日々の泡

アートについて。日々のことについて。パリとノルマンディーを行ったり来たり。ノルマンディ…

日々の泡

アートについて。日々のことについて。パリとノルマンディーを行ったり来たり。ノルマンディーの古い家を購入し改装中。

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記事一覧

Illumination

Le mot "illumination n'est pas crée par Rimbaud.. Confinementが終わった。 久しぶりに友人と飲んだ帰り道。 美しいものを見た。 世界の美しいもの。 どこか特別…

日々の泡
3年前

美大に入学した!

長年の夢だった美大に入学した。 1ヶ月前に完全なオンラインで学士が取得できる美大があることを知って、入学手続きをしていた。 学歴証明書など日本でしか入手できない…

日々の泡
3年前
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自分を大きく見せないこと

最近自分が向いていっている傾向について書こうと思う。 美しいものが好きだと思う。 でも大袈裟なものが好きじゃない。 身の丈でないことにも居心地の悪さを感じる。 …

日々の泡
3年前
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ノルマンディーの田舎の家で

今私は一人で田舎の家にいる。 昨日の夜到着して、冷蔵庫に残っていたもので簡単な夕食にした。 音楽を聴きながらイカとセロリのパスタを作って、久しぶりの一人が心地よ…

日々の泡
3年前
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ギャラリーの種類について

ギャラリーにはいくつかの種類がある。 なんとなくみんな知っているけれど、ぼんやりとしか掴めていないアーティストも多い気がする。 アートをやっている人は自分も含め…

日々の泡
3年前

リファビリ。一回りしてまた同じ場所に戻ってきた

絵を描くことを辞めてしまってから7年の歳月が流れた。 色々なことが起こって、絵を止めるきっかけとなったプロジェクトが終わってしまったのにも関わらず長い間描けなか…

日々の泡
3年前
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敢えてnoteに書くこと。

自分の頭の中を整理するためにはnoteで公開にして書かなくてもノートに書くことだってできる。そういう覚書みたいなノートは何冊もある。 けれど敢えてこういう公共の場に…

日々の泡
3年前
2

Paris、HK、NYのプロジェクト。絵を描かなくなった理由について2

この様なパリと香港のプロジェクトでの仕事に追われて、自然と制作をする時間がなくなっていった。 日本のパートナーの方からも「これからはアーティストとしてではなく、…

日々の泡
3年前
1

絵を描き始めたきっかけ

絵を描くきっかけを作ってくれたのは最初の夫だった。 彼も私と同じように生い立ちが複雑な人で養子だった。 韓国に産まれながら、フランスに養子に入ったが養父母とうま…

日々の泡
3年前
1

Parisと香港のプロジェクト。 絵を描かなくなった理由について1

私は絵を描き始めてしばらくすると、アート業界のことを理解したいと思った。 私は独学でアートを学んだので、美大卒のアーティストのようにコネクションもなく、アート業…

日々の泡
3年前
2

田舎の家のこと2

コロナが始まって外出禁止になった直後は、自分の家間の行き来について政府はまだ厳しく言わなかったので、パリからブルターニュの小さな島に別荘を持っている人々が押し寄…

日々の泡
4年前
2

田舎の家のこと1

去年の11月にフランスの田舎に一軒家を購入した。 随分前から、そしてここ数年は一軒家に住みたいという想いが強くなっていた。 幼い頃の幸せな体験を再現したいという想…

日々の泡
4年前
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Illumination

Le mot "illumination n'est pas crée par Rimbaud..

Confinementが終わった。

久しぶりに友人と飲んだ帰り道。

美しいものを見た。

世界の美しいもの。

どこか特別な場所に行く必要はない。美しいものはそこら中に溢れている。

街灯が照らし出す街路樹の揺れる影に狂おしいほどのときめきを感じる。

それは思いがけけない『告白』にも似た感情

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美大に入学した!

美大に入学した!

長年の夢だった美大に入学した。

1ヶ月前に完全なオンラインで学士が取得できる美大があることを知って、入学手続きをしていた。

学歴証明書など日本でしか入手できないものもあり、1ヶ月の短期間での準備はなかなか大変だった。

そして一昨日入学許可のお知らせを受けた。

兎に角、とっても嬉しい!

