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読書雑記録

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読書感想まとめ。
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おすすめ漫画一冊

読みたい漫画が増える一方です……

ここ最近のおすすめ漫画を一冊ご紹介します。

萩尾望都さんの『銀の三角』。

これこれ!SFに求めている読みたい物語って、こういうお話なんですよ!
という感想。かなり自分を抑えて言いました。
感想を言うとネタバレになりますし、熱量こもりすぎて語りすぎてしまう恐れがあるので。控えます。

数年ぶりに電子書籍で読み返して、「あ、そういうことか!繋がった!」と感動しま

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許された気持ちになる物語

許された気持ちになる物語

大島弓子さんの漫画が好きです。

ヘッダーの絵は「青い 固い 渋い」というお話の、印象深かった最後のシーンを思い出しながら描きました。文庫本の『ロスト ハウス』に載っています。

同居している恋人と離れようと思った主人公は、バス停だか駅のホームだかのベンチに一人で座っている。周囲の景色は、昨晩降った雪が積もっている。そこでたまたま、顔見知りの郵便屋さんに会い、「雪やんで、よかったすね」と声をかけら

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私が選ぶ5つの漫画

『ロスト ハウス』 大島弓子 白泉社きっかけは忘れましたが、初めて大島弓子さんの漫画を読んだのが文庫本の『ロスト ハウス』でした。それからハマり、文庫の短編集を買い集めて読みあさった思い出。読後感の余韻、カタルシスが言葉にできなくて。何度も読み返してその世界にひたっていました。

自分の内面にある、少女の世界を気づかせてくれた漫画です。

本当は好きすぎて選べない、選びたくない作品の数々なのですが

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読書雑記『今日もどこかの食卓で』

読書雑記『今日もどこかの食卓で』

『今日もどこかの食卓で』イイホシユミコ/ 一田憲子/文 主婦と生活社

器を作るイイホシユミコさんからお話しを聞き、一田憲子さんが見て感じて解釈された内容が、読んでいてスーッと頭と心に入ってくる。一田さんが書かれる文章が好きです。真摯な取材をされているのが分かる、インタビュー相手の深い内面を丁寧に掘り下げている内容が興味深いです。

イイホシさんが語る言葉に対して一田さんの考察が素敵だなと感じた文

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読書雑記【漫画】『リアル』

『リアル』1〜14巻 井上雄彦/著 集英社

登場人物たちの言葉が、刺さること刺さること!

その中で、一番強く印象に残っている言葉。

「笑いたいやつは笑え!」

交通事故で車椅子生活になってから、漫画家を目指して描きはじめた彼女の言葉に。初めて読んだとき、ガツンとやられました。

そうだ! 笑いたいやつは笑え!
他人しかり!
自分しかり!

他人よりも自分自身の方が笑ってる気がします。

誰か

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読書雑記【漫画】『BADON』

『BADON』オノ・ナツメ/著 スクウェア・エニックス

前科持ちのわけありな男たち四人が集まり、高級煙草店を開く。足を洗ってまっとうに生きていくと決めたが、順風満帆には始まらない彼らの物語。キャラクターが魅力的で、ドンピシャ好みのお話にニヤニヤが止まりません。

ちょっとワルなおじさん達がカッコいい。そして可愛い。

オノ・ナツメさんの漫画が好きです。
独特の強い絵柄と、雰囲気がたまりません。ス

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読書雑記『モルフォ人体デッサン』

iPadのお絵描きにはまっている。人体を描きたくなり、参考にと思って手に取ったのがこちらの本。

『モルフォ人体デッサン』
ミシェル・ローリセラ/著 布施英利/監修 グラフィック社

本書は人体のデッサンが各部位ごと、全身など豊富に載っている。今までうろ覚えで描いていた部分を、練習として描く参考になった。

新装コデックス版ではページを180度に開ける製本になっているので、ありがたい。ページ

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読書雑記『原稿用紙10枚を書く力』

読書雑記『原稿用紙10枚を書く力』

『原稿用紙10枚を書く力』齊藤孝/著 だいわ文庫

書き方の本として参考になる。文章を書いていくうえで、どういうことをしていくのか。レジュメや構築の仕方が書かれていて分かりやすい。

構築力を身につけたい! と、今の私の課題を明確にしてくれました。

読書雑記【クリスマスにおすすめの一冊】

明日はクリスマスですね。クリスマスにピッタリの本をご紹介します。

『エーミルとクリスマスのごちそう』
アストリッド・リンドグレーン作/ 石井登志子訳/ 岩波少年文庫

エーミルはとんでもないイタズラっ子なのだが、本人はいつだって良いことをしようとしている。でも結果的に、大人を怒らせてしまう。

周りの大人たちはエーミルを遠くのアメリカへ追い出したいが、エーミルのお母さんだけは、

「エーミルはか

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読書雑記『MONKEY vol.7』

雑誌で読んだ、作家のカズオ・イシグロさんの言葉が強く心に残ったので、備忘録として書いておきます。

雑誌『MONKEY vol.7 特集 古典復活』2015年10月15日発行(173頁)
カズオ・イシグロ「これから小説を書く人へ」より引用

まず何より、作家であることと、小説を書くこととの違いをはっきりさせないといけません。作家というのは、はたから見ると、毎日出勤しなくてもいいし、通勤も不要だし、

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読書雑記『白銀の墟 玄の月』小野不由美/著 新潮社

二カ月に渡り読了。
最高でした。

最近忘れていた、読書に夢中になる気持ちを思い出させてくれて、熱くなりました。
楽しい。楽しくてたまらない。読書の喜びはこれなんだよーと叫ばずにいられない。

読後は放心状態。
ああ、読みきった。

余韻覚めやらず。もう一度読み返したり。他の巻を読み返したくなったり。
十二国記という物語の世界から離れがたい。

いい読書をした。

感無量。

読書雑記『学びを結果に変えるアウトプット大全』

読書雑記『学びを結果に変えるアウトプット大全』

読書後のメモとして、書き散らしてます。

『学びを結果に変えるアウトプット大全』
樺沢紫苑/著 サンクチュアリ出版

●インプット→アウトプット→フィードバック→行動する

●アウトプットの結果を見直す「フィードバック」ができていないと自己成長に繋がらない。そして行動する(Do)ことで身につく。

自分の活動にあてはめるとしたら。
本を読む→感想書く→noteにあげる→ダッシュボードの反

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読書雑記『やがて満ちてくる光の』

読書雑記『やがて満ちてくる光の』

読書の楽しみのひとつは、言葉を知る喜びではないか。
梨木さんのエッセイを読んでいくなかで、そう思いました。

『やがて満ちてくる光の』梨木香歩/著 新潮社

やわらかな文章と、固い言葉のバランスが良くて。ときどき難しい漢字が出てくると、ハッとさせられます。ふだん話し言葉で使うこともなければ、書くときにパッと出てくることもない、でも言葉としては、ああ! と思い出す。それらが言葉として文章の中におさま

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読書雑記『すてきなあなたに』

読書雑記『すてきなあなたに』

「でも、どんな宝石より、私は生きている花の方が、ずっと素晴しいとおもうのです。事実、その方が、おしゃれに見えますね。第一、こうやって、二十年も前のバラの花一輪のことを、あなたは、おぼえていて下さるんですもの」

『[ポケット版]すてきなあなたに 01』
大橋鎭子/著 暮しの手帖社 283頁より

このエッセイのすてきなところは、日々の細やかな観察と心持ちの清々しさにあります。

とくに背伸びする

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