願いは叶わないほうがいい

願いは叶わないほうがいい

意味：願いは叶って欲しいものだが、叶わない方がいいこともある。

類義：棒ほど願って針ほど叶う

（例）いやぁ、ついに念願叶って宝くじが当たったんだけど、おかげで金持ちになった気分になったんだけど、そのおかげで金遣いが荒くなって一気にお金が無くなって、人もいなくなっちまったよ。これじゃ、「願いは叶わないほうがいい」ってことだね。

今回の創作ことわざは、救いようのないように聞こえますが、最近発見した重要なテーマのように感じています。
先日紹介した『魔法少女まどか☆マギカ』配信のお知らしせをしましたが、「神アニメランキング！虹見式」で紹介したこちらのコラムも参考になるかと思いますので、よろしければご覧くださいませ。

魔法少女まどか☆マギカ が描く「願いの代償」と「思春期の感情エネルギー」の秘密

「願い」とは？

「願い」とは「こうなってほしい」と思うことです。人は誰しも何かを願い、願いを叶えるために、努力をしたり、神に祈ったり、お参りをしたり、パワースポットに行ったりします。

では、「願い」が叶うことは悪いことでしょうか？

いえ、決してそんなことはありません。願いは叶った方がいいに決まってます。
なのに、なぜ「願いは叶わないほうがいい」のでしょうか？

「願い」とは、例えるなら風船のようなものです。風船は、空気を入れて膨らませます。ただのゴムだったものが、膨らませることで初めて風船になります。風船は、空気を入れなければ風船にはなりません。この空気を入れる行為が「代償」と言えます。この行為なくして風船が出来上がることはありません。つまり、「代償」なくして「願い」が叶うことはありません。

この出来上がった風船が、形になった「願い」だとして、大抵の場合、叶ってほしい「願い」とは、この出来上がった風船のように、「代償」なくして結果としての「願い」であることが多いものです。この「代償」を払わずに「願い」が叶ってしまうことは、どういうことか。それは、後から「代償」を請求されてしまうのです。それはバランスを取るかのように、巻き返しが起こります。

「まどマギ」のコラムを読んでいただくとわかるかと思いますが、人生はプラスマイナスゼロになるようにできていると言われています。代償を払っていない願いが叶うプラスの出来事が起こったら、請求として同等のマイナスの出来事が起こるものです。プラスがある分、マイナスの出来事は同等以上の苦しみを伴うでしょう。

『HUNTER×HUNTER』でアルカナニカの「おねだり」というものがありますが、ナニカのおねだりを３つ聞いてもらう代わりに、願いを叶えてもらえるのですが、その願いに応じたおねだりを、別の誰かが聞き、おねだり３つ聞けなかったら、その人と、時間を長くともにした人が死んでしまいます。願いを叶えてもらうためには「リスク＝代償」があり、ナニカの場合は、それが「おねだり」や「死」な訳です。

「願い」を叶えてもらう危険性

「願いが叶う」とは大抵、誰かに叶えてもらうことが多いです。お金のある誰かだったり、力のある誰かだったり、どっかの神様だったり。代償を払わず誰かに叶えてもらった願いは、いずれ自分に牙を剥いて帰ってきます。誰かに願いを叶えてもらうということは、「リスク」や「代償」があるということです。

例えば、金メダルが獲りたいと願うとします。当然、金メダルを目指す者は、日々努力し、鍛錬します。そして、金メダルを獲れる実力を身につけ、その実力を発揮し、時と運を身につけた者が、金メダルを獲ることができます。それは正真正銘No.1であり、その後の期待やプレッシャーと向き合うことができるでしょう。しかし、稀に実力以上の力を発揮し、時と運の力が大きく働き、金メダルを獲れてしまうことがあります。金メダルを獲った者は、No.1として、世界から注目され、期待を集めます。しかし、そもそも実力がなければ、そのプレッシャーに耐えかねて潰れてしまうことがあります。「金メダル」という結果に自分の実力を勘違いしてしまうと、大きな代償が請求されることでしょう。中には、「金メダルなんて獲らなきゃよかった」と思ってしまうことがあるかもしれません。それが、代償を払わずに願いが叶ってしまったことへの請求です。

「願い」を叶えるなら「自分の力」で叶えよう

長々と書いてきましたが、代償を払わずに願いが叶ってしまったら、後で痛い目を見るどころか、大きな不幸が待ち受けていると言えます。誰しも、楽して願いが叶うに越したことはありません。しかし、代償を払わなければ、後から請求されるということを忘れてはなりません。「願いが叶う」と言えば、『ドラゴンボール』が有名ですが、ドラゴンボールを７つ集めたら、神龍が願いを叶えてくれます。これは一見代償を払っていないように見えますが、ドラゴンボールを探し出す苦労と、願いが叶ってただの石になってから１年間は待たなければならない。それが代償となっています。ただ、願いを横取りしたウーロンやピラフなんかがいましたが、そういう場合は後ほど痛い目を見ていることでしょう（笑）

「願い」が叶った時、ちゃんと叶うだけの代償を払っていたのか。そういう所を見直していかないと、思いも寄らない請求が来るかもしれません。

願いを持つことは何の問題もないと思いますが、願いを叶えるなら、誰かに叶えてもらうのではなく、「自分の力」で叶えるのが一番いいでしょう。何の努力もせず、代償も払わずに叶っても、その願いの価値を感じることはありません。苦労して代償を払うから価値があります。『HUNTER×HUNTER』のジンが言うように、「大切なものは、道中にこそある」と言うことなんだと思います。それこそが人生の醍醐味であり、願いを叶える本当の目的なのではなのではないでしょうか。