神崎翔

詩を書いております。Xでも詩を書いています。詩人になることを目指して! 宜しくお願いし…

神崎翔

詩を書いております。Xでも詩を書いています。詩人になることを目指して! 宜しくお願いします。

記事一覧

顕現 【詩】

もっとも会いそうな場所で 会ってもおかしくない人に出会う そこにいてもおかしくない人たちに 偶然だが 当たり前のように出会う なんの疑いの余地もない いっけんそのよう…

神崎翔
7日前
13

ある夏のワンシーン 【掌編】

夕焼けに溶け込むオレは座り込んでうつむいてばかりだった。 リカコはオレの気も知らないでぶっきらぼうに言う。 「なによ! 黄昏ちゃって」 「ルカにフラれたくらいでさ…

神崎翔
3週間前
10

ひとつの恋愛観 【詩】

きみと出会ってからというもの 春を感じている 季節は夏というのに 菜の花が咲いて 紋白蝶が飛んでいる ツクツクボウシにかき氷 なのに春 きみはひとつだけ忘れてい…

神崎翔
1か月前
18

なぜ詩を始めやめたのか、また始めたのか

詩を書き始めたのは40歳を過ぎてから。2014年のことです。1年ほど書いてしばらくして詩はやめました。2022年の10月また始めました。なぜやめたかというと文学の才能がない…

神崎翔
2か月前
30

【詩】 コミュニケーション

木々がざわざわと音を立てる 何者かが横切った痕跡をそこに残して 木々の話し声がふと聞こえる 歓迎しているようでもあり ここから立ち去るようにと警告しているようでもあ…

神崎翔
4か月前
18

【詩】 あの日のアイツ

好きですのひと言が言えないで 自分を許せなかった あの日 きみは理科室の隣の席にいた 先生にみつかるとあぶないよ と きみは学生服の袖をつかみ 思わず黙り込んで にら…

神崎翔
4か月前
12

【詩】 何も分からず

ぼくは どうしてここに来たのだろう どうしてここにいるのだろう 見上げてみると 月だけが朧に輝いている 外の世界がどうなっているかなんて ぼくには分からない そのドア…

神崎翔
5か月前
15

【詩】 人間なんだろ

さんざん言って聞かせただろう さんざん言って聞かせただろう 恋はもうできないって 恋はもうできないって 古びたノートに書きなぐった マスターベーション 狂人が掲げる…

神崎翔
5か月前
17

【詩】 幻影

ゴミ袋からのぞく ミルクコーヒーの残骸 他者の生活に ぼくは無理矢理に脱力する 確かにその紙片はぼくを見つめる 存在を主張する ここに私たちが生活しているのだと 静寂…

神崎翔
5か月前
18

【詩】 潮が満ちて

夜9時をまわった頃 女が急にお腹が痛いと言い出した 聞くと女のあの日だと言う 男のぼくにはわからないが ゆっくり休んでとしか言えなかった 翌日になっても 体の痛みの…

神崎翔
6か月前
16

【詩】 忘れてしまいたいこと

病苦に悩まされた若き日の頃 ぼくはあまりの苦しさに耐えかねて 灯油を飲んだ 母が泣いていた もうやめようと思った 死ぬのはやめようと思った 生きることがなにより耐えら…

神崎翔
6か月前
19

【詩】 からす

そのとき 信号が変わった 車が左折する 自転車は颯爽と横切る 前の男にぶつかりそうになる 子どもが飛び出した 案の定自転車は横転する ぼくは何事もなかったような顔をし…

神崎翔
6か月前
14
顕現 【詩】

顕現 【詩】

もっとも会いそうな場所で
会ってもおかしくない人に出会う
そこにいてもおかしくない人たちに
偶然だが
当たり前のように出会う
なんの疑いの余地もない
いっけんそのように思われがちだ

現実はそれが起こってもおかしくないように
現実を装って 現実たらしめ そこに顕れる
それはぼくの現実だ
きみの現実はぼくとはまた違った様子で顕現するだろう

その人は
承認されるや否や 息を吹き返す
わたしはここにい

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ある夏のワンシーン 【掌編】

ある夏のワンシーン 【掌編】

夕焼けに溶け込むオレは座り込んでうつむいてばかりだった。
リカコはオレの気も知らないでぶっきらぼうに言う。
「なによ! 黄昏ちゃって」
「ルカにフラれたくらいでさあ。元気出しなさいよ」
遠くを列車が走っていく。それに乗るように夏休みに入っていけるのか? 向日葵は夕日の方向を向いてるけど、オレは下を向くことしかできない。リカコは隣のクラスでオレの部活のバスケ部のマネージャー。ルカは・・・クラスメイト

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ひとつの恋愛観 【詩】

ひとつの恋愛観 【詩】

きみと出会ってからというもの

春を感じている

季節は夏というのに

菜の花が咲いて

紋白蝶が飛んでいる

ツクツクボウシにかき氷

なのに春

きみはひとつだけ忘れていった

夏を忘れていった

きみは春をつれてきた

なぜ詩を始めやめたのか、また始めたのか

なぜ詩を始めやめたのか、また始めたのか

詩を書き始めたのは40歳を過ぎてから。2014年のことです。1年ほど書いてしばらくして詩はやめました。2022年の10月また始めました。なぜやめたかというと文学の才能がないと判断したからです。なぜまた始めたかというと読んでくれる人がいたからです。ですが理屈はよくわかりません。

なぜ詩を始めようと思ったのか、8年経ってまた始めようと思ったのか。詩を始めようと思ったのは大学生の時に(中退しましたが)

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【詩】 コミュニケーション

【詩】 コミュニケーション

木々がざわざわと音を立てる
何者かが横切った痕跡をそこに残して
木々の話し声がふと聞こえる
歓迎しているようでもあり
ここから立ち去るようにと警告しているようでもある
ぼくをよく知っている木々に囲まれているとき
ぼくは嬉々として快くスキップする

小鳥がぼくに挨拶してくれる
小鳥の話し声がふと聞こえる
心の中の声はとても暖かく
ぼくを明朗とする
小鳥はぼくのことをよく知っているようだ
小鳥はそして

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【詩】 あの日のアイツ

【詩】 あの日のアイツ

好きですのひと言が言えないで
自分を許せなかった
あの日
きみは理科室の隣の席にいた

先生にみつかるとあぶないよ と
きみは学生服の袖をつかみ
思わず黙り込んで
にらめっこする

何も言えない自分に腹を立て
復讐と称して
何時間も勉強しているアイツ
鏡を見るのが嫌になるほど
ニキビをつくって
そんな自分が
嫌で、嫌で、たまらないはずのアイツ

学校を卒業しても
恋は勉強できなかったあの日のアイツ

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【詩】 何も分からず

【詩】 何も分からず

ぼくは
どうしてここに来たのだろう
どうしてここにいるのだろう
見上げてみると
月だけが朧に輝いている
外の世界がどうなっているかなんて
ぼくには分からない
そのドアを開けてみないと

眠れぬ夜
ぼくは消えそうになって
存在が消えてなくなりそうになって
たまらずそのドアを開けた

なんてことはなく
猫がぼくを出迎えてくれた
森閑とした夜の空気
まだ汗ばむ初秋だというに
ぼくは凍えてしまいそうで

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【詩】 人間なんだろ

【詩】 人間なんだろ

さんざん言って聞かせただろう
さんざん言って聞かせただろう

恋はもうできないって
恋はもうできないって

古びたノートに書きなぐった
マスターベーション
狂人が掲げる
イデオロギー

普通じゃない
まともじゃない

社会的に生きられなくて
いつまでも非現実的な殻に閉じこもっている
そんな人間

人間なんだ
恥をかきたきゃ生きろ
生きていくなら恥をかけ

人間なんだろ

【詩】 幻影

【詩】 幻影

ゴミ袋からのぞく
ミルクコーヒーの残骸
他者の生活に
ぼくは無理矢理に脱力する
確かにその紙片はぼくを見つめる
存在を主張する
ここに私たちが生活しているのだと
静寂の中
空気が凍る
そんなこと考えたくもないのに

此岸と彼岸のゲートを渡った
その刹那
ひとりの少女がひとり言を
まるでぼくにあびせるかのように
その言葉は空に消えていくが
ぼくは何が何だか理解できず
ぼくはまた無理矢理に脱力する

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【詩】 潮が満ちて

【詩】 潮が満ちて

夜9時をまわった頃
女が急にお腹が痛いと言い出した
聞くと女のあの日だと言う
男のぼくにはわからないが
ゆっくり休んでとしか言えなかった

翌日になっても
体の痛みのひかなかった女は
仕事を休んで
動けなくなった
お昼ごはんを食べれないほどの痛みである
かわいそうに
痛みが和らぐのを祈るばかりだ

ぼくは女の人の体には無知だ
生理痛ってこれほどひどいものなのか
労ってあげたい
守ってあげたい
痛み

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【詩】 忘れてしまいたいこと

【詩】 忘れてしまいたいこと

病苦に悩まされた若き日の頃
ぼくはあまりの苦しさに耐えかねて
灯油を飲んだ
母が泣いていた
もうやめようと思った
死ぬのはやめようと思った
生きることがなにより耐えられない
大きな鉛が背中にぶらさがっていた
声を発することも忘れてしまっていた

どうすれば声が出るのかさえ
わからなくなってしまっていた
首にロープを巻いた
ドアノブにそれをひっかけた
それでも死ねなかった

母には内緒にしておいた

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【詩】 からす

【詩】 からす

そのとき
信号が変わった
車が左折する
自転車は颯爽と横切る
前の男にぶつかりそうになる
子どもが飛び出した
案の定自転車は横転する
ぼくは何事もなかったような顔をして
その場を立ち去る
そのとき交差点に魔が吹いた

野鼠が寄ってくる
見たこともない野鼠
後ろの方で野鼠が野鼠同士でケンカを始めた
天気がおかしいせいで
野鼠たちもおかしくなっている
鼠たちがパニック症候群に陥っている
鼠たちが蠢いて

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