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【Open Letter】寛生とテルの往復書簡

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2020年4月の記事一覧

【往復書簡8通目】寺子屋脇には野芥子が咲いて。(2020/4/19)

【往復書簡8通目】寺子屋脇には野芥子が咲いて。(2020/4/19)

拝啓 テル様

お手紙有難うございます。テルの文章に触れると、やはり元気になります。懐かしさの安心感もあるんでしょうね。Summer Eyesに寄せて、テルは僕の耳穴から知性が溢れ流れていると指摘してくれましたが、残念ながら僕から垂れ流れているのは「脳汁」です。エリートスクールだのなんだの揶揄される西日暮里にある我が母校は、一定数の「運動会バカ」が存在しまして、詰め込んだ物理の知識で、棒倒しの棒は

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SuperMoonに寄せて

拝啓 ヒロキ様

 月が綺麗ですね、という言葉に妙な含みを持たせた人間を君は知っているでしょうか。君ほどの知性溢れる人間なら知っているでしょうね。知性が溢れて耳穴から漏れて、ハンケチで拭っている様子を何