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読書感想

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2021年7月の記事一覧

【読書感想】本屋を襲撃することから始まった、おかしくて切なくて美しい物語。

【読書感想】本屋を襲撃することから始まった、おかしくて切なくて美しい物語。

1.『アヒルと鴨のコインロッカー』伊坂幸太郎出版社:東京創元社
発行年:2003年
書名:あひるとかものこいんろっかー
作家:いさかこうたろう
文庫本:363ページ
カテゴリー:青春、恋愛、ミステリー、動物

評価:★★★★☆

本作は、第25回吉川英治文学新人賞を受賞した傑作ミステリ小説である。

「オーデュボンの祈り」で鮮烈なデビューを飾った伊坂幸太郎の著作であり、「ラッシュライフ」「重力ピエ

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【読書感想】すべての失恋男たちに捧ぐ、爆笑妄想青春巨篇

【読書感想】すべての失恋男たちに捧ぐ、爆笑妄想青春巨篇

1.『太陽の塔』森見登美彦出版社:新潮社
発行年:2003年
書名:たいようのとう
作家:もりみとみひこ
文庫本:231ページ
カテゴリー:青春、恋愛、コメディ

評価:★★★★☆

本作は、『夜は短し歩けよ乙女』で知られる森見登美彦のデビュー作である。

第15回日本ファンタジーノベル大賞(2003)を受賞し、井上ひさしが選評で「美点満載の文句なしの快作」と表現している。

「太陽の塔」とは、1

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【読書感想】モヤモヤした日常を吹き飛ばす、三浦しをん3年ぶりの青春群像小説

【読書感想】モヤモヤした日常を吹き飛ばす、三浦しをん3年ぶりの青春群像小説

1.『エレジーは流れない』三浦しをん出版社:双葉社
発売日:2021/4/21
サイズ:単行本
カテゴリー:青春、学園
評価:★★★★☆

本作は、『格闘するものに〇』でデビューし、『舟を編む』や『まほろ駅前多田便利軒』などで有名な三浦しをんさんの約3年ぶりの新作小説である。

海と山で囲まれた餅湯町を舞台に、のんびりした日々を暮らす高校生たちが、様々な出来事を通して人生について考えていくという物

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