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メタル君の「今日の精神医学豆知識!」(216)-(220)

皆様、こんにちは。鹿冶梟介(かやほうすけ)です😆

とうとう6月…梅雨の到来です...☔️

気温も徐々に上がり、蒸し暑くなってきます…。

雨が降って湿気はありますが、暑いと体内の水分が予想以上に失われることがあります。

いわゆる隠れ脱水症です。

皆様も梅雨の隠れ脱水にはお気をつけください。
小生の場合、脱水しないようしっかりワインとビールで水分を補給しております🍷☺️🍺(<=良い子はマネしないように)

さて今回は第216回から220回までのメタル君の朝ツイートをまとめています。

Twitterでも頑張るメタル君の姿をでnote民の皆様も是非覗いてみてください☺️

Twitter民の皆様も、Twitterでは語りきれなかった【メタルのおまけ】がございますので、ご興味があれば是非お読みください!


【今日の精神医学豆知識集!(その44)】

216.賠償神経症(compensation neurosis)は、事故・災害の賠償・補償制度下でより多くの保護や金銭的補償を受けたい願望が動機になって起こる神経症だよ。よくあるのは交通事故後の”むちうち(頚椎捻挫)”だね。中には詐病(嘘の病気)と紛らわしいケースもあるよ。

2023年5月9日

【メタルのおまけ】
詐病とは経済的または社会的利益を得るために、病気であるように振る舞うことだよ。よく耳にするのが、いわゆる「当たり屋」という詐欺師たちだね。当たり屋は外見上わかりにく「後遺症」と称して損害賠償や治療費を求めることがあるよ。”詐病”は確かに”病”という文字が使われているけど、これは病気じゃないからむしろ弁護士さんに相談すべきかも知れないね😖

↓「当たり屋」で調べたら、こんな本が…。なんだかすごいタイトルですね😅


217.ドル札神経症(greenback neurosis)って知っている?昨日紹介した賠償神経や詐病PTSDの別名で、要するに賠償や補償を受けたくて心身に不調をきたすことだよ。ところでなぜ”green”backって言うか分かる?米ドル札は全て裏が緑色だからgreenbackっていうんだよ。

2023年5月10日

【メタルのおまけ】
ドル札神経症(
greenback neurosis)はこのほかに、accident neurosis(事故神経症)や先ほどの賠償神経症(compensation neurosis)とも呼ばれているよ。ところで何故米ドルのに緑色が採用されたか知っている?諸説あるけど、紙幣を発行した当初緑の絵の具が手に入りやすかったこと、緑色は化学的に安定して変色しにくいこと、緑色が心理的に安心感をもたらすため(政府への信頼感を増すため)、緑色が採用されたらしいよ。

↓アメリカ通貨のオモチャだそうです。


218.虚偽主題 (英: lie motif; 独:Lugenmotiv)は患者が「私はかつて嘘をついた」あるいは「私はたった今嘘をつきました」と告白する現象だよ。特にうつ病患者に認めることがあるけど、メランコリー(内因性うつ病)における独特の離人体験といえるね。

2023年5月11日

【メタルのおまけ】
うつ病にける"離人感"では感情が疎隔され、今までの自分を否定するような感覚に陥りやすいよ。そこにうつ病に伴う罪業感が加わると「嘘の告白」をすることがあるんだ。Krausという学者が唱えた説なんだよ。なんだか、教会の懺悔に似しているかも知れないね。

↓「告白」と聞いて小生が思い浮かべるのは、三島由紀夫の「仮面の告白」でしょうか…。


219.虚偽性障害(factitious disorders)は、身体または精神症状を意図的に捏造し"病人"を装うことだよ。その目的はあくまで病人になることで、外的動機(詐病の際にみられる、法的責任の回避や経済的利得など)はないよ。要するに"誰得?"状態なのに病気のフリをすることなんだ。

2023年5月12日

【メタルのおまけ】
詐病と虚偽性障害は区別しにくいよ。なぜなら一見”誰得?”と思えても厳密に調べると、多少なりとも本人に利益があるからね。また最初は誰かを騙そうという明確な意図があっても、途中から自分自身がそう思い込んでしまうこともあるよ。このことを空想虚言(pseudologia fantastica)と呼ぶよ。

↓「虚言」で調べたらこんな漫画が…。kindleunlimitedで無料だそうです。


220.虚偽記憶症候群 は、実際には存在しなかった幼少時代の虐待の記憶など、誤った過去の記憶を後になって想起する現象だよ。被暗示性の高い患者が治療の過程で医原性虚偽記憶を想起することがあるよ。ジュディス・ハーマンの「心的外傷と回復」は物議を醸したね。

2023年5月13日

【メタルのおまけ】
1980〜1990年代の米国ではカウンセリングによって「幼児期の性的虐待」を思い出すクライアントが続出したよ。そして記憶を蘇らせたクライアント達が自分の父親達を過去の性的虐待で次々と訴訟を起こしたんだ。しかし、これらの性的虐待の記憶の多くは、カウンセラーの誘導によって捏造された記憶だったことが後にわかるよ。この"偽りの記憶”を証明した「ショッピングモールの迷子実験」によると、被験者の4分の1が実際には経験していない幼少期の迷子エピソードを”思い出した”よ。この論争は”Memory War(記憶戦争)”と呼ばれたけど、結局クライアントの記憶を蘇らせる”記憶回復療法”は現在の欧米のガイドラインではほとんど推奨されていないよ。

↓「記憶」に関する小説では、フィリップ・K・ディックの「追憶売ります」を思い出します。そしてこの小説を映画化したのがシュワルツネッガー主演の「トータルリコール」です。当時はシュワルツネッガーがカリフォルニア州知事になるなんて、夢にも思いませんでしたよ…。


【メタル君の考察】

今回は「嘘」をテーマにしたツイートが中心だったね。

note記事「詐病と精神医学: 精神科医は詐病を見抜けるか?〜古典的研究「ローゼンハン実験」の批判的再考〜」で鹿冶さんが解説したけど、医師は基本的には「性善説」の立場で患者さんを診るから、「嘘」をつかれるとちょっと困るよね…😖

逆に医師が患者さんに診療上「嘘」をつくのは二つのパターンがあって、一つ目は「本当のことを言ったらショックを受けて、患者さんの不利益が生じるため」と、二つ目は「医療側の何らかのミスを隠すため、つまり医療側が不利益が生じるため」があるよ。

後者は議論の余地なく医師が悪いんだけど、前者についてはどう思う?

がんの告知については今では「病名を患者に知らせる」のが一般的になったけど、精神疾患についてはまだまだ微妙なところがあるよ。
(具体的にはパーソナリティ障害の告知は慎重になることが多いよ)

これからもマニアックな精神科ネタをガンガン紹介していくね😉


↓メタルスライムっぽい(?)お財布です!可愛いな☺️


【Twitter】

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