マガジンのカバー画像

Read later

8
運営しているクリエイター

記事一覧

ウクライナのテレビ局で考えた「公共放送」のこと

ウクライナのテレビ局で考えた「公共放送」のこと

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の1か月前、2022年1月、私はウクライナの首都キーウに滞在していた。ウクライナの公共放送に対する支援を締めくくるための訪問だった。

私は長年NHKの記者として勤務し、その後、NHKインターナショナルというNHKの関連団体で、国際協力の仕事を続けてきた。この団体では、諸外国の“公共放送”づくりのための人材育成、放送局支援の事業などをおこなっている 。旧ユーゴスラ

もっとみる
女子大生はなぜ乳児を殺めたか 三宅玲子

女子大生はなぜ乳児を殺めたか 三宅玲子

“自首”もわからない「境界知能」の実態。文・三宅玲子(ノンフィクションライター)

「就活の邪魔になると思った」就活で上京した神戸在住の女子大生(当時)が、羽田空港のトイレで産み落とした赤ちゃんを殺害し、遺体を新橋のイタリア公園に埋めたとして逮捕されたのは2020年11月。事件発覚から1年後だった。

殺害遺棄前後の女性の行動は不可解で強烈だった。飛行機の中で陣痛に耐え、空港のトイレで産んで窒息死

もっとみる

人材の値段は世界均衡を目指す

たまたまアップルの研究所の近所に住んでいるのだけど。人種がよく分からないくらい入り乱れている。日本人って、警備員の方以外でまだ見かけていないと思う。

ふと思う。国ごとで、人件費に差をつけられる世界はいつまで続くのだろう。言葉、教育は、YouTube等で世界でフラットになっていく。

以前にモルスタの人の話を聞いて、ちょっと香港の人が足りないというので、2週間くらい行ってくる(仕事の内容って変わら

もっとみる
「キャリアの一貫性」とやらと個人の想いは関係ない

「キャリアの一貫性」とやらと個人の想いは関係ない

朝晩冷え込むようになってきましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?先週、note当番だったのに全然書けずこっそり週明けにnoteを書いている石倉です。

さて、弊社ではApplyという「求職者のエージェント」事業を運営していることもあり、多くの個人の方のキャリアについてお話しする機会が増えてきました。また自分ももともと採用担当の仕事をしてましたし、今も人事や採用に携わる方とお仕事する機会は多い

もっとみる
清水隆史ロングインタビュー 信大からネオンホール編(三/五)

清水隆史ロングインタビュー 信大からネオンホール編(三/五)

(このインタビューは二〇一一年に行った)
※ 前回までのあらすじ
やりたい放題やっていた信大松本キャンパスから、人も少なく勉強も忙しい長野キャンパスに移ってきた清水さん。
思うように演劇や音楽をやる場がないので、自分で作ろうと思う。

稲田 長野にないから自分で作ろうってなったんだ。

清水 拠点が松本にあるから、最初は松本に通ってたんです。でも、当時の演劇仲間に実践派で一目置いている男がいて、「

もっとみる
ノースキルだった私がRecursionを創業するまでの物語

ノースキルだった私がRecursionを創業するまでの物語

私の経歴やアメリカでの出来事を交えながら、コンピュータサイエンスをオンラインで学習できるプラットフォーム「Recursion」を起業するまでの経緯を記事にまとめました。

まずは大学生活まで遡ります。

大学時代、初めてのプログラミングとの出会い私がプログラミングに初めて出会ったのは、大学1年生の時でした。当時は経済学部専攻だったのですが、必修科目としてC言語を学ぶことになりました。当時は2013

もっとみる
腹ペコ戦争(後編)

腹ペコ戦争(後編)

■第六章 ガダルカナルの死闘
もともと日本とアメリカは国力に圧倒的な差がありました。日米開戦の時点で国民のカロリー摂取量で12倍、オリーブオイルの
生産量で25倍、宴会の予算で30倍、二次会の予算では50倍、コレストロール値で100倍もの差がありました。それに加えて
アメリカでは戦前すでに、わずか30秒で茹で上がるインスタントラーメンや、米粒がこびりつかないしゃもじなども普及しており、
科学技術力

もっとみる
腹ペコ戦争(前編)

腹ペコ戦争(前編)

■第一章 日中戦争から日米交渉決裂まで

1937年7月、中国国民党主席の蒋介石が経営するつけ麺屋の食べログに突然「だし汁が焦げ臭い」「そばに対する愛情が感じられない」
という書き込みが行われました。この批判に激昂した蒋介石はこの投稿は日本軍による謀略であると断定し、ただちに動員令を発令、
北京付近に30個師団、作務衣を着たそば職人2000人を含む総兵力20万人を集結させ、両軍は交戦状態に入り日中

もっとみる