神崎翔

詩を書いている人。現代詩。Xでも詩を書いています。詩人になることを目指して! 宜しくお…

神崎翔

詩を書いている人。現代詩。Xでも詩を書いています。詩人になることを目指して! 宜しくお願いします。

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なぜ詩を始めやめたのか、また始めたのか

詩を書き始めたのは40歳を過ぎてから。2014年のことです。1年ほど書いてしばらくして詩はやめました。2022年の10月また始めました。なぜやめたかというと文学の才能がないと判断したからです。なぜまた始めたかというと読んでくれる人がいたからです。ですが理屈はよくわかりません。 なぜ詩を始めようと思ったのか、8年経ってまた始めようと思ったのか。詩を始めようと思ったのは大学生の時に(中退しましたが)自動的に振り分けられた現代詩のゼミで中原中也を担当していたことがあげられます。3

    • 詩に対する意識の変化

      詩を読む時、つい意味ばかり追っていた気がする。だが、ある時パッと頭に降り注いだようにひらめいたのだ。言葉を大事にすると言われても、どうもピンとこない。それが言葉が浮き彫りにされて、いつもと違う響きに感じられた。言葉と言葉の間、行間の間、作者の息づかいが聞こえてきた。今までこのように詩を読んだことがない。頭の中で音読しているみたいだ。 すると、詩が今まで理解していたものと少し違ったものに見え始めた。つい昨日(2024年10月31日)のことなので、これからどう変わるかわからない

      • 書くことが好き? 今求められる問いかけ

        いつしか「書かなければならない」になっていたんじゃないか。初めは「好きで書いていた」のにだ。そういう時は初心に戻る。投稿するために毎日詩を書く。それはもう「好きで書いている」のか「書かなければならない」のかどちらかわからない。初心に戻る、初心を思い出す、ことによってなんとか好きでいられる。たまに詩を書くことを休んで、こうしてnoteとか書くと、気分転換になる。 小さい頃から表現するのが好きだった。特に絵が好きだった。作文も好きな方だったが、文学少年ではなかった。どちらかとい

        • いろいろな詩の読み方

          高校生の頃に娯楽的に読んでいたシドニィ・シェルダンのように、ハラハラドキドキして詩を読むことはないが、一行一行言葉の音楽を感じるのは趣がある。 谷川俊太郎は「言葉には意味があるので音楽にはなり得ない」というようなことを言っていたが、言葉の意味を知ろうとする私たちは、確かに音楽として言葉を受け取ろうとすると難しい。 だが、意味を受け取っていたとしても、文字を読む時の頭の中の音で、音楽を感じとる詩集に出会うことがたまらなく好きだ。 例えば、広瀬大志『毒猫』(ライトバース出版

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        なぜ詩を始めやめたのか、また始めたのか

          【詩】糸

          なぜ詩誌に入選しないのだろう 愛が足りないからか 単にろくでもない詩 しか書けない からだろうか 認められることが そんなに 大事だろうか―― あの人は詩集を出した あの人は同人誌をやっている あの人は賞をもらった 言い出すと きりがない でも ちょうど自分に合ったふさわしいやり方で 詩を書いているじゃないか 前向きに生きよう とする 態度が 見受けられないのだろうか 言葉が少ないからだろうか 花や小鳥が登場しないからだろうか 認められることが そんなに 大事だろうか――

          【詩】糸

          【詩】 交差点

          突堤の上に 立っていると 浪に攫われそうに なるが 不思議と 恐くはない 決して攫われないことを知っているからだ 運命がどうなっていようと ぼくは まっすぐ進む 交差点が二手に分かれていて どちらに向かったらいいのかわからない ぼくは詩を書いていたい 歌は詠まない なのに 迷わせる事象にぶつかる こころを静かにして よく考えてみる “自分が選択したものがベストだった” と気づく ぼくはかつてリコンを経験したことがある それからもしばらく付き合っていたが 結局別れてしまった

          【詩】 交差点

          【詩】 彷徨

          何が「真実」か嘘かわからなくなって もう一度 白紙の画用紙に戻したくなる絵画 「血」が流れていることを知りたくて 前に立つ青年の脚の血管を探してみる 不意に臆病になった狭い空間 夜ふけに ぼくはなんとか希望を探しだそうと おもちゃ箱をひっくり返してみる ぼくは何者だろう なぜここにいるのだろう と 憂いにひたっている ぼくは 幸せなのだろう ここが 死後の世界なのだったらそれでもいい ここにいるみんなは 「恐れ」を抱きながら あくせく生きているにんげんなんだ 「血」の流れ

          【詩】 彷徨

          顕現 【詩】

          もっとも会いそうな場所で 会ってもおかしくない人に出会う そこにいてもおかしくない人たちに 偶然だが 当たり前のように出会う なんの疑いの余地もない いっけんそのように思われがちだ 現実はそれが起こってもおかしくないように 現実を装って 現実たらしめ そこに顕れる それはぼくの現実だ きみの現実はぼくとはまた違った様子で顕現するだろう その人は 承認されるや否や 息を吹き返す わたしはここにいると ぼくはどこにいるのだろうと 地底をさまよっていると 「こんにちは」とあい

