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短編

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#眠れない夜に

僕の太陽は街灯に照らされる

僕の太陽は街灯に照らされる

どれにしますか?

ラーメンも食べたいし炒飯も食べたい

食べれるんですか?

んーとりあえず炒飯頼んで足りなかったら頼む

絶対その方が良いですよ

綺麗とも汚いとも言えない4人席に
2人で対面に座り、
必死に手元のメニュー表だけを眺めている。

こうして2人でご飯に行くようになって
もう一年も経つが未だにこの子は敬語。
2人の中に違和感は無いけれど
周りから見ると少々奇妙らしい。

目の前に見

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そうだ私は今を生きているんだ

そうだ私は今を生きているんだ

彼は顔が整った人だった。
先輩に連れられて行ったお酒を飲めるイベントで出会ったその人は、目鼻立ちのクッキリとした大人の男性だった。
大学には、よくある男女グループの波に押し流されて、お膳立てされて最近付き合い始めた同い年の男の子がいた。彼はあくまで男の子だった。

付き合っちゃったんだ。

はい。遅いですよ。

ん?なにが?

だから〜

弄ばれてるんだな。そう感じていて遠回しに気持ちを伝えてみた

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それを聴いた夜、貴方はそこに居ました。

それを聴いた夜、貴方はそこに居ました。

知らない誰かとナイトクルージングを聞いた夜がありました。

と落ち着いた声で話すラジオDJのラジオを私は元恋人と聴いた夜がありました。

その夜同じ空間に居たわけではないけれどお互いの表情が分かるくらいには時間を共にした相手でした。
その人は思い出になってくれない人で、
今も会うたびに心を締め付けてくる人です。
その夜はあってもいないのに心を締め付けられました。

ナイトクルージングが流れる間は

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クスクス笑う貴方を私ならもっと上手に愛せるのに

クスクス笑う貴方を私ならもっと上手に愛せるのに

私の好きな人は友人の彼氏だった。

その人の背は電車の吊り革程度で
襟付きの服を着ない首元はやけに色気があった。

友人から彼の話を聞く。
あんなところが嫌だ、もっとこうして欲しい。
…私だったらもっと上手に愛せるのに。

愚痴という名の惚気を永遠と聞かされた
駅前のファミレスのドリンクバーは何種類もあったが
いつも決まって飲むのは好きでもないアイスコーヒー。
貴方が好きだと友人が教えてくれたから

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あれは普通の恋

あれは普通の恋

私はなんとなく生きてきた

普通で普遍で凡人

彼の鼻筋を人差し指でなぞったその朝までは

春が来て、空が梅雨に覆われて夏を迎えるように

夏を舞台に歌われるあの歌のサビが繰り返されるように

わたしにはいつだって恋人がいた

人を変え、場所を変え、歳を変えてもなお恋人はいた

なんでもいいよ

と言う私

返答は人それぞれだった
怒る人 同調する人 提案する人

結局何でも良い私は体を許して体を

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僕らは嘘をつけるだけ

僕らは嘘をつけるだけ

初めてついた嘘はなんだったろうか

私は最初についた嘘をはっきりと覚えている

好きなゲーム機がほしくって

「普通に当たり前だよ」

「みんな持ってるんだよ」

「俺だけが仲間外れだ」

そんな小さな嘘だった

私の父は剣道をずっとやっていて
作法や筋を通すことに関しては人一倍厳しかった
小さな嘘を重ねる私に父は

「みんなの定義は」

「ゲームだけで仲間外れになる仲間なのか」

「普通は何をも

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愛のひとかたまり

愛のひとかたまり

今日もいつもの様に部屋で冷房をかけて
薄っぺらいタオルケットに包まりながら
携帯を右手に勝手に流れ出す(友達)の物語を
一つ余す事なく見ていた。

あいつは旅行に行っていて
あいつは友達と飲んでいる
あの子は彼氏ができていて
あの人は仕事で出張してる

あれこの人は誰だったか思い出せない
こんな事も気にしてられないくらいに
目の前の画面はすぐ次へと移り変わる

愛は溶けて
恋は薄まる
言葉遊びの様

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君の形をしているもの

君の形をしているもの

吸ってるタバコなんだっけ?

キャメル

2日も一緒に寝たから寂しいかもって思った

ため息が出るほどにあざといその子

俺はアメリカに行くと決めてから

はや一年が経とうとしている。

またおいで

すぐいきたい

あと半年もすればアメリカに行く俺は

2年の時間を共にした彼女に別れを告げ、

3年勤めた会社を退社し、

珈琲屋とレンタルビデオショップで働いている

このすぐ行きたいなどと軽々し

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すこーしたいようをのぞいてみた

すこーしたいようをのぞいてみた

あれ?もう10月?

昨日は寒すぎて震えながら

夜中に何度か目を覚ました

そういえば彼の誕生日も10月だったような

起きて〜と聞き馴染みのある

太く優しく低く優しい声が

結構乱暴に耳を撫でる

はいはいと体を起こし

んーーっと体を伸ばす

朝が来てしまったのか

でも夜は見れない彼の顔が見れるから

差し引いても朝は嫌いじゃない

冷めるよー

今度は優しく嬉しい言葉が耳を引っ張った

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ループする10月の夜を私は露知らず

ループする10月の夜を私は露知らず

えだまめ
えいひれ
いぶりがっこ

結婚式の3次会に行った時

私の携帯に誰の意思にも意味を持たせまいと

このメモが残っていた

えだまめを咥えながら

目の前の新婦友人を新郎友人で相手する

多分この話の女性側の話があるのなら

全くもって同じ表現をしただろう

えいひれ、センス良いじゃんと

ハイタッチを求めてきた1人の女性

すかさず嫌な顔をして避けつつも手を差し出し

上手いことひと笑い

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毛糸で君に編んだ分、君は離れていく

毛糸で君に編んだ分、君は離れていく

「ねえ。今から何を言っても好きでいてくれる?」

こう息を吸うように伝えた彼は私の恋人でもなんでもなかった。

元恋人は束縛も激しく日に日に私へのあたりが強くなるような
そんな男性だった。
紛れもなく私が選んだ人で否定もする気はなかったけれど、
思い出となっている私に笑顔はなかった気がする。
そんな彼とも別れて誰とも付き合う気もなく、
ただ日々を過ごしていた。

ビール屋で働く君に
お酒の好きじゃ

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日記に記すにはどこかもの足りなくて

日記に記すにはどこかもの足りなくて

あの女性の顔をなかなかに思い出せない。

それは
名前や年齢すらハッキリと
聞いていないからなのかもしれない。

このくらい肌寒くなると外で吸う煙草の煙は
より一層空気を白に染め上げる。
その白を目の当たりにする度に
あの光景だけは思い出せて、
名前も分からない女性がそこには立っている。

お名前伺ってもいいですか?

そう声をかけられた。
それはよく行く古着屋で店主と何人かを交えて
立ち話をした

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