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すこーしたいようをのぞいてみた

あれ?もう10月?

昨日は寒すぎて震えながら

夜中に何度か目を覚ました



そういえば彼の誕生日も10月だったような


起きて〜と聞き馴染みのある

太く優しく低く優しい声が

結構乱暴に耳を撫でる

はいはいと体を起こし

んーーっと体を伸ばす

朝が来てしまったのか

でも夜は見れない彼の顔が見れるから

差し引いても朝は嫌いじゃない


冷めるよー

今度は優しく嬉しい言葉が耳を引っ張った

引っ張られるままに扉を開けると

母にも作ってもらったことないような

朝ごはん定食が並んでいる

顔洗ってくる!

朝はお湯じゃなくて水で洗う派である

緩んだ空気と緩んだ肌を一気に冷たい水が

締め付ける


今日は土曜日

5日間も連続で早起きした自分たちに

ご褒美としてこれまた早起きして

動物園へと行く

そしてピクニック

太陽は私たちのためと言わんばかりに

ふんぞりかえって雲たちは

私たちの空にはまだ入ってきていない



ゴリラとキリンをじっくり眺め

芝生にレジャーシートを広げる

朝ごはんを作ってくれた彼だが

実はこっそり昨日サンドイッチを作ったのは私

多分大人な彼は気づいていたんだろうが

美味しい美味しい

いつ作ったの?

楽しそうに

頬張ってくれた

この美味しいの声がまた

太くて優しくて瓶詰めにしちゃいたいくらい



お腹いっぱいと横になって彼の腕に包まれていく



彼の腕に包まれて手のひらを顔に押し付ける



その指と指の隙間から

わたしはすこーしたいようをのぞいてみた

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