神崎翔

詩を書いております。Xでも詩を書いています。詩人になることを目指して! 宜しくお願いし…

神崎翔

詩を書いております。Xでも詩を書いています。詩人になることを目指して! 宜しくお願いします。

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なぜ詩を始めやめたのか、また始めたのか

詩を書き始めたのは40歳を過ぎてから。2014年のことです。1年ほど書いてしばらくして詩はやめました。2022年の10月また始めました。なぜやめたかというと文学の才能がないと判断したからです。なぜまた始めたかというと読んでくれる人がいたからです。ですが理屈はよくわかりません。 なぜ詩を始めようと思ったのか、8年経ってまた始めようと思ったのか。詩を始めようと思ったのは大学生の時に(中退しましたが)自動的に振り分けられた現代詩のゼミで中原中也を担当していたことがあげられます。3

    • ひとつの恋愛観 【詩】

      きみと出会ってからというもの 春を感じている 季節は夏というのに 菜の花が咲いて 紋白蝶が飛んでいる ツクツクボウシにかき氷 なのに春 きみはひとつだけ忘れていった 夏を忘れていった きみは春をつれてきた

      • 【詩】 コミュニケーション

        木々がざわざわと音を立てる 何者かが横切った痕跡をそこに残して 木々の話し声がふと聞こえる 歓迎しているようでもあり ここから立ち去るようにと警告しているようでもある ぼくをよく知っている木々に囲まれているとき ぼくは嬉々として快くスキップする 小鳥がぼくに挨拶してくれる 小鳥の話し声がふと聞こえる 心の中の声はとても暖かく ぼくを明朗とする 小鳥はぼくのことをよく知っているようだ 小鳥はそして飛び立つ 遠くから ぼくを見守るようにして背中を押す 声にならぬ声 木々たちの

        • 【詩】 あの日のアイツ

          好きですのひと言が言えないで 自分を許せなかった あの日 きみは理科室の隣の席にいた 先生にみつかるとあぶないよ と きみは学生服の袖をつかみ 思わず黙り込んで にらめっこする 何も言えない自分に腹を立て 復讐と称して 何時間も勉強しているアイツ 鏡を見るのが嫌になるほど ニキビをつくって そんな自分が 嫌で、嫌で、たまらないはずのアイツ 学校を卒業しても 恋は勉強できなかったあの日のアイツ 今なら言える アイツのこと好きだよ バカだったけれど あの日はなぜだか輝い

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        なぜ詩を始めやめたのか、また始めたのか

          【詩】 何も分からず

          ぼくは どうしてここに来たのだろう どうしてここにいるのだろう 見上げてみると 月だけが朧に輝いている 外の世界がどうなっているかなんて ぼくには分からない そのドアを開けてみないと 眠れぬ夜 ぼくは消えそうになって 存在が消えてなくなりそうになって たまらずそのドアを開けた なんてことはなく 猫がぼくを出迎えてくれた 森閑とした夜の空気 まだ汗ばむ初秋だというに ぼくは凍えてしまいそうで 無という世界にふるえ 子猫がふいに通りすぎ ぼくを一瞥しては走り去った タバコの

          【詩】 何も分からず

          【詩】 人間なんだろ

          さんざん言って聞かせただろう さんざん言って聞かせただろう 恋はもうできないって 恋はもうできないって 古びたノートに書きなぐった マスターベーション 狂人が掲げる イデオロギー 普通じゃない まともじゃない 社会的に生きられなくて いつまでも非現実的な殻に閉じこもっている そんな人間 人間なんだ 恥をかきたきゃ生きろ 生きていくなら恥をかけ 人間なんだろ

          【詩】 人間なんだろ

          【詩】 幻影

          ゴミ袋からのぞく ミルクコーヒーの残骸 他者の生活に ぼくは無理矢理に脱力する 確かにその紙片はぼくを見つめる 存在を主張する ここに私たちが生活しているのだと 静寂の中 空気が凍る そんなこと考えたくもないのに 此岸と彼岸のゲートを渡った その刹那 ひとりの少女がひとり言を まるでぼくにあびせるかのように その言葉は空に消えていくが ぼくは何が何だか理解できず ぼくはまた無理矢理に脱力する その少女はふわりふわりと宙を飛んでいるようで ポスターをしきりに見やっていた ぼく

          【詩】 幻影

          【詩】 潮が満ちて

          夜9時をまわった頃 女が急にお腹が痛いと言い出した 聞くと女のあの日だと言う 男のぼくにはわからないが ゆっくり休んでとしか言えなかった 翌日になっても 体の痛みのひかなかった女は 仕事を休んで 動けなくなった お昼ごはんを食べれないほどの痛みである かわいそうに 痛みが和らぐのを祈るばかりだ ぼくは女の人の体には無知だ 生理痛ってこれほどひどいものなのか 労ってあげたい 守ってあげたい 痛みが緩和されることはあるのか 男にはないものだからわからない 動けないほどの痛みと

          【詩】 潮が満ちて

          【詩】 忘れてしまいたいこと

          病苦に悩まされた若き日の頃 ぼくはあまりの苦しさに耐えかねて 灯油を飲んだ 母が泣いていた もうやめようと思った 死ぬのはやめようと思った 生きることがなにより耐えられない 大きな鉛が背中にぶらさがっていた 声を発することも忘れてしまっていた どうすれば声が出るのかさえ わからなくなってしまっていた 首にロープを巻いた ドアノブにそれをひっかけた それでも死ねなかった 母には内緒にしておいた ぼくは唄をうたった 自死がテーマだった そんなぼくに恋人ができた 暗い唄をたく

          【詩】 忘れてしまいたいこと

          【詩】 からす

          そのとき 信号が変わった 車が左折する 自転車は颯爽と横切る 前の男にぶつかりそうになる 子どもが飛び出した 案の定自転車は横転する ぼくは何事もなかったような顔をして その場を立ち去る そのとき交差点に魔が吹いた 野鼠が寄ってくる 見たこともない野鼠 後ろの方で野鼠が野鼠同士でケンカを始めた 天気がおかしいせいで 野鼠たちもおかしくなっている 鼠たちがパニック症候群に陥っている 鼠たちが蠢いている わなわなと ざわざわと あちこちで魔が吹いている 台風が近づいているせい

          【詩】 からす