神崎翔

詩を書いている人。現代詩。Xでも詩を書いています。詩人になることを目指して! よろしくお願いします。

神崎翔

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なぜ詩を始めやめたのか、また始めたのか

詩を書き始めたのは40歳を過ぎてから。2014年のことです。1年ほど書いてしばらくして詩はやめました。2022年の10月また始めました。なぜやめたかというと文学の才能がないと判断したからです。なぜまた始めたかというと読んでくれる人がいたからです。ですが理屈はよくわかりません。 なぜ詩を始めようと思ったのか、8年経ってまた始めようと思ったのか。詩を始めようと思ったのは大学生の時に(中退しましたが)自動的に振り分けられた現代詩のゼミで中原中也を担当していたことがあげられます。3

    • 【詩】ミカエル 2024.11.21

      むせかえる吐瀉物 極楽鳥が胸の中を飛ぶ 大天使がやってくる ミカエルはやってこない 黄泉におちていく そうしてぼくは眠りにつく 岩崖をよじ登る 「節制」のタロットカードは救いにならない 頂上には辿り着けず スウェット姿のまま 気がつくと アスファルトを這いまわっている ぼくを 狼の群れが食べ尽くす そのときのささやき 「生きて、生きて。」 ミカエルの声が五芒星に沁みる オラクルカードは <愛が貴方を包みます> と 告げていた

      • 【詩】ボール遊び

        さよならは言えない そもそもそういう間柄じゃないし 改まって言わなきゃいけない必要なんてない 言えないよ! ただ僕の激情はだんだん薄れていき 唯一だなんて魅惑もなく 風船は凋んでいく こんなもんさ 手の届かない夢から醒めたような気分だ 特別なことは特別じゃなくなり 君の背中は遠く感じる サーカスで覚えたボール遊びを 夕暮れになるまでずっと続けてたかった 過去形だ そもそもそこに未来はあっただろうか さよならだけは言えない さよならだけは 月刊ココア共和国2023年4

        • 【詩】中也との出会い

          自然の理にもとづいて 学んでいく それは運命かもしれない あらかじめそうなっていたのかもしれない 交差点を右に曲がることに それは人の主観で 永遠ではないから 頼りない 何かを創造するのが好きだった 音楽をやったり 写真をしたり 創造する人がぼくだった 五十になってから なぜ詩を書いているのか それは好きだからに他ならない 大学生のとき(中退したが) ゼミを申し込むのを忘れて 自動的に現代詩のゼミに入ることになった そして 中原中也を担当させていただくことになった そのと

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        なぜ詩を始めやめたのか、また始めたのか

          【詩】 ベット

          母に死ぬ気になれば何でもできる と教えられた 意味を履き違えて 五日間睡眠をとらなかった 恋人がほしかった そんな参考書はなかった 破り捨てられた手紙 これでもかというほどの 鉛のようなストレス 生まれて初めてナンパをした 十代はごめんだと断られた 最後には眠った だけど警察からの電話で起こされた 童貞と闘うのはほとほと疲れたよ 命はベットするべきものじゃない それはただの言葉の綾だ 僕はそれ以来死ぬ気で何かをしたことがない 軽々しく言わないで 命はベットすべきものじゃ

          【詩】 ベット

          詩に対する意識の変化

          詩を読む時、つい意味ばかり追っていた気がする。だが、ある時パッと頭に降り注いだようにひらめいたのだ。言葉を大事にすると言われても、どうもピンとこない。それが言葉が浮き彫りにされて、いつもと違う響きに感じられた。言葉と言葉の間、行間の間、作者の息づかいが聞こえてきた。今までこのように詩を読んだことがない。頭の中で音読しているみたいだ。 すると、詩が今まで理解していたものと少し違ったものに見え始めた。つい昨日(2024年10月31日)のことなので、これからどう変わるかわからない

          詩に対する意識の変化

          書くことが好き? 今求められる問いかけ

          いつしか「書かなければならない」になっていたんじゃないか。初めは「好きで書いていた」のにだ。そういう時は初心に戻る。投稿するために毎日詩を書く。それはもう「好きで書いている」のか「書かなければならない」のかどちらかわからない。初心に戻る、初心を思い出す、ことによってなんとか好きでいられる。たまに詩を書くことを休んで、こうしてnoteとか書くと、気分転換になる。 小さい頃から表現するのが好きだった。特に絵が好きだった。作文も好きな方だったが、文学少年ではなかった。どちらかとい

          書くことが好き? 今求められる問いかけ

          いろいろな詩の読み方

          高校生の頃に娯楽的に読んでいたシドニィ・シェルダンのように、ハラハラドキドキして詩を読むことはないが、一行一行言葉の音楽を感じるのは趣がある。 谷川俊太郎は「言葉には意味があるので音楽にはなり得ない」というようなことを言っていたが、言葉の意味を知ろうとする私たちは、確かに音楽として言葉を受け取ろうとすると難しい。 だが、意味を受け取っていたとしても、文字を読む時の頭の中の音で、音楽を感じとる詩集に出会うことがたまらなく好きだ。 例えば、広瀬大志『毒猫』(ライトバース出版

