記事一覧

公私のけじめ 公私混同

韓国で働いていたある日。歯がズキズキ痛み始めた。 私は病院も、歯医者さんも大の苦手である。会社が入ってくれている海外駐在員向けの保険では、歯科治療はカバーされて…

Jackie
4年前
9

なんで整形しないんですか?

これまでの人生で「なんで整形しないんですか?」と言われたことがある。合計4回。これが多いのか少ないのかは不明だが、発言の主はすべて、韓国人である。日本人に言われ…

Jackie
4年前
23

一人オセロゲーム

幼い頃、家族でよくオセロをやった。そのオセロが、今も実家にある。私は弱い。だいたい負ける。 オセロで負けたことのない、キンコン西野さんによると、最初から数を取り…

Jackie
4年前
17

自分が頑張っていた頃、聴いていた歌を聴いてみる

昔よく聴いていた、懐かしい曲が聞こえてくることって、けっこうある。すると突然、それを聴いていた頃の感情まで蘇ってくる。 私は韓国から帰国して、もう韓国はいいや。…

Jackie
4年前
15

パニック状態のツバメを見て、思ったこと

駅から家までの道のり。あるお店の軒下に、ツバメの巣ができていた。この辺りはカラスも多い。このままじゃ、糞も落ちるし、危ないと考えたのだろう。店主が巣の下に、受け…

Jackie
4年前
14

怒りの瞬発力がない方へ。モーニングノートのおすすめ

人生2回目の韓国生活。最初の2年半は、駐在員として働いた。といっても、大企業の駐在員じゃない。途中で韓国からの撤退が決まり、ほぼ半分は撤退作業だった。毎日、夜中ま…

Jackie
4年前
15

お願いへのハードルの高さと、NOへの免疫力は人によって違う

韓国にいた頃、はっ?はあ?と思うようなお願いに、何度もお目にかかった。 例えば、びっしり韓国語で書かれた20ページのプレゼン資料。日本語に翻訳してくれという。もち…

Jackie
4年前
9

他人の苦労はゴマ粒大、自分の苦労は無限大

美味しそうなコース料理を前に、私はミニトマト半分しか食べていない。次々と運ばれてくる料理。皆さんの前の皿は、次々と入れ替わり、ひと皿のみ。私の前には、無数の皿が…

Jackie
4年前
6

怒ってもいい時の条件

韓国に行って半年後くらい。 大学時代のコーチが、学生数名を連れて、合宿に来た。私の韓国語はやっとこさ中級の入口にさしかかったところ。そんなこともお構いなしに、我…

Jackie
4年前
9

恐怖、警戒、嫌悪、攻撃が出たら、「私が知らないだけじゃないか?」と問うてみる

韓国に到着して、まだ間もない、とある週末。 部屋でひとり、テレビを見ていた。 軍隊にいる息子たちが、家族に送るビデオレターが流れている。もちろん、ほとんど聞き取…

Jackie
4年前
6

人は時に、極端な一般化をしてしまう

韓国に赴任して、しばらくの間、なんとなく疑問に思っていたことがある。会社では、毎朝9時から接客用語を唱和していた。 「いらっしゃいませ」 「かしこまりました」 「…

Jackie
4年前
7

動機なんて何だっていい

1997年、クリスマスのちょっと前。 私は初めて韓国という国に行った。 別に行きたかったわけじゃない。 所属していた水泳部のコーチが、韓国で合宿をするというから、仕方…

Jackie
4年前
6

自分には思い込みがあると認識しておけば、イラッを少し減らせる

1年ほど前の話である。通勤途中で同僚A氏に会った。「ちょっと聞いてよ!」朝からかなりご立腹である。 うちの会社では、年に数回、海外拠点から10人ほどが集まり、1週間…

Jackie
4年前
10

言葉を分解する腸内細菌

とある年のクリスマス in 韓国。女3人で、イタリアンレストランへ行った。日本人2人、韓国人1人、切ない女たちのクリスマスランチ。 生牡蠣が出た。私は30数年の人生で、…

Jackie
4年前
9

誰かのフツ〜の日常は、誰かに癒しを与える

この2ヶ月ほど、在宅勤務だから、ずっと家にいる。お隣さんも同じ様子。チラッとシルエットを見たことはあるが、会ったことはない。 彼女の朝は、8時のアラームから始ま…

Jackie
4年前
8

他人が変われば、自分も変わる

海外に行くと、身振り手振りが大きくなっちゃう。底抜けに明るい人間になっちゃうという話、よく聞く。日本を出たら、言葉だけでなく、性格も変わっちゃうというやつだ。 …

Jackie
4年前
7
公私のけじめ 公私混同

公私のけじめ 公私混同

韓国で働いていたある日。歯がズキズキ痛み始めた。

私は病院も、歯医者さんも大の苦手である。会社が入ってくれている海外駐在員向けの保険では、歯科治療はカバーされていない。だから、歯医者へは行かないほうがいい。などと、言い訳、悪あがきをしてみたが、痛みはひどくなる一方。渋々、歯医者さんへ行った。

先生は日本の医科歯科大学を卒業された、日本語が流暢な方。丁寧に診察、説明をしてくれた。「手術をしなけれ

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なんで整形しないんですか?

