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「彼女のイッてしまえ!という叫び」

 「いってしまえ!!」っと彼女の掛け声が大きく狭い部屋に響く。
 わたしが、まだ若く渋谷区のワンルーム・マンションに住んでいた時のことだ。
 彼女は、通い妻のごとく毎晩、わたしのマンションへ遊びに来た。
 わたしは、だいたい彼女が何時頃、マンションのピンポーン!を鳴らすかわかる。
 それまでに、きれいにシャワーを浴び、ベットをきれいに直し、彼女の好きな白ワインを冷蔵庫で冷やして置いた。

ワイン

 彼女は、来ると「疲れたわ、今日の仕事は」という。彼女は図書館で司書をしていた。

 彼女の話を聞きながら、冷えたワインをグラスに注ぐ。毎回、だいたい同じパターンの繰り返しであり、唯一違うのは、その晩、その晩の夜の営みぐらいであった。
 肩が凝っているんじゃない、もんであげようか、と背後に回り肩に手をかけもみ始めると、あぁ、気持ちがいいわ、と言い、わたしの手てをつかんでくる。

恋人達

 そして、振り返りキスを強引に彼女の方から誘惑するかのように求めてくる。
 わたしは、彼女の髪をかきあげ、うなじに手をまわし、キスをする。激しく舌としたと舌とが戯れるように絡み合う。彼女の腰に手をまわし、抱き上げベットに寝かせる。
 彼女は、みだらな目でわたしを覗くかのようにして見る。これが、普段、知的職業として働いている司書のもう一つの姿なのだろうか、働いているときも何か、みだらで悪いことを考えたり想像し、
 こっそりと濡れているような気さえしてくる。

抱き合う恋人達

 ベットの上でお互い相手の激しい息使いを聞きながら、相手をもっと強く強く求める。
 彼女の手が、わたしの股間へいく。そこをまさぐる。わたしは、デニムを履いたままだったので生地が硬いせいだったのだろう。
 彼女は、つかめないわ。つるつるして。何か、今日のあなたの「ここ!」は女性のようね、という。
 デニム生地のせいだろうといい、それを脱ぐ。彼女は、わたしのあそこを一生懸命愛撫する。
 もう、硬く大きくなって、いついってもおかしくない。
 彼女は、「プシュ!っていっていいのよ」という。
 その「プシュ!」という言葉が、わたしの笑いのツブに入ってしまい、わたしは抑えきれずに笑った。

恋人達

「プシュ、プシュ!」ね、どこでこんな言葉を覚えたの?と聞くと、わたしの母親が言っていたのよ。
 内の両親は、性に関して敏感だから、そんなことを言ったらだめよ!!と厳しく釘を刺された。
 親子で、「プシュ!!っていうのか、おもしろくない?」というと、そういうことを話していると癖になって、わたしの家に遊びに来てもあなたは、意地悪で絶対言うから、いっちゃだめ!!と厳しく言われた。
 微笑ましく感じる晩であった。

ベット


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