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ジャニーズ問題:「朝日」「毎日」の記者は自社の幹部をつるし上げろ

ジャニーズ新社長の会見ニュースが流れてきて、どうしても黙っておれない。

ジャニーの身内のような東山が社長になり、ジュリーを100%株主で取締役に残したままの「解体的出直し」は、もちろん茶番だ。

しかし、私がいちばん腹が立つのは、記者会見場にもたくさん来ていた新聞社だ。

とくに朝日、毎日。「週刊朝日」「AERA」「サンデー毎日」で、どれだけジャニーズに「頼って」きたか。どれだけ「買収」されてきたか。

私は、現役時代から、それに腹が立っており、noteでも1年半前にそれを批判している。


アエラ、週刊朝日、サンデー毎日などの新聞社系週刊誌は、ジャニーズ系のアイドルを表紙にすることが多い。
そのアイドルのファンが大量に買ってくれるのを当て込んでいるのだ。
そうでもなければ、こうした雑誌を買う人は、もうほとんどいないだろう。
たまにネットのニュースで記事が紹介されるときも、必ず「表紙」が画像として使われる。それで売り上げを伸ばそうとする、いじましさだけを感じる。
芸能雑誌ならわかるが、新聞社系週刊誌として、情けなくないか。
ジャーナリズムの矜持はないのか。
その代償として、アイドルのスキャンダルを書けない。ジャニーズの批判ができない。ジャニーズのアイドルが出る映画ドラマは褒めるしかない。


今度の件では、テレビ局が責められているようだが、私はテレビに幻想がないので(見ないから)それほど腹が立たない。

テレビは芸能でもっているのだから、一蓮托生になるのもわかる。責任は感じるべきだが、テレビなんて所詮そんなもんと思う。

芸能系の雑誌や、スポーツ新聞も、同じようなものだ。

テレビや芸能マスコミは、かつて暴力団と深い関係にあった。それがいつしかジャニーズとの関係に移行していった、ということは以前に書いた。


しかし、一般紙は、別だ。朝日や毎日は、そうした世界とは一線を画し、ジャーナリズムで売っていたのではないのか。

大昔から言われていた性加害問題を、テレビや芸能誌は「その追及が自分たちの仕事だと思えなかった」と言い訳できたとしても、一般紙は言い訳できないのではないか。

それは、まさに朝日や毎日などに期待された仕事だったはずだ。新聞は何のためにあるのか。


新聞は、言論が「買収」されることなく、公正な報道ができるように、税制で優遇され、株主制限など法的に保護されている。

自らも公共の福祉や良心を代表するように振る舞い、「学校で子供に新聞を読ませよう」という運動もやっている。

性加害問題は、警察沙汰にならなかったから無視した、という者もいたが、新聞は、社会の「風紀委員」を自任し、警察沙汰でなくても、セクハラ・パワハラその他の罪名で、あまたの政治家や企業人を血祭りにあげてきた。

その新聞が、自ら進んでジャニーズに「買収」され、ジャニー喜多川の子供たちに対する超絶的セクハラ・パワハラを見逃してきた責任は、テレビの100倍重いはずだ。

だが、今回の件で、テレビ局が批判され、テレビ側の立場で反省や謝罪を口にする者がいる一方、新聞社が謝罪せずに陰に隠れているのはおかしい。


ジャニー喜多川が死んだあとにすら、新聞社系週刊誌は彼に賛辞をささげつづけた。

日本を代表するとされる報道機関のその姿勢に、ジャニーの犠牲者たちはどれだけ絶望を深めただろうか。


「週刊朝日」ジャニー喜多川追悼号



「アエラ」「週刊朝日」「サンデー毎日」は、芸能誌ではない。新聞社系週刊誌は、新聞記者が作るもので、ジャーナリズムが売り物だった。芸能人を表紙に使うことは少なかった。

それが、いつの間にか、芸能人、わけてもジャニーズタレントを表紙に使い、その動員力に頼るようになった。

それとともに、ジャーナリズムの「魂」が売り渡されたのだ。

「魂」を売り渡したのは、出版部門だけではない。形のうえでは、それらは新聞社の100%子会社(朝日新聞出版、毎日新聞出版)から出ているが、新聞社と一心同体である。(子会社の社名にわざわざ「新聞」と入れるところでもわかる。)

週刊朝日のハシシタ事件のときも、親会社の朝日新聞が橋下徹に謝罪した。

自社系列の週刊誌でジャニーズ批判ができないなら、「本紙」である朝日新聞、毎日新聞でもできない。

そして、系列であるテレビ朝日、TBSでもできない。そういう関連になっている。

それら新聞社系週刊誌は、日本のマスコミが「魂」をジャニー喜多川に売り渡した象徴だった。


「AERA」ジャニー喜多川追悼号


だから、「ジャーナリズム」のお株は、週刊文春など出版社系週刊誌に奪われっぱなしだった。

それによって、今回の件では、週刊文春は追及する側だが、朝日・毎日は追及される側、加害者側なのである。

そうなったのは、朝日・毎日の編集・経営幹部の責任だ。

「週刊朝日」は休刊したが、それまでの責任が消えるわけではない。

だから、朝日・毎日の記者は、まず「週刊朝日」「AERA」「サンデー毎日」をそのように堕落させ、加害者側に加担した責任を自社の幹部に問い、なぜそうなったのかを追及し、自社の解体的出直しをこそ求めるべきである。

それをしないなら、ジャニーズ事務所を追及する資格はない。


(読売=中央公論=の「婦人公論」や、日経系の雑誌にも同じ問題があったのかもしれないが、私は読んでないので知らない。朝日・毎日以外の例もあるなら、あわせて追及してほしい)



<参考>


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