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ジャニーズの性加害問題を日本のマスコミはなぜ扱えなかったか 子供たちを守れなかった「ジャーナリズム」

答えは簡単で、日本のマスコミはジャニーズで商売していたので、ジャニーズに逆らえなかったのである。

芸能系の雑誌社だけではない。朝日、毎日のような新聞社も、「週刊朝日」や「サンデー毎日」の表紙で「お世話になっている」ので、何も言えなかった。

それについては、もう随分前、noteに書いた。


アエラ、週刊朝日、サンデー毎日などの新聞社系週刊誌は、ジャニーズ系のアイドルを表紙にすることが多い。
そのアイドルのファンが大量に買ってくれるのを当て込んでいるのだ。
そうでもなければ、こうした雑誌を買う人は、もうほとんどいないだろう。たまにネットのニュースで記事が紹介されるときも、必ず「表紙」が画像として使われる。それで売り上げを伸ばそうとする、いじましさだけを感じる。
芸能雑誌ならわかるが、新聞社系週刊誌として、情けなくないか。
ジャーナリズムの矜持はないのか。
その代償として、アイドルのスキャンダルを書けない。ジャニーズの批判ができない。ジャニーズのアイドルが出る映画ドラマは褒めるしかない。
(2022年2月21日note「新聞社系週刊誌は「表紙商売」をやめろ」)


今回、BBCがジャニー喜多川の性加害ドキュメンタリーを放送したことで、放送から少し時間がかかったが、朝日はネットで報じている。


男性のトップアイドルグループや人気歌手が数多く輩出してきた芸能プロダクション「ジャニーズ事務所」創業者で、2019年に亡くなったジャニー喜多川氏が生前、事務所に所属する少年たちを性的に搾取していたとする証言を集めたドキュメンタリー番組をイギリス公共放送BBCが制作し、3月7日に放送した。
喜多川氏のセクハラ行為疑惑などを報じた週刊文春の記事をめぐっては、(中略)原告、被告双方とも判決を不服として東京高裁に控訴し、2003年7月に控訴審判決が言い渡された。その中で、セクハラ行為については「その重要な部分について真実」と認定され、一審・東京地裁の判決を変更して賠償額を120万円に減額した。

(ジャニー喜多川氏の少年たちへの性加害疑惑 朝日新聞globe 3月17日)


毎日が報じているかどうかは知らないが、もしかしたら朝日は、5月末での「週刊朝日」休刊を決めたので、ジャニーズ批判がしやすくなったのかもしれない。

私は、上の記事で、新聞社系週刊誌については、こう書いた。

ジャニーズ依存、サヨク依存、宗教団体依存などは同根であり、つまり熱心な「組織票」に頼るしかなくなっている。その時点で、「マス」でも、公正なジャーナリズムでもないのである。もう見苦しいから廃刊にすればどうか。


そして、「週刊朝日」と「サンデー毎日」では、「残るとすれば朝日だろう」と書いた。

この予想は外れてしまった。朝日は「アエラ」だけを残し、「サンデー毎日」は残っている。

毎日も、この機会に、やせ我慢をやめて「サンデー毎日」を休刊し、ジャニーズの呪縛から逃れて、まともなジャーナリズムに立ち戻ってはどうか。

我々の世代は、フォーリーブスと同時代に生き、北公次の勇気ある告発(1988年)を覚えている。しかし、日本の新聞社はこれを黙殺し、北公次は悲惨な後半生ののち、10年前に無残に亡くなった。今さらセクハラだのジェンダーだの、どの口が言うのか。

朝日、毎日など、日本のマスコミは、第一に被害にあったジャニーズの若者たち、「アイドル」たちに謝らなければならない。マスコミが会社の味方をしたので、権力のない彼らは弱い立場に置かれた。それで、海外のメディアに訴えるしかなくなった。子供たちを守れなかった朝日・毎日は、それで高校野球を主宰したり教育を語ったりできるのか。

毎日新聞は、いくら西山事件を自己正当化し、国家権力に対抗しているようなポーズを見せても、ジャニーズも批判できない、創価学会(公明党)も批判できない、では、欺瞞もはなはだしい。

そういう欺瞞は、もうみんな見抜いている。一芸能事務所にすら逆らえなかった新聞社の権力批判や政府批判、「ジャーナリズム」は、滑稽で虚しいだけである。



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