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【旅の途中】超短編小説
歩道橋の上、再び会った。
間違いない、あの日の彼女だ。革ジャンのポケットから取り出した煙草に火をつけ、ひとつ、ふたつ、みっつ。彼女の口からフワリとした白い輪が、星の見えない夜空に吸い込まれていく。僕の心臓が大きく鼓動を打つ。
あの真冬の夜。すべてのものに嫌気がさして数えきれぬほどの酒を飲んだ。独りで飲み歩いて、色んなものにぶつかった記憶まではある。気づけば、この歩道橋の上で潰れていた。通り過ぎ
「謎のクリスマスプレゼント」エッセイ
一度だけクリスマスプレゼントをもらったことがある。
保育園時代のわたしは、母が美容学校に通っていた為に
祖母の家に過ごすことが日常だった。
ある日、祖母と夕飯を食べていると
、母からの電話で信じられないことが伝えられた。
サンタさんからプレゼントが届いているという。
今まで友人宅には来ても、我が家には一度も来てくれなかった。
やっと私の元にも来てくれた!
はやる気持ちを抑えられずにすぐに我
『好きって言えるまで』
どうして嫌いなんだろう。
あの人も。
この人も。
こんなところ。
あんなところ。
どうやっても【きらい】
【好き】が見つからない。
みんなは楽しそうなのに
私はちっとも楽しくない。
ちがう。
嫌いは自分だ。
自分を通してみるから
すべてが楽しくないの。
あたしは…ワタシを好き?
あんまりさ、
嫌いにならないで。
こんなにも頑張ってるんだから。