マガジンのカバー画像

けがれた者達の歌 冬景

441
冬の季節に書いた 冬の詩と物語の在り処 #雪ん子 #お化けの子 #妖 #柊 #白い狼
運営しているクリエイター

#言葉

バレンタイン

バレンタイン

風に言葉を乗せ
鼻歌を唄いながら

冷たい風に
混ぜる様に呟く
君の名前

何時だって
意識し過ぎて
言えない言葉を

今日 言えたなら
って思うんだ

冬の夕焼け

冬の夕焼け

赤く焼ける空があって

僕は

冷たい冬風の中に居る

空を飛ぶ

鳥の群れが旋回していて

鳥は赤い空に

吠える様に

騒がしく鳴くんだ

何故 そんなに鳴く?

鳥が焼かれ

空が赤くなる訳でも無いのに

侵食する種

侵食する種

鬼の僕は

君に或る言葉が

重石になる様にする

僕の

或る言葉を糧に

此の種の根は

君の身体を

どれ程に

侵食していく?

此の種の眼が

花を咲かせたなら

僕が摘み取るんだ

僕は度々

君の身体に這い伸びた

指に或る根に触れて

蝕まれた

君の表情を確かめるんだ

悪意の種

悪意の種

僕は

悪意の種を撒く

言葉の重石が

増える程に

悪意の種が育つんだ

種は眼を出し

根を這わせ

徐々に

人の身体を蝕むんだ

人には

視えてないだろうけれど

口々に

口々に

皆 口々に云う

皆 口々に喋る

皆が皆 口々に話す

皆が皆 口々に会話する

只それだけ

只それだけなんだ

影

夕刻の

影が長く伸びる刻

木々の影が

僕の影を捕まえる

影が捕まると

僕も動けなくて…

夜が来るまで

此処に居る

夜が来ても

此処にいる

地震の後だから…

地震の後だから…

身体を丸め

口を閉ざし

書かずに居て

どれくらいになるのやら…

言葉に

清廉さなんて

込めるの苦手で

僕が書く物に

負や闇が付き纏うから

黙ってた

けど

もう書いて良いかな

なんて思う

言葉          #詩

言葉         #詩

あの言葉が

僕に向けたものならば

凄く嬉しいけれど

なんて思ったんだ

堰き止める何か     #詩

堰き止める何か    #詩

何かを書こうとして

書けないのは

僕の中に

堰き止める

何かが有るって事で…

流れて行かない感覚

投げつける気持ち   #詩

投げつける気持ち   #詩

君を見て

未だに

高鳴る鼓動の

動きに戸惑うんだ

そんな時は

思考が止まった様に

直ぐに言葉が出なくて

重なる刻が

僕を強くしてるのか

僕を弱くしてるのか

分からないけれど

僕の勝手で

少しでも気持ちを

投げつけてやれって

思ってるんだ

此処          #詩

此処         #詩

僕は何時も此処に居て

ソファに腰掛け

物語を読んだり

書いたりしているんだ

絵を描いてる時は

テキトーな歌詞の

鼻歌を唄う事も有ってさ

あまりにも

くだらない言葉を

繰り返して

唄って

笑ってたりするんだ

下書き         #詩

下書き        #詩

物語を書いている時

此れは無いって

ありえ無いって

下書きに

埋もれる言葉に

自分の中の

本質を垣間見る

珈琲          #詩

珈琲         #詩

息を吹けば

揺れて消える

珈琲の湯気を見て思うんだ

心臓の鼓動が速まると

言葉が消し飛んでいく

僕の心みたいだ

なんて…

手の中に

言葉を握っていても

鼓動が

僕の言葉を砕くんだ

あやかしは妖

あやかしは妖

君の前に現れるのは

悪戯を仕掛ける小さな

あやかしの子か?

呪いの歌を唄い

不愉快な言葉を囁く妖か?

何方も妖

あやかしは妖