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展覧会レポ:【神社×テクノロジー】地下1000mに眠る秘密を探る展覧会

【約1,400文字、写真13枚 】

■information
「捜神譚(そうじんたん)」
会場:ギャラリー16|galerie16
期間:2024年1月16日~1月31日(12:00~18:00)
休館日:月曜日
webサイト:https://art16.net
アクセス:京都市東山区三条通白川橋上ル石泉院町394, 3F
電話番号:075-751-9238
観覧料:無料


一番の面白ポイントは解説?!

 以下の文章は、チラシに書かれていたものです。
「岐阜県飛騨市神岡町の地下1000m、旧神岡鉱山内に、水チェレンコフ宇宙素粒子観測装置『スーパーカミオカンデ』が設置されている。その巨大な装置のさらに30m地下を通る旧坑に『それ』は祀られていた。¹」

 「それ」が気になりますよね。 
 スーパーカミオカンデとは、地下約1000mに設置された素粒子の観測装置です。
 実際の写真がこちら↓

下部は水槽になっており、内壁には約1万2000本もの光検出器が並べられています(国立国際美術館 アンドレアス・グルスキー展 2014より)

 よーく見ると、右下にボートが確認できます。

「祀られていた」?

 チラシの続きです。
「1991年の着工の際、安全祈願のために設けられたものなのか それとも 採掘が始まったと言われる養老年間から既に存在していたきたのか、まだはっきりしたことは分かっていない。¹」

 養老年間とは、西暦717年から724年までの期間。ちなみに、奈良時代です。
 カミオカンデがある岐阜県には養老神社があり、養老明神、元正天皇、聖武天皇、菅原道真が祀られています。

下は令和まで続いてました(切れてしまってスイマセン)

 歴史的背景を踏まえた年表が展示してあります。(⚠うっすらと色が違う部分はフィクションです)

神岡鉱山地下埋設神社調査・復元展示委員会

 さらに続きます。「その存在については僅か数人の人しか知ることはなく、おまけに口外することは 強く誡め(ママ)られていたからである。¹」

ちゃんと神岡鉱山地下埋設神社調査・復元展示委員会の名前が…!

 装置のさらに地下深く、旧坑道に神社があった²というのです。
 調査委員会が発足され、復元展示を依頼された。この展覧会はその復元模型なんだとか!?

地下に神社??

回転すると、ガイガーカウンターの電子音などが室内をうごめく

「祟りを怖れてのことなのか、それとも何か別の秘密や目的が隠されているのかは分からないが、関係者から密かに入手したこの一枚の図面だけがその存在を仄めかしている。¹」

 図面のいわれまで説明してくれます。
 そして展覧会のサブタイトルは「発生器」!!

正直に申しますと

 この展示だけでは何のことかさっぱりです。ですが、この物語と合わせると、模型の展示であることから、空恐ろしい何か、二律背反する何かが自分の中にもいることを自覚させてくれる(気がします)。

装置の裏側


⚠野暮なこと

 あのー、もちろん、架空の図面であり、年表に委員会や解説もフィクションです。すべてが、作品なんですね。
 騙すような文章ですいません。

ギャラリー16

 1962年に開設された現代美術を扱う老舗ギャラリー。初めてお邪魔しました。

スマホの地図はココというのですが
ポスターがありました! 奥の階段で三階へ?!

安藤泰彦氏!

たまたま安藤泰彦氏が在廊中でした

 会場におられた安藤氏のお話を横で聞いていますと、
「現代のお利益を願う神社ではなく、祟る神を鎮めてきた歴史を見せたかった。信仰とは何か、考えるきっかけにしたい」と仰っておられました。

 ギャラリーの方のご説明では、
「京都に今も実在する吉田神社から着想を得た、八角形の境界が引かれ、内側はコンピューター制御で回転する」んだとか。

アートユニット「KOSUGI+ANDO」

 アートユニット「KOSUGI+ANDO」は、作家である小杉美穂子氏と安藤泰彦氏が1983年結成、コンピューター制御によるインスタレーションを通して、テクノロジーと現代社会を批評的に考察してこられた³そうです。
 社会に潜む権力や記憶などをテーマに作品を制作してらっしゃいます。

〈おまけ〉

近くに人だかりがあったので、のぞいてみると…
おまんじゅう屋さんでした
買って帰ろうと並んだのですが、クレジットカードしか持っていないことに気づき、慌てて引きあげました

平安神宮の鳥居

 近くには平安神宮や美術館、動物園もあります。

 次回は小銭を握りしめてお出かけしたいと思います!

ソース;
¹:フライヤー「捜神譚」アートユニット「KOSUGI+ANDO」
²:ギャラリー16 展示説明より
³:京都新聞 ギャラリー「非科学的視点からテクノロジー問う」2024年1月20日(土曜日)
※タイトル画像、右下の画像はBing Image Creatorによる画像生成(アクセス日:2024年1月29日)


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