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【料理×栄養学×ボディメイク①】最強の食材「卵」を徹底解説

ボディメイクしている人だったら毎日のように食べている卵。
今回は、【料理×栄養学×ボディメイク的観点から卵を分析】していこうと思います。

●間違った卵の常識

一時期、「卵を食べすぎるとコレステロール過多になるから一日1個まで」みたいな風潮があったと思います。
しかしこれは厚生労働省によって明確に否定されています。

ボディメイクしている人からすると、一日に何個も卵を食べるのは至って普通のことなのですが、これを知らない人からすると「卵をたくさん食べるのは身体に良くない」という印象があるようです。

しかし、2015年にアメリカ農務省と保健福祉省が「コレステロール摂取制限は必要ない」という見解を発表しました。
日本の厚生労働省もそれに続いて、「日本人の食事摂取基準」からコレステロールの項目を削除しました。

一方で、日本動脈硬化学会は
「エビデンスはないからコレステロールを制限はしないものの、いくらでも摂っていいものではなく、特に血中LDLコレステロール値が高い人は脂質摂取自体に注意が必要」
と述べています。

つまり、筆者がオートミールの記事カフェインの記事でも口を酸っぱくして言っている通り、
「完璧な食材はない」
「どんな栄養も程度が重要」

という結論になります。

卵に関する研究は枚挙に暇がありませんが、代表的な論文がこちら。
18~30才の健康な男女40人を対象に、卵の効果をチェックした研究です。

1.最初の2週間は卵をまったく食べない
2.次の4週間は卵を1日1個ずつ食べる
3.次の4週間は卵を1日2個に増やす
4.最後の4週間は卵を1日3個に増やす

その結果、
・コレステロールのサイズ減少(≒心疾患リスクの低減)
・コレステロールの流出能の改善
・抗酸化物質の増加

などが見られ、血圧や中性脂肪の悪化は見られなかったとのことです。

このことから、一日3個くらいまでの摂取であれば安全であるというのが現在の科学のコンセンサスになっています。


●ボディメイクにおける卵の評価

さて、ボディメイク目線で見ると卵はどうなのでしょうか。
筆者が主観で評価してみました。

栄養素★★★★★
調理法★★★★★
コスパ★★★★★
増量期★★★★★
減量期★★★★☆

さすが完全食と言われるだけあって、ほぼ完璧な評価です。
これからは、各要素について見ていきましょう。

●卵の栄養素

例によってカロリーSlismで卵の栄養素を見てみます。

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①炭水化物…ほとんど含まれない。

②脂質…思ったほど悪くないが、摂りすぎには注意。
卵の脂質は、主に中性脂肪、リン脂質、コレステロールで構成されています。
少量のコレステロール摂取が無害であることは前述の通りですが、中性脂肪を含んでいることもあり、多くの摂取はやはり禁物。
一方で、筋肥大に効果的で抗うつ作用などもあるアラキドン酸を含むのも特徴です。
→脂質について

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③タンパク質…最強
アミノ酸スコアは100。
アミノ酸スコアで測れないタンパク質の質としても、全食品を見渡してみてもトップクラスの性能を誇ります。

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④ビタミン・ミネラル…全体的に豊富
ご覧の通り、ビタミンミネラルをかなり豊富に含みます。
ひよこが成長するために必要な栄養素が詰まっていると考えるとこの栄養満点さにも納得です。
→ビタミン・ミネラルについて

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●卵の調理法バリエーション

あまり知られていないとは思いますが、卵は調理法によって消化吸収率がかなり変わります。

・生で食べることは避けよう

卵は、生で食べるよりも、加熱したほうがタンパク質の吸収効率が良いことがわかっています。

卵のタンパク質を比較した研究によると、
生卵のタンパク質吸収率…51%
半熟卵のタンパク質吸収率…91%

となっています。

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映画『ロッキー』で生卵をガブ飲みするシーンがありましたが、現在の科学では非効率なようです。

・加熱しすぎを避けよう

一方で、熱を加えすぎることでタンパク質の変性が起きてしまうということもあります。
タンパク質の熱変性に関する研究によると、100℃以上の加熱ではタンパク質が変性してしまいます。
タンパク質が変性することにより、消化吸収に時間がかかってしまいます。

・調理方法に注意しよう

卵を調理するときは、できるだけ卵黄と卵白が接触しない方法で調理しましょう。
つまり、スクランブルエッグのような調理よりも、ゆで卵のような調理がベターということです。

なぜかというと…
卵黄に含まれるビオチンと卵白に含まれるアビシンが結合してしまうことによって、体内のビオチニダーゼが働きづらくなってしまいます。
ビオチニターゼが働かないと、ビオチンとタンパク質の結合を分解することができず、消化吸収に時間がかかるからです。

・結論:温泉卵が最強

黄身と白身を混ぜないようにしつつも加熱しなきゃいけないけど、加熱しすぎもよくない。

ということで、温泉卵が最強の調理法だといえそうです。

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とはいえ、筆者が卵食べるときはスクランブルエッグや卵焼きにもしますけどね。美味しいから。。。

●卵のコストパフォーマンス

ご存知の通り、卵はどこでも手に入りますよね。

普通のスーパーでは10個で180-200円程度が相場かと思います。
卵10個でだいたいタンパク質が70g程度。
200円で70gものタンパク質が摂取できるのは驚異的なコスパ。

コンビニのサラダチキン1個が200円でタンパク質23g程度ですから、いかに卵のコスパが優れているかがわかります。

普通のスーパーでは180-200円程度、コンビニでは200円を超えることも珍しくありませんが、オーケーストアではなんと常時120-140円程度。
家の近所にオーケーストアと業務スーパーがあるかどうかでダイエットの成功可否が決まると言われているほど(勝手に言ってるだけ)、オーケーストアは素晴らしい。

(ステマじゃないよ、、、w)

●増量期

値段が安く、タンパク質が豊富で、更には調理方法が豊富でどんな料理にも合う上に、調味料との相性もいい。
ご飯も進みます。

なので、増量期では筆頭の食材に上がります。

●減量期

減量期でも、卵は良い選択肢。

特に炭水化物を抑えてタンパク質と脂質を摂取するケトジェニックダイエットでは、主要な食材です。
朝食に全卵を4-6個程度食べるだけでOK。
塩コショウ、醤油、ソース、ケチャップ等どんな調味料にも合うので飽きない。

ローファットダイエットにおいても卵は便利です。
ローファットだからといって米と鶏むね肉だけでは脂質が不足してしまいます。
脂質はホルモンの材料にもなるため、ローファットにおいても多少は摂取しましょう。
そこで一日1-2個の全卵を食べる。親子丼なんかがおすすめです。

●卵白単体で食べることの是非

卵の脂質の大部分は、卵黄に含まれています。
ということで、卵白だけを食べるのはボディビルダーの間では半ば常識になっています。

日本だとなかなか手に入りづらいですが、探せばなんとか見つけることができます。

筆者は海外に住んでいたときに使っていましたが、正直コスパが良いかと言われると微妙です。。。w
倫理的なことを抜きにすれば、普通に全卵を買って、卵黄だけ捨てるというほうが個人的には良いと思いました。

●まとめ

・全卵はほぼ完全食
・ダイエットにも増量にも使える
・できれば温泉卵で食べよう

●終わりに

今回はボディメイク食材界の王者(?)、卵についてお話しました。

料理も好きな筆者なのでもうちょっと調理方法についてフォーカスしたかった感もありますが、卵はあまりにも汎用性が高すぎるため割愛しました。。。

このように栄養素的観点を含めて他の食材も解説していこうと思うので、よろしくお願いします。


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