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「謎のクリスマスプレゼント」エッセイ

一度だけクリスマスプレゼントをもらったことがある。
保育園時代のわたしは、母が美容学校に通っていた為に
祖母の家に過ごすことが日常だった。   

ある日、祖母と夕飯を食べていると
、母からの電話で信じられないことが伝えられた。
サンタさんからプレゼントが届いているという。
今まで友人宅には来ても、我が家には一度も来てくれなかった。
やっと私の元にも来てくれた!
はやる気持ちを抑えられずにすぐに我が家へ飛んで帰った。

プレゼントは当時絶大な人気があった石野真子の水着のポスター。
クルクルと無造作に丸められていたものが
プレゼントソックスに突っ込まれてあった。

呆然とした私から出た一言。
「サンタさんは石野真子のファンなのか?」

今振り返ると、当時美容学校へ行っていた母が業者にもらったものだろう。それを子どもの私がなぜ喜ぶと思ったのか?
子ども心がわからない母らしくて今でも可笑しくなる。

年を重ねても親子でありながら大いにすれ違う。
互いに気持ちなどわからない。
それでも思い出だけは季節と共に人生を彩っている。

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