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サガンはここに。(2023年12月9日記)
祇園北、白川筋からちょっと路地を入ったところに、「サガン」というクラブがある。
昨年9月にいまのマンションに越し、ある夜、四条河原町方面から帰宅する途中に光る電飾看板を見つけた。ママがフランソワーズ・サガンを好きなのかな。いや、白川のそばだから、「左岸」という意味かも。でももし、サガンを好きなママなら、文学や本を愛する客がたくさん集う店かもしれない。夢想は止まらなかった。
そうしてまだサンダル
浅く契りて、末まで遂げよ。(2005年8月20日記)
一昨年の12月、NHKで放映された『小津映画・秘められた恋』というドキュメンタリーを見た。
佐野史郎が案内役で、今村昌平のインタビューや、小津監督と田中絹代、原節子、小田原の芸者という3人の女性とのそれぞれの関係がひそやかに描かれ、彼のお墓を訪ねて住職に話を聞くシーンなどもあった。
住職は佐野の話によって、数年前に監督の墓を訪ねてきた老女が、その「小田原の芸者」であったことを知った。とても
本物になるまでは。(2011年7月6日記)
(2011年)6月26日(日)、青山ブックセンターで行われた『写真家 川内倫子 × 映画監督 是枝裕和「あらためて、ちょっといい話」』に行ってきた。
これは川内倫子さんの最新作『Illuminance』の発売を記念して、映画『誰も知らない』でのスチール担当をきっかけに交流のある是枝裕和監督をゲストに迎えたトークイベントだった。
川内倫子さんとは仕事をご一緒したことがない。 雑誌『SWITC
「あなたは家族と紅葉を見に行きましたか?」
久しぶりに国際ロマンス詐欺に(それとわかって)引っ掛かってみました。以前よりさらに巧妙になっているので、注意喚起としてここに記します。
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クリスマスの夜にインスタにDMのメッセージが2つ届いていた。1つは欧米人で「Hi」の一言だったので、メッセージごと削除。もう、1つはシンガポールの男性で、私の5月の風景写真に対して「とても素敵な風景ですね。故郷ですか?」というメッセージを日本
生涯21本目の煙草(2009年6月12日記)
ポール・オースターという作家が好きだ。
最初に読んだのは「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」だった。 内容は、
──と、こんな感じ。
スイッチ編集部のアルバイトを始めてすぐ、仕事の暇を見つけては過去の『SWITCH』のバックナンバーを読んでいたのだが、別冊『LITERARY Switch』の3号に掲載されていた。本当にすごく短い、なんでもない話だけれど、心にじんと残る物語だった(ちな
アレワナンデスカ?(2005年12月5日記)
「恋に落ちる」という言葉について、友人が「これはきっと“fall in love”の訳語として開発された比較的新しい日本語表現なのでしょう」と書いていたので、少し調べてみた。
さすがにいつごろに翻訳されたものかはわからなかったけれど、フランス語→英語→日本語という順番で翻訳されたらしい。
しかも、ある方のコメントによれば、「fall in loveを“恋に落ちる”と訳したのは誤訳の名訳ではな