          いろいろな詩の読み方

          【詩】糸

          なぜ詩誌に入選しないのだろう 愛が足りないからか 単にろくでもない詩 しか書けない からだろうか 認められることが そんなに 大事だろうか―― あの人は詩集を出した あの人は同人誌をやっている あの人は賞をもらった 言い出すと きりがない でも ちょうど自分に合ったふさわしいやり方で 詩を書いているじゃないか 前向きに生きよう とする 態度が 見受けられないのだろうか 言葉が少ないからだろうか 花や小鳥が登場しないからだろうか 認められることが そんなに 大事だろうか――

          【詩】糸

          【詩】 交差点

          突堤の上に 立っていると 浪に攫われそうに なるが 不思議と 恐くはない 決して攫われないことを知っているからだ 運命がどうなっていようと ぼくは まっすぐ進む 交差点が二手に分かれていて どちらに向かったらいいのかわからない ぼくは詩を書いていたい 歌は詠まない なのに 迷わせる事象にぶつかる こころを静かにして よく考えてみる “自分が選択したものがベストだった” と気づく ぼくはかつてリコンを経験したことがある それからもしばらく付き合っていたが 結局別れてしまった

          【詩】 交差点

          【詩】 彷徨

          何が「真実」か嘘かわからなくなって もう一度 白紙の画用紙に戻したくなる絵画 「血」が流れていることを知りたくて 前に立つ青年の脚の血管を探してみる 不意に臆病になった狭い空間 夜ふけに ぼくはなんとか希望を探しだそうと おもちゃ箱をひっくり返してみる ぼくは何者だろう なぜここにいるのだろう と 憂いにひたっている ぼくは 幸せなのだろう ここが 死後の世界なのだったらそれでもいい ここにいるみんなは 「恐れ」を抱きながら あくせく生きているにんげんなんだ 「血」の流れ

          【詩】 彷徨

          顕現 【詩】

          もっとも会いそうな場所で 会ってもおかしくない人に出会う そこにいてもおかしくない人たちに 偶然だが 当たり前のように出会う なんの疑いの余地もない いっけんそのように思われがちだ 現実はそれが起こってもおかしくないように 現実を装って 現実たらしめ そこに顕れる それはぼくの現実だ きみの現実はぼくとはまた違った様子で顕現するだろう その人は 承認されるや否や 息を吹き返す わたしはここにいると ぼくはどこにいるのだろうと 地底をさまよっていると 「こんにちは」とあい

          顕現 【詩】

          ある夏のワンシーン 【掌編】

          夕焼けに溶け込むオレは座り込んでうつむいてばかりだった。 リカコはオレの気も知らないでぶっきらぼうに言う。 「なによ! 黄昏ちゃって」 「ルカにフラれたくらいでさあ。元気出しなさいよ」 遠くを列車が走っていく。それに乗るように夏休みに入っていけるのか? 向日葵は夕日の方向を向いてるけど、オレは下を向くことしかできない。リカコは隣のクラスでオレの部活のバスケ部のマネージャー。ルカは・・・クラスメイト。 夕日が沈んでいく。 「さっ、帰ろっか。あまり思いつめるなよ?」 オレを励まそ

          ある夏のワンシーン 【掌編】

          ひとつの恋愛観 【詩】

          きみと出会ってからというもの 春を感じている 季節は夏というのに 菜の花が咲いて 紋白蝶が飛んでいる ツクツクボウシにかき氷 なのに春 きみはひとつだけ忘れていった 夏を忘れていった きみは春をつれてきた

          ひとつの恋愛観 【詩】

          【詩】 コミュニケーション

          木々がざわざわと音を立てる 何者かが横切った痕跡をそこに残して 木々の話し声がふと聞こえる 歓迎しているようでもあり ここから立ち去るようにと警告しているようでもある ぼくをよく知っている木々に囲まれているとき ぼくは嬉々として快くスキップする 小鳥がぼくに挨拶してくれる 小鳥の話し声がふと聞こえる 心の中の声はとても暖かく ぼくを明朗とする 小鳥はぼくのことをよく知っているようだ 小鳥はそして飛び立つ 遠くから ぼくを見守るようにして背中を押す 声にならぬ声 木々たちの

          【詩】 コミュニケーション

          【詩】 あの日のアイツ

          好きですのひと言が言えないで 自分を許せなかった あの日 きみは理科室の隣の席にいた 先生にみつかるとあぶないよ と きみは学生服の袖をつかみ 思わず黙り込んで にらめっこする 何も言えない自分に腹を立て 復讐と称して 何時間も勉強しているアイツ 鏡を見るのが嫌になるほど ニキビをつくって そんな自分が 嫌で、嫌で、たまらないはずのアイツ 学校を卒業しても 恋は勉強できなかったあの日のアイツ 今なら言える アイツのこと好きだよ バカだったけれど あの日はなぜだか輝い

          【詩】 あの日のアイツ