ずっと美大で勉強したいと思っていたその夢が叶った。

ファッションを学んだし、フランスの大学でマネージメ

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自分を大きく見せないこと

自分を大きく見せないこと

最近自分が向いていっている傾向について書こうと思う。

美しいものが好きだと思う。

でも大袈裟なものが好きじゃない。

身の丈でないことにも居心地の悪さを感じる。

わざとらしさにも違和感を感じる。

みんなと同じようにインスタグラムやFacebookで美味しかったり、美しかったり、楽しかった瞬間を伝える写真や文章をアップしたりする。

でもそこでもなるべく装飾をしたくないと思う。

装飾があっ

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ノルマンディーの田舎の家で

ノルマンディーの田舎の家で

今私は一人で田舎の家にいる。

昨日の夜到着して、冷蔵庫に残っていたもので簡単な夕食にした。

音楽を聴きながらイカとセロリのパスタを作って、久しぶりの一人が心地よくて250mlのビールを2本飲んでしまった。

その後午前0時過ぎまでドローイングをして、ゆっくり猫足の湯船に浸かった後、布団に入ったらすぐに眠ってしまった。

今朝はマルシェで生のエビとホタテを買い、スーパーで必需品を買い込んできた。

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ギャラリーの種類について

ギャラリーの種類について

ギャラリーにはいくつかの種類がある。

なんとなくみんな知っているけれど、ぼんやりとしか掴めていないアーティストも多い気がする。

アートをやっている人は自分も含めて良い意味でも悪い意味でもマージナルなところが多いと思う。

自分のアーティストとしての立ち位置ということについてあまり現実的に考えないアーティストも多いような気がする。

ここで私が話すアート業界はデザイン業界とかクリエイター業界では

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リファビリ。一回りしてまた同じ場所に戻ってきた

絵を描くことを辞めてしまってから7年の歳月が流れた。

色々なことが起こって、絵を止めるきっかけとなったプロジェクトが終わってしまったのにも関わらず長い間描けなかった。

絵に関して複雑な感情を持ち過ぎてしまい、素直にまた描こうと思うことができないでいた。

幸か不幸かフランス現代アートの一線のアーティストとのつながりが深い男性と知り合い、彼がパリに総合施設を作るプロジェクトに加わってくれて、私の

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敢えてnoteに書くこと。

自分の頭の中を整理するためにはnoteで公開にして書かなくてもノートに書くことだってできる。そういう覚書みたいなノートは何冊もある。

けれど敢えてこういう公共の場に、たとえ誰も読んでいる人がいないとしても投稿するということは何か意味があるのだと思う。

驕りと過小評価の行ったり来たりではなく、ある事実として過去にあったことで消化できていなかったこと。誰とも話をしないで来たことについてここで書きた

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Paris、HK、NYのプロジェクト。絵を描かなくなった理由について2

Paris、HK、NYのプロジェクト。絵を描かなくなった理由について2

この様なパリと香港のプロジェクトでの仕事に追われて、自然と制作をする時間がなくなっていった。

日本のパートナーの方からも「これからはアーティストとしてではなく、経営者として頑張ってもらわねば」という言葉をいただいていた。

またしてもここでアートと職業という問題にぶつかっている。その時には自分では気がついていなかったけれど。二つの店舗のセレクトを完全に任せてもらっているという普通では考えられない

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絵を描き始めたきっかけ

絵を描き始めたきっかけ

絵を描くきっかけを作ってくれたのは最初の夫だった。

彼も私と同じように生い立ちが複雑な人で養子だった。

韓国に産まれながら、フランスに養子に入ったが養父母とうまく行かず、7歳から施設で育っていた。

でも大人になってからはその養父母といい距離で付き合いがあるようだった。

私たちは木が多い茂る森の奥に住んでいるその義父母に何度か会いに行った。

犬猫、鶏、そしてヤギやヒツジやロバや馬やポニーが

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Parisと香港のプロジェクト。 絵を描かなくなった理由について1

私は絵を描き始めてしばらくすると、アート業界のことを理解したいと思った。

私は独学でアートを学んだので、美大卒のアーティストのようにコネクションもなく、アート業界に対する知識が浅かった。

独学でアートシーンに関する本をある程度読んでいたが、いまいち具体的な情報がなく、そういうことに飢えていたというのもある。

まずは作品作りに打ち込んで、その後のことは後からついてくるという考え方もあったのかも

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田舎の家のこと2

田舎の家のこと2

コロナが始まって外出禁止になった直後は、自分の家間の行き来について政府はまだ厳しく言わなかったので、パリからブルターニュの小さな島に別荘を持っている人々が押し寄せているというようなことを聞いた。

私も恐る恐るノルマンディーの家に行ってみることにした。

サンラザール駅までガラガラのバスに乗り、駅でも電車の中でも特にコントロールされることもなく、私は二つの川のあるノルマンディーの小さな街の家までた

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田舎の家のこと1

田舎の家のこと1

去年の11月にフランスの田舎に一軒家を購入した。

随分前から、そしてここ数年は一軒家に住みたいという想いが強くなっていた。

幼い頃の幸せな体験を再現したいという想いだったのかもしれない。

あの頃ゆったりと過ごせた時間は私が育った一軒家の自分の部屋の中か、庭で一人で過ごした時間だけだった。

いくつかの経験も重なった。友人の田舎の家で数日過ごした思い出や、昔のボーイフレンドの家族が持っている海

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