なんで整形しないんですか?

これまでの人生で「なんで整形しないんですか?」と言われたことがある。合計4回。これが多いのか少ないのかは不明だが、発言の主はすべて、韓国人である。日本人に言われたことはない。

私の目は一重、鼻は団子鼻だ。ご丁寧に、どこをどう直せばいいかまで、説明してくださった。おっしゃりたい気持ちは、よくわかる。しかし、心の中に留めておいていただきたかった。そんなにハッキリと言われると、正直、キツい。

会社の

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一人オセロゲーム

一人オセロゲーム

幼い頃、家族でよくオセロをやった。そのオセロが、今も実家にある。私は弱い。だいたい負ける。

オセロで負けたことのない、キンコン西野さんによると、最初から数を取りに行ってはいけないらしい。オセロは、最終的に盤面を自分の色にすればいいというゲーム。最初から数を取りに行って、自分の色だらけにしてしまうと、自分の打つ手がなくなってしまうんだとか。なるほど!

最近になって、人生での、ひとつひとつの経験っ

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自分が頑張っていた頃、聴いていた歌を聴いてみる

自分が頑張っていた頃、聴いていた歌を聴いてみる

昔よく聴いていた、懐かしい曲が聞こえてくることって、けっこうある。すると突然、それを聴いていた頃の感情まで蘇ってくる。

私は韓国から帰国して、もう韓国はいいや。。。と思った。正直、もう関わりたくないなと。だから、実家に置いてあった数十枚の韓国のCDを全て処分した。持っていた数十冊の韓国の本も、全部捨てた。韓国語の辞書も教材も、全て捨てた。

家の中から韓国のモノを一掃し、韓国とは関わりのない仕事

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パニック状態のツバメを見て、思ったこと

パニック状態のツバメを見て、思ったこと

駅から家までの道のり。あるお店の軒下に、ツバメの巣ができていた。この辺りはカラスも多い。このままじゃ、糞も落ちるし、危ないと考えたのだろう。店主が巣の下に、受け皿ならぬ、受けボックスを取り付けていた。

その間に、親ツバメが帰ってきた。周囲を飛び回りながら、ピイ〜ピイ〜ピイ〜ピイ〜鳴いている。パニック状態になっている様子だ。小学生くらいの女の子が、「大丈夫だよ、大丈夫だよ。少しだけ待っててね。」と

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怒りの瞬発力がない方へ。モーニングノートのおすすめ

怒りの瞬発力がない方へ。モーニングノートのおすすめ

人生2回目の韓国生活。最初の2年半は、駐在員として働いた。といっても、大企業の駐在員じゃない。途中で韓国からの撤退が決まり、ほぼ半分は撤退作業だった。毎日、夜中まで残業。土日も出社。たまの休みは、気絶したかのように眠った。

よく壊れなかったなと思う。いや、壊れていたかもしれない。夜中にひとり、嗚咽しながら、ヨダレに鼻水、垂らしていたから。

私の怒りの感情は、瞬発力がない。しかし、抜群の持久力が

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お願いへのハードルの高さと、NOへの免疫力は人によって違う

お願いへのハードルの高さと、NOへの免疫力は人によって違う

韓国にいた頃、はっ?はあ?と思うようなお願いに、何度もお目にかかった。

例えば、びっしり韓国語で書かれた20ページのプレゼン資料。日本語に翻訳してくれという。もちろん、私のご好意、無償奉仕で。私は彼の会社の人間でもなんでもない。彼の友達の友達だった。

ある時は、日本に一時帰国する時、買ってきてほしいと、画像が送られてきた。知育玩具。デカい。600x450x300mmの箱に入っている。スーツケー

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他人の苦労はゴマ粒大、自分の苦労は無限大

他人の苦労はゴマ粒大、自分の苦労は無限大

美味しそうなコース料理を前に、私はミニトマト半分しか食べていない。次々と運ばれてくる料理。皆さんの前の皿は、次々と入れ替わり、ひと皿のみ。私の前には、無数の皿が広がっている。

「私だって、食べたい。黙ってくれ。首絞めたろか?」

心の中で、何百回、叫んだことだろう。どれだけのフードロスを発生させてしまったことだろう。後悔しかない。

某韓国企業の日本法人で働いていた私は、いつのまにか何でも屋にな

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怒ってもいい時の条件

怒ってもいい時の条件

韓国に行って半年後くらい。
大学時代のコーチが、学生数名を連れて、合宿に来た。私の韓国語はやっとこさ中級の入口にさしかかったところ。そんなこともお構いなしに、我がコーチは、私を通訳兼お世話係として起用した。

一緒にプールを使わせてもらうスイミングクラブのメンバーたちに学生を一人ずつ紹介する我がコーチ。

「こいつは、猿っぽいけど、風呂に入りに来たわけじゃないんです。泳ぎます。種目はバック。去る日

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恐怖、警戒、嫌悪、攻撃が出たら、「私が知らないだけじゃないか?」と問うてみる

恐怖、警戒、嫌悪、攻撃が出たら、「私が知らないだけじゃないか?」と問うてみる

韓国に到着して、まだ間もない、とある週末。
部屋でひとり、テレビを見ていた。

軍隊にいる息子たちが、家族に送るビデオレターが流れている。もちろん、ほとんど聞き取れない。

ところが、突然、聞き取れる言葉が流れてきた。「オンマ、サランヘヨ」

当時の私の単語力で解釈すると、
オモニ=お母さん
オンマ=ママ
サランヘヨ=愛してる

つまり、テレビから流れる言葉は「ママ、愛してる」だ。

何十人という

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人は時に、極端な一般化をしてしまう

人は時に、極端な一般化をしてしまう

韓国に赴任して、しばらくの間、なんとなく疑問に思っていたことがある。会社では、毎朝9時から接客用語を唱和していた。

「いらっしゃいませ」
「かしこまりました」
「少々お待ちくださいませ」
「申し訳ございません」
「お待たせいたしました」
「ありがとうございました」

うちは、いわゆる接客業ではない。
「いらっしゃいませ」を言う機会はない。
なぜだろう?と思いつつ、まあ、挨拶は大事だしね、と流して

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動機なんて何だっていい

動機なんて何だっていい

1997年、クリスマスのちょっと前。
私は初めて韓国という国に行った。

別に行きたかったわけじゃない。
所属していた水泳部のコーチが、韓国で合宿をするというから、仕方なく行った。

ニンニクもネギもタマネギもニラも、辛いものも全部、苦手。スーツケースに、わかめラーメンとシーフードヌードルを詰め込んで行った。

宿泊先のホテルにある時計と、私の時計の差は5分。韓国と日本は近いから、時差は5分なんだ

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自分には思い込みがあると認識しておけば、イラッを少し減らせる

自分には思い込みがあると認識しておけば、イラッを少し減らせる

1年ほど前の話である。通勤途中で同僚A氏に会った。「ちょっと聞いてよ!」朝からかなりご立腹である。

うちの会社では、年に数回、海外拠点から10人ほどが集まり、1週間のトレーニングを行う。彼女はその担当だった。ホテルの手配から食事の手配まで、すべて彼女が行っていた。

そのトレーニングに参加予定の韓国人K氏から、こんなお願いをされたという。
「自分の出張に合わせて、週末に妻と義母も東京に行く予定だ

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言葉を分解する腸内細菌

言葉を分解する腸内細菌

とある年のクリスマス in 韓国。女3人で、イタリアンレストランへ行った。日本人2人、韓国人1人、切ない女たちのクリスマスランチ。

生牡蠣が出た。私は30数年の人生で、一度も牡蠣を食べたことがない。生モノ全般があまり好きではなく、あの見た目もちょっと苦手。でも、クリスマスだし〜と初挑戦してみた。

ふ〜ん。まあ、食べられないこともないな。食べず嫌いを克服し、私も成長したものだ。と自己満足していた

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誰かのフツ〜の日常は、誰かに癒しを与える

誰かのフツ〜の日常は、誰かに癒しを与える

この2ヶ月ほど、在宅勤務だから、ずっと家にいる。お隣さんも同じ様子。チラッとシルエットを見たことはあるが、会ったことはない。

彼女の朝は、8時のアラームから始まる。
15分後、もう一つ別のアラームも参戦。
2つのアラームの協演が1時間ほど続く。

10時過ぎから、ピロピロピロンと電子音。
そして、名前は知らないが、アイドルの歌。
その後は、お笑い芸人の声と彼女の笑い声。
たまにサスペンスドラマ。

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他人が変われば、自分も変わる

他人が変われば、自分も変わる

海外に行くと、身振り手振りが大きくなっちゃう。底抜けに明るい人間になっちゃうという話、よく聞く。日本を出たら、言葉だけでなく、性格も変わっちゃうというやつだ。

私は日本では、極度に内向的、根暗だった。そんな私が、韓国に行って、底抜けに明るくなったか?NOである。人はそう劇的には変われない。

しかし、ところ変われば、周りが違う扱いをしてくれる、ということがある。たとえば、韓国にいれば、日本人だと

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