が描かれてますので(武庫川女子大学リポジトリ「摂津名所図会(一 : 住吉郡)」の30枚目の画像参照)、何らかの理由で破却されたのでしょうか?

2022-05-24

因に、西側の入口には鳥居が建っています。

奥の天神 生根神社「祭礼・行事」より

祭礼や行事も色々とあります。

節分の際には厄除けぜんざいをいただいたり😋初夏には茅の輪を潜りに行ったり、

すみ博』のイベント会場になったりと、地域に根付いた生根さんです!!

#この街がすき #住吉界隈いま・むかし #生根神社 #タイムスリップ


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