ある夏のワンシーン 【掌編】
夕焼けに溶け込むオレは座り込んでうつむいてばかりだった。
リカコはオレの気も知らないでぶっきらぼうに言う。
「なによ! 黄昏ちゃって」
「ルカにフラれたくらいでさあ。元気出しなさいよ」
遠くを列車が走っていく。それに乗るように夏休みに入っていけるのか? 向日葵は夕日の方向を向いてるけど、オレは下を向くことしかできない。リカコは隣のクラスでオレの部活のバスケ部のマネージャー。ルカは・・・クラスメイト。
夕日が沈んでいく。
「さっ、帰ろっか。あまり思いつめるなよ?」
オレを励まそ