          顕現 【詩】

          ある夏のワンシーン 【掌編】

          夕焼けに溶け込むオレは座り込んでうつむいてばかりだった。 リカコはオレの気も知らないでぶっきらぼうに言う。 「なによ! 黄昏ちゃって」 「ルカにフラれたくらいでさあ。元気出しなさいよ」 遠くを列車が走っていく。それに乗るように夏休みに入っていけるのか? 向日葵は夕日の方向を向いてるけど、オレは下を向くことしかできない。リカコは隣のクラスでオレの部活のバスケ部のマネージャー。ルカは・・・クラスメイト。 夕日が沈んでいく。 「さっ、帰ろっか。あまり思いつめるなよ?」 オレを励まそ

          ある夏のワンシーン 【掌編】

          ひとつの恋愛観 【詩】

          きみと出会ってからというもの 春を感じている 季節は夏というのに 菜の花が咲いて 紋白蝶が飛んでいる ツクツクボウシにかき氷 なのに春 きみはひとつだけ忘れていった 夏を忘れていった きみは春をつれてきた

          ひとつの恋愛観 【詩】

          【詩】 コミュニケーション

          木々がざわざわと音を立てる 何者かが横切った痕跡をそこに残して 木々の話し声がふと聞こえる 歓迎しているようでもあり ここから立ち去るようにと警告しているようでもある ぼくをよく知っている木々に囲まれているとき ぼくは嬉々として快くスキップする 小鳥がぼくに挨拶してくれる 小鳥の話し声がふと聞こえる 心の中の声はとても暖かく ぼくを明朗とする 小鳥はぼくのことをよく知っているようだ 小鳥はそして飛び立つ 遠くから ぼくを見守るようにして背中を押す 声にならぬ声 木々たちの

          【詩】 コミュニケーション

          【詩】 あの日のアイツ

          好きですのひと言が言えないで 自分を許せなかった あの日 きみは理科室の隣の席にいた 先生にみつかるとあぶないよ と きみは学生服の袖をつかみ 思わず黙り込んで にらめっこする 何も言えない自分に腹を立て 復讐と称して 何時間も勉強しているアイツ 鏡を見るのが嫌になるほど ニキビをつくって そんな自分が 嫌で、嫌で、たまらないはずのアイツ 学校を卒業しても 恋は勉強できなかったあの日のアイツ 今なら言える アイツのこと好きだよ バカだったけれど あの日はなぜだか輝い

          【詩】 あの日のアイツ

          【詩】 何も分からず

          ぼくは どうしてここに来たのだろう どうしてここにいるのだろう 見上げてみると 月だけが朧に輝いている 外の世界がどうなっているかなんて ぼくには分からない そのドアを開けてみないと 眠れぬ夜 ぼくは消えそうになって 存在が消えてなくなりそうになって たまらずそのドアを開けた なんてことはなく 猫がぼくを出迎えてくれた 森閑とした夜の空気 まだ汗ばむ初秋だというに ぼくは凍えてしまいそうで 無という世界にふるえ 子猫がふいに通りすぎ ぼくを一瞥しては走り去った タバコの

          【詩】 何も分からず

          【詩】 人間なんだろ

          さんざん言って聞かせただろう さんざん言って聞かせただろう 恋はもうできないって 恋はもうできないって 古びたノートに書きなぐった マスターベーション 狂人が掲げる イデオロギー 普通じゃない まともじゃない 社会的に生きられなくて いつまでも非現実的な殻に閉じこもっている そんな人間 人間なんだ 恥をかきたきゃ生きろ 生きていくなら恥をかけ 人間なんだろ

          【詩】 人間なんだろ

          【詩】 幻影

          ゴミ袋からのぞく ミルクコーヒーの残骸 他者の生活に ぼくは無理矢理に脱力する 確かにその紙片はぼくを見つめる 存在を主張する ここに私たちが生活しているのだと 静寂の中 空気が凍る そんなこと考えたくもないのに 此岸と彼岸のゲートを渡った その刹那 ひとりの少女がひとり言を まるでぼくにあびせるかのように その言葉は空に消えていくが ぼくは何が何だか理解できず ぼくはまた無理矢理に脱力する その少女はふわりふわりと宙を飛んでいるようで ポスターをしきりに見やっていた ぼく

          【詩】 幻影

          【詩】 潮が満ちて

          夜9時をまわった頃 女が急にお腹が痛いと言い出した 聞くと女のあの日だと言う 男のぼくにはわからないが ゆっくり休んでとしか言えなかった 翌日になっても 体の痛みのひかなかった女は 仕事を休んで 動けなくなった お昼ごはんを食べれないほどの痛みである かわいそうに 痛みが和らぐのを祈るばかりだ ぼくは女の人の体には無知だ 生理痛ってこれほどひどいものなのか 労ってあげたい 守ってあげたい 痛みが緩和されることはあるのか 男にはないものだからわからない 動けないほどの痛みと

          【詩】 潮が満ちて