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本や映画の感想

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読んだ本、観た映画の備忘録です。
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「念」と映画メッセージ

「念」と映画メッセージ

映画「メッセージ」を見ました。
誰だ、この映画を"ばかうけが浮かぶ"、と宣伝したのは。
めちゃくちゃ傑作じゃないか!

さて、皆さんは、時間の非連続性という話をご存知でしょうか?

ぼくは超のつく文系なので、うまく説明できる自信はないのですが、頑張って説明してみます。

一般的に時間というのは、過去から未来に向けて一方向に進んでいると考えられていますが、実は過去、現在、未来は同時に存在していて、今

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まあ、余計なお世話だけど

まあ、余計なお世話だけど

本田健さんをご存知ですか?

おっと、怪しい自己啓発系のセールスか!とひかずに、少しだけ、ぼくの話を聞いてください。
安心して下さい、何も売りつけやしませんから。

本田健さんの本は、本屋さんはもちろん、駅中のキオスクとかに置かれていることもあるので、見たことあるって方も多いのではないでしょうか。

有名なのは「ユダヤ人大富豪の教え」とか「◯代にしておきたい17のこと」シリーズですかね。(ユダヤ人

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木村俊雄さん著「電気がなくても、人は死なない。」

木村俊雄さん著「電気がなくても、人は死なない。」

本要約系YouTuberのアバタローさんのチャンネルで、ミシェル・フーコー「監獄の誕生」を見ました。
自分じゃ絶対読めないと思うので、こうして紹介して頂くのは、ありがたいです。

さて、今の社会、まさにフーコーが指摘する監獄じゃんか、と思いますよね。ぼくだけかな?

ぼくは、職場で暇な時に、どこかへ自由に行くことも出来ず、職場の中をウロウロと歩き回っていることがあるのですが、これじゃあまるで檻に閉

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映画「9人の翻訳家」を見て、デンマーク人翻訳家の死を思う

映画「9人の翻訳家」を見て、デンマーク人翻訳家の死を思う

「9人の翻訳家」という映画を見た。
やっぱり映画は良い。
一時間半くらいの間、じっとその世界に没入する感じは実に心地よい。

そんなに話題にもなっていない映画のようだけど、サスペンス好き、本好きの方は楽しめる映画だと思う。

映画のメインストリートにはほぼ関係ないけど、9人の内の一人にデンマーク語の翻訳者が登場する。

彼女は翻訳家達の中で唯一、家族とのエピソードが描かれる。
彼女には夫と幼い子供

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映画「聖なる酔っ払いの伝説」

映画「聖なる酔っ払いの伝説」

久しぶりに分かりにくい、でも、とても好きな映画をアマゾンプライムで見つけた。

「聖なる酔っ払いの伝説」

今のご時世、エンタメコンテンツだらけで、僕は少し目が回る。

おかげで熾烈な生存競争を生き抜いてきた海外ドラマは、本当に目を離すことが出来ない面白さだ。

少し前に僕がハマったのが、「ブレイキング・バット」「ベターコールソウル」などNetflixで見れるドラマ達。

特にこの二作は本当に良く

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『移動祝祭日』

『移動祝祭日』

写真は先日虹が出た時にベランダから撮ったもの。
さて、一年で一番嫌いな季節がやってきた。
梅雨などと風情があるような言い方したって、ただの雨季じゃねえか、と思う。

ベタベタするのが嫌で一日に何度も風呂に入らなければならないし、入って、すぐにまた汗をかき始めるので本当に厄介だ。

考えてみると、この体を維持するのに我々はどのくらい労力を使っているのだろう。

いろんな生理欲求を満たしてやらにゃあい

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アイルランド貧民の子が…

アイルランド貧民の子が…

もし、あなたが海外文学に触れてみたいが何から手を出して良いやら?とお困りであれば、私が心の師と勝手ながらに仰いでいる柴田元幸先生が翻訳、選書して下さっている、スイッチ・パブリッシングから出版されているマスターピースシリーズを何よりもお勧めしたい。
(とにもかくにも、このシリーズは装丁がカッコいい!)

私は全く持って熱心な読者とは言えないが、どうにもこうにも行き詰まりを感じた時に常々辿り着くのが、

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「全て宇宙の采配」木村秋則著

「全て宇宙の采配」木村秋則著

コロナ禍の前も後も楽しみの一つに図書館通いがある。
何が良いって、無料で気になった本を持ち帰ることができる。もちろん図書館は税金で運営されていて、それは納税者である私達のお金で運営されているのだが。

書棚を巡っていると、とても良い笑顔の老人が目につく。屈託のない笑顔、日に焼けた肌。
あっこの人知ってる、数年前に本屋で見かけた「奇跡のりんご」のおじちゃんだ、と記憶が蘇る。本のタイトルは「全て宇宙の

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