板倉俊之
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新作映画を観るならレイトショーに限る。
新作映画を観るならレイトショーに限る。
僕はこの考えに疑いを持たない。
よほど不人気の作品なら話は別だが、たいていの作品は満席状態となっている。隣の人が身じろぎをする気配、後ろの席に座る人のつま先が自分の椅子を蹴る衝撃、映画の内容を理解できなくなった女が彼氏にひそひそと質問する声、ポップコーンを噛み砕く音———。
これらに邪魔をされ、作品に集中できないのだ。
そもそもなぜポップコーンなどと
自分以外いないはずの車内で……
これは僕がじっさいに体験した、恐怖の記録である。
晴れた冬の日、愛車のハイエースに乗って秩父の美の山公園に向かった。
そこにある展望台にGoProを仕掛け、夕暮れの様子から夜景に変わるタイムラプス映像を撮影するためだった。
寒さに凍えながら、景色を観に来た人たちに頭を下げながら、僕はひたすら待ちつづけた。
苦労の甲斐あって、満足のいく映像が撮れた。
https://www.youtube
「グレープフルーツ」というネーミングはひどすぎやしないか
世の中にはたくさんのフルーツが存在する。
リンゴ、メロン、キウイ、レモンなど、それぞれに名前がつけられている。
その中で明らかに浮いているのが、グレープフルーツである。
私はこのグレープフルーツのことが不憫でならない。
どこもグレープ(ぶどう)らしくないのに、なぜ「グレープフルーツ」という名前がつけられたのか。
調べたところ、グレープと同じような感じで木になるフルーツだからだそうだ。
「いまのちょっと面白い」の「ちょっと」は必要か?
ここ数年、誰かが気の利いた発言をしたとき、
「いまのちょっと面白い」とか言ってしまう人を目にするようになった。
「いまの面白い」ではいけないのだろうか?
「ちょっと」というワードが加えられたことで、「『面白い』といえるレベルには満たないけど」というニュアンスが発生してしまう。
これでは発言した側も、褒められているはずなのに両手放しで喜ぶことができず、下手をすれば落ち込んでしまう。
どうすれ
パスワード、パスワードやかましいわ!
何でもかんでもパスワードを求められる時代だ。
タブレットをひらくにも、アプリにログインするにも、文字を打ち込まなければならない。
セキュリティー保護の観点から、必要なのは理解している。
しかし僕らは、パスワードに守られるよりも、苦しめられることのほうが多いのではないだろうか。
1年ほど前のことだ。
僕は大手通販サイトで買い物をするために、スマートフォンにアプリを入れ、そこにアクセスした。
「のどちんこ」に告ぐ。「のど」さえつければ何を言ってもいいのか?
セクハラや不謹慎な発言に対してきわめて厳しいこの時代に、見事なまでに非難を浴びていない言葉がある。
「のどちんこ」である。
読んで字のごとく、「のど」にある「ち〇こ」みたいなやつという意味だ。
正式には「口蓋垂(こうがいすい)」と呼称するらしいが、そう言ったところで「え? 何それ」と返されてしまい、けっきょくは「のどちんこのことだよ」と言い直す羽目になるだろう。
ならばやはり、あれはもう「の