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Ching-O)))の映画雑記

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ミシガン州川口市在住。あなたの隣人の親愛なるキチガイ、Ching-Oの人生を弄んできた色々な映画についての雑記をここに一堂に集めました。人の頭の中を覗く悪い趣味があるあなたのため…
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#映画感想文

【映画雑記】『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』を久しぶりに観たよ。

【映画雑記】『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』を久しぶりに観たよ。

近頃はYou Tubeを眺めてるとエロとグロ以外はなんでもあるなあと思います。ここんとこ自分がよく観ているのは「心霊スポット潜入」モノ。最初は心霊スポットでソロキャンプする方の動画を観ていたのですが、いま一番のお気に入りは人気チャンネル『ゾゾゾ』。「怖いものに興味がないパーソナリティーの落合さんがイヤイヤ心霊スポットに連れていかれる」というお約束のフォーマットが妙な説得力を持っていて大変おもしろう

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【映画雑記】中川信夫版『東海道四谷怪談』は凄い。

【映画雑記】中川信夫版『東海道四谷怪談』は凄い。

中川信夫版、『東海道四谷怪談』(1959)。
ご覧になったことがございますか?

原作は言わずと知れた鶴屋南北の歌舞伎狂言『東海道四谷怪談』。当時話題になった猟奇的な事件を題材に、立身出世を望む浪人民谷伊右衛門が妻を文字通り犠牲にして武家社会でのし上がろうとする。しかし因果応報、お岩の怨霊によってボコボコにされるという誰もが知る傑作怪談であります。

この「国民的怪談」はそれこそ多くの映像化作品が

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【映画雑記】『エミリー・ローズ』観ました。

【映画雑記】『エミリー・ローズ』観ました。

2005年のアメリカ映画、『エミリー・ローズ』を観ました。

もう20年近く前の映画ですが、オカルト好きなら知ってる人も多い1976年に西ドイツを震撼させたアンネリーゼ・ミシェルの悪魔憑き事件に材を取った秀作でした。あらすじとビジュアルの雰囲気からつい『エクソシスト』の二番煎じかと懸念してしまいましたが、共通点はあるにしろ全く異なる仕上がり。モデルとなったアンネリーゼがその死をもって存在が広く知ら

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【映画雑記】『ドッペルゲンガー』観ました。

【映画雑記】『ドッペルゲンガー』観ました。

黒沢清監督の『ドッペルゲンガー』(2003)を観ました。

 実は黒沢清作品にあまり馴染みがなく、観たことがあるのは他に『回路』と『CURE』だけ。しかもその2本がどちらもすこぶる震え上がった映画なので、今回も冒頭の不穏な出だしからビクビクしながら観ていました。抱えるプロジェクトの重圧に懊悩する主人公(演じるは役所広司さん)の前についに現れるドッペルゲンガー。しかし、それが現れて以降はスリラーとコ

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【映画雑記】『パルス』観ました。

【映画雑記】『パルス』観ました。

『パルス』(2006 アメリカ)観ました。

 原作となった黒沢清監督の『回路』を省略はあるもののわりと忠実になぞってて意外でした。しかし、ラストに向けて謎解きの説明がしつこく、そこで説明される設定が特にこれといって説得力もないというのが残念だった。あと、Jホラーのリメイクではあるが、表現まで取り入れる気はさらさらなかったようです。『ザ・リング』のサマラ(=貞子)同様にアタック感のある怖がらせ方を

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【映画雑記】『ロバート・アルトマンのイメージズ』観ました。

【映画雑記】『ロバート・アルトマンのイメージズ』観ました。

『ロバート・アルトマンのイメージズ』(1972 アメリカ)を観た。

スザンナ・ヨーク演じる作家が見ている風景、壊れた主観、綻びた時間の羅列で見せられる「イメージ」の連続が観るものに言いしれぬ不安/不穏を呼び起こす。自身の女性性への愛着と嫌悪が入り乱れて揺さぶられる様はポランスキーの『反撥』を彷彿とさせ、自身が抑圧する奔放さを全肯定するもう一人の自分が現れる様は先日観た黒沢清監督の『ドッペルゲンガ

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【映画雑記】『イグジステンズ』は素晴らしい変態SFです。

【映画雑記】『イグジステンズ』は素晴らしい変態SFです。

今年の映画初めはおウチで。

デヴィッド・クローネンバーグの『イグジステンズ』。

公開された頃以来20年ぶりの再見。

新作ゲーム「イグジステンズ」を巡って繰り広げられるゲーム開発者とその命を狙う現実主義者との攻防を描く。当時は現実と仮想を行き来したり、その境がふとした瞬間に曖昧になるなど先行した作品『マトリックス』との共通点が多々あったため、どうしても比較されてしまっていたように記憶する。CG

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【映画雑記】『かがみの孤城』観ました。

【映画雑記】『かがみの孤城』観ました。

昨年末、滑り込みで映画館へ行き『かがみの孤城』を観ました。

これは人と関わることに自信をなくして居場所をなくした子どもたちが、不思議な力で与えられた仮の居場所のなかで仲間を見つけ、次の居場所を選択していく物語です。主人公が不登校児ということで、どうしても自分のことから切り離せない事柄を扱っていたので没入して観てしまった。

とにかく子どもたちの寂しさに寄り添って背中をさすってくれるような優しさが

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【映画雑記】『すずめの戸締り』観ました。

【映画雑記】『すずめの戸締り』観ました。

昨年、公開一週間後くらいに『すずめの戸締まり』観ました。

CM、予告編のみで前情報は一切入れずに観に行ったので諸星大二郎的な民俗学テイストファンタジーなのかな程度の認識で観に行きました。物凄い勢いでちゃぶ台をひっくり返されました。これは震災文学の一つの到達点でした。

東日本大震災を「忘れてはいけない」と言われ続けても2011年3月11日、あのとき何が起きたのかはどんどん忘れられる。時間と無関心

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