「介護の大変さを、少しでもやわらげる方法」㉓「今、できることを考える」
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私は、臨床心理士/公認心理師の越智誠(おちまこと)と申します。家族介護者の心理的支援を仕事にしています。
家族介護者の負担
コロナ感染対策の緩和が言われるようになりましたが、ご高齢者に関わることが多い家族介護者の方にとっては、それほど不安の大きさが変わっていないかもしれません。それに、もともと、介護が始まってから、いつ終わりが来るか分からない毎日が、ずっと続いているかと思います。
その気持ちの状態は単純ではなく、説明しがたい大変さではないかと推察することしかできないのですが、それでも、ほんの少しでも負担感や、ストレスを減らせるかもしれない方法は、お伝えする努力はしていきたいと考えています。
時間的にも余裕がなく、どこかへ出かけることも出来ない場合がほとんどだと思いますが、この「介護の大変さを、少しでもやわらげる方法」シリーズでは、お金も時間も手間もなるべくかけずに、少しでも気持ちを楽にする方法を考えていきたいと思います。
やりたいことは、やっておく
「介護に備える」というテーマを扱ったことがありました。
その時に、「やりたいことは、やっておく」という記事を書きました。
これは、介護がまだ現実になっていない方向けの記事です。
今はまだ先のことと思っている介護が、突然やってきた場合に、やりたいことをやっておいた状態で、その生活に入っていった方が、やはり介護負担感が少しでも減るのではないか、といったことを書きました。
ただ、実際は「やりたいことをやる」前に、介護生活に突入し、まるで振り回されるように時間は過ぎ、その生活に慣れるだけで精一杯で、「やりたいこと」を考えることさえ、思い浮かばないような気持ちの状態かもしれません。
「介護が終わったら」
ただ、それから、もし少しでも介護生活に慣れ、そして、毎日の大変さを少しでも忘れるために、(誰に言わずに、ひっそりと)「介護が終わったら、こんなことをしよう」と思う時があるかもしれません。
そのことで、気持ちがわずかでも楽になれば、それは、その時の気持ちと状況にフィットしているということなので、その方法で乗り切っていくのがいいのでは、と思います。
ただ、人によって、場合によって、「介護が終わったら」と想像すること自体が辛くなることもあると思います。
今、できることを考える
そんな時は、もし、可能であれば「今、できることを考える」を、試してみるのは、いかがでしょうか。
おそらく「介護が終わったら」を考えるのが辛くなるのは、「いつまで続くかわからない」ことが身にしみすぎて、だから、終わった後を考えられなくなっている可能性もあります。それが、介護生活に慣れるということでもあると思うのですが、その場合には先のことを考えられない体質になっている可能性も高いです。
もしくは、「介護が終わった時」は、今、介護をされている方(要介護者)が亡くなる時ですので、それを想像すること自体が辛い場合もあります。
そういう場合は、毎日、介護で大変だとは思うのですが、その合間の数分でいいいので「今、できることを考える」のは、どうでしょうか。
たとえば、この「介護の大変さを、少しでもやわらげる」方法の、どれかを試してみることもできるかもしれません。
こうした方法が、どうもピンとこないのであれば、改めて、今、介護以外に、自分は何がやりたいのかを、少し考えてみるのはいかがでしょうか。
もしくは、介護が終わった後にやりたいことがあったのであれば、「今、できるように」、そのエッセンスを生かしながら場所を選ばないやり方にアレンジできないだろうか、と考えるのはどうでしょうか。もしくは、やりたいことのための準備を少しずつ始めることはできないでしょうか。
実現が難しいとしても、それを考えること自体が、もしかしたら、少しでも楽になることにつながるかもしれません。
何も思いつかないけれど、何かをやってみたい、という気持ちになれたとしたら、もう少し考えてみませんか。
たとえば、自分が子ども時代に好きだったことを思い出せて、それが、今できることであれば、やってみるのは、いかがでしょうか。何かのひとり遊びであったり、古いゲームであったり、短い時間で家でできるものであれば、それを試してみるのもいいかもしれません。
もしくは、途中でやめてしまった趣味を、もう一度、思い出してみて、今の状況でも出来ることはないかを、考えてみるのは、どうでしょうか。
こんなふうに、「今できることを、考える」のを試してみては、いかがでしょうか。
今回は、以上です。
(他にも介護のことをいろいろと書いています↓。よろしかったら、読んでもらえたら、うれしいです)。
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