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メタル君の「今日の精神医学豆知識!」(231)-(235)

皆様、こんにちは。鹿冶梟介(かやほうすけ)です😆

6月も下旬になりましたね。

もうすぐ7月。夏もすぐそこまで来ています!

7月といえば七夕ですが、ここ数年天気に恵まれていない記憶が…。

今年の七夕も仕事なので、天の川を見に自然豊かなところへ行くことは難しそうですが、いつか原っぱで寝そべりながら天の川を眺めたいです🎋

今回は第231回から235回までのメタル君の朝ツイートをまとめています。

Twitterでも頑張るメタル君の姿をでnote民の皆様も是非覗いてみてください☺️

Twitter民の皆様も、Twitterでは語りきれなかった【メタルのおまけ】がございますので、ご興味があれば是非お読みください!


【今日の精神医学豆知識集!(その47)】

231.アタケ・デ・ネルビオス(Ataque de nervios)は、ラテン系民族の人々に生じる、怒り、不安、悲しみの発作だよ。家族に関する強いストレス(近親者の死など)をきっかけに、悲鳴、号泣、叫び、震え、攻撃性が制御不能な状態で現れるんだ。

2023年6月1日

【メタルのおまけ】
アタケ・デ・ネルビオスに共通するのは「制御不能な感覚」だよ。家族の死など受け入れ難いイベントに直面して、自分ではコントロールできない哀しみや怒りのような感情が湧き出るんだよ。病態的にはパニック障害、PTSD、解離性障害などと関係すると考えられるよ。

↓ネルビオスって、エビオスに名前が似ていますね。


232.ダート症候群(Dhat syndrome)は南アジアに見られる文化結合症候群で、不安、虚弱、インポテンツ、抑うつ気分などが自分の精液喪失によって生じると思い込む若い男性特有の病態だよ。ヒンズー教圏内では精液の喪失が健康に有害と信じられているため、このような病態が生まれるらしいね。

2023年6月2日

【メタルのおまけ】
「ダート」はヒンズー教の医術体系である「アーユルヴェーダ」に記述される7つの必須体液のひとつで、精液を意味するよ。ちなみにインドの精神科では男性の外来患者の64%が性的な悩みを持っているんだって。日本と違って性的なことについても医師に相談する文化のようだね。

↓アーユルヴェーダのオイルだそうです。


233.カイヤル発作(Khyal cap)は「風の発作」と呼ばれるカンボジア人に見られる症状だよ。自律神経症状(耳鳴りなど)に加え、めまい、動機、息切れ、四肢冷感などパニック発作に似ているよ。この時患者さんは、「風のような物質」が血液の中を巡る…、と思い込むそうだよ。

2023年6月3日

【メタルのおまけ】
カイヤル発作は基本的に前兆なしにおこるけど、悩み、立ち続けること、否定的連想、混雑した環境(乗り物など)で発作が生じるらしいよ。このため診断基準的にはパニック障害となんら変わりがないんだよね…。でも、「風のような物質」が身体中を巡るっていう考えは、ちなみにカイヤル発作は、カンボジアに住む人々だけでなく、米国に住むカンボジア人でも生じるんだって。

カイヤルと聞いて思い出したのはこの人です。


234.クフンギシサは、ジンバブエの心理・社会的慣用句だよ。日本語に訳すと、「考えすぎ」なんだって。ジンバブエでは「考えすぎ」は疲労、頭痛などを生じさせる「不快なもの」という認識なんだよ。日本で言う「ストレスのせい」と同じ感じの表現かもね。

2023年6月4日

【メタルのおまけ】
クフンギシサと同様のことはナイジェリアでもあって、”brain fag(脳疲労)”と言われるよ。「考えすぎ」が苦痛となるのはアフリカだけでなく、カリブ海、ラテンアメリカの一部、東アジア、アメリカ先住民なんかでも生じるらしいよ。

↓ジンバブエと聞いたら「ジンバブエドル」を思いまします。Amazonで販売されているそうです。しかも100兆ドルって…😅


235.アモク(amuck)は、マレー人にみられる精神錯乱のことだよ。突然興奮状態になって人を無差別に殺傷し、その後自殺を企てるよ。マレー語のamog「決死隊の戦士」が語源だって。ちなみにアモクの時に行った殺傷は覚えていないことが多いよ。

2023年6月5日

【メタルのおまけ】
アモクが起こる前、その人は悲しいことや侮辱されるような体験をしていることが多いよ。そして、しばらく引きこもり、うつ病のような状態になるけど、ある日突然武器を手に取り周囲の人間を襲うんだ…。何だか日本における「無敵の人」って感じがするよね。ちなみに英語で”runnning amok(狂う"って意味)"という表現があるけど、これはもちろんアモクが由来だよ。

↓アモクのTシャツだそうです。これを着ると、無敵になれる?


【メタル君の考察】

今回は「文化」に関連したテーマのツイートが中心だったね。

世界各国独自の文化があるから、精神疾患も色々なものがあるんだね。

その土地の文化や風習と密接に結びついた精神疾患を文化結合症候群(culture-bound syndrome)というけど、日本においては”対人恐怖症”が文化結合症候群、すなわち日本特有と言われているよ。

(社交不安障害に含まれるけど、精神病理的に質が違うんだよ)

文化結合症候群はとても興味深いから、また何か発見したらtwitterでつぶやくよ!

これからもマニアックな精神科ネタをバンバン紹介していくぞ😉


【Twitter】

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