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直凪
2024年6月19日 21:29
それが愛だと言うのなら愛とは致死の毒でしょう僕のためを思ってと届けてくれた言葉ならどうかもう見放してわかってるよわかってたってできないんだ愛されて育ったあの子みたいに上手に笑いかけられないよ愛に恵まれて育った子優しく愛情深い親……という役名あなたの中では真実なのかな仮面の裏では飢えているよ都合が良いときの優しさじゃなくて媚びるための笑顔じゃなくていつも変わら
2022年11月21日 16:54
作品No. 183(11月2日)死の刃を前にした生き物は世界の喪失の予感に震える人が 故郷が 大地が 空が霧に呑まれて消え去るようにたった一人残されるその痛みと孤独の先に残された者が死者の魂の残り香と安らかな眠りを夢見るように死者もまた愛した世界の永遠と生者の命燃える明日を願うきっと作品No. 184(11月3日)辛かったって言ってもいいとか笑わせんなよ
2022年11月3日 20:14
作品No. 170(10月20日)四つ葉を摘めば私だけの幸せがかさついた手で枯れるだけならば残しておきましょういつか見つけるあなたのために根の付いたまま 生きたままそこに幸せがあることを知っただけで十分ですから作品No. 171(10月20日)「誰かに助けてほしかった」作品No. 172(10月21日)私は正しくないのです正しくないものを好きになり正しくない思
2022年10月16日 08:32
作品No. 152(10月1日)「痛む人」作品No. 153(10月1日)夕霧の森の土に蝕まれ輪廻の苗代となりたい母性作品No. 154(10月3日)もしも過去に戻されてやり直しなさいと言われたら僕は絶望で死ぬだろうやり直しても変えられはしない頑張っても同じ失敗をするだってその時の自分は精一杯にやったのだから怠けていない疲れていただけ目を逸らしたのは怯え
2022年10月1日 12:55
作品No. 134(9月1日)想い出を憑依させた石を素通りするのも何なので草を二、三本毟り捨てる五円分の労働白髪が束になり始め可愛げの無くなった孫の顔は通行料の足しになるだろうか作品No. 135(9月4日)「彼女の身体」作品No. 136(9月8日)殺菌する汚い手のひら汚い口汚い眼殺菌する体の中まで細胞の中まで全部全部私と同じDNAを持たないもの
2022年9月20日 19:45
作品No. 125(8月21日)君は言った僕がいなければ無差別殺人鬼になっていたと僕は防波堤の責任で君を守り、支え、救うと誓っただけど救いを求めない者は神様にだって救えはしない僕は神でも天使でもなく悪魔でさえなく独りぼっちの人間で君から逃げるので精一杯拗ねていないで叫んでごらんよ助けて、ってさ作品No. 126(8月22日)どうかママお外での僕を見ないでいて
2022年9月17日 19:13
作品No. 113(8月11日)それはふとした思い付きか誰かの指図を受けたのかそれとも逡巡の末なのかいきなり身近に灯った熱に私は蒸発してしまいました気体の私は散り散りになって衝突しながら逃げ道を探し雲の鎧をかき集めました貴方の熱が不意に去り私は迷いと後悔に濁る液体になり恐怖は去ったと知るのです作品No. 114(8月11日)男に興味が無いのならレズビアンに違
2022年9月7日 20:42
作品No. 99(8月1日)我慢していると人に優しくできなくなる我慢することは規範の檻を閉じ正しさの鎖を巻き纏足を誇ること檻を壊そうとする者を嫉妬し憎み排除すること飛び方も知らないのに自由の空に放り出されるのは何より怖いから我慢することは自分を嘘に塗り込めること魂を飼い殺しにすること作品No. 100(8月1日)あの頃僕は生きてなくて人肌の悪夢を食い
2022年9月5日 20:25
作品No. 83(7月1日)旅に出られるのは身体が痛くないからで本が読めるのは心に隙間があるからで人を愛せるのは愛されたことがあるからで未来が怖いのは明日が来ることを信じているから作品No. 84(7月2日)蝉の殻が腹を見せて朝のアスファルトに長い影を落としている琥珀を透かす儚い薄緑詰まったままの夢作品No. 85(7月3日)記念日は行動を起こすための口実カレ
2022年9月4日 16:51
作品No. 71(6月13日)わたしは蜘蛛の巣そばにいる巣を土台にして掛けられた同心円の網見渡す限り連なる網の雲わたしの隣にはあなた境目も無い糸のつながり突風があなたを連れ去ったわたしの一部を引き裂いてあなたが抜けた空白を勤勉な蜘蛛がちまちま埋めるいつかわたしが去るその時まで作品No. 72(6月14日)僕がいなくなった後は楽しい思い出だけ飾っていてね痛
2022年9月2日 19:33
作品No. 59(6月1日)遊びに行こうとわがままを言って心配事から君を引き離したいあれが観たいと駄々をこねて君の好きな映画を観てあれが食べたいと腕を引いて君の好きなアイスを食べて君が言えないわがままを君の代わりに叶えてあげたい作品No. 60(6月2日)平和な時人の命は何より重い狂乱の時命は容易く消えてゆく大義のために国のために家族のためにあるいは無
2022年8月31日 20:51
作品No. 46(5月21日)優しいあなたひとのためにと言葉を呑み込み心を影に溶かしたあなた自分の影に訊いてみて逐一逐一訊いてみてどう感じたの?好き? 嫌い?それはどうして?どうしたい?鬱陶しいほど何度も何度も暗い沼からすくった答えは醜く見えても大切なものあなただけのきらめく原石作品No. 47(5月23日)彼は醜いアヒルの子仲間外れのアヒルの子そ
2022年8月29日 18:01
作品No. 34(5月11日)覚悟を決め逃げ道を断ち在るべき場所に己の全てをかけて立つその人の瞳は凛と美しい作品No. 35(5月12日)相手の課題を我が事として背負うそれは一見優しくて深く美しい愛のようでもそんなこと頼んでないあなたは一人で張り切ってあなたの思う正解に私を引きずり突き進む嫌がる私を叱咤して私はそんなに無力でしょうか自分の歩む道さえ
2022年8月23日 17:35
作品No. 24(5月1日)私を定義する薄い肌は絶えず剥がれて入れ替わりかつての私は汗となり空気と混じり 散っていく拡大すれば綿飴のような分子や原子が心許なく集まっているばかり「私」も「あなた」も少し密度が濃いだけの形無き雲留まらず淀まず清く流れ行け作品No. 25(5月2日)転んで初めて気が付いた手足に鎖口に猿轡鎖は矛盾求めても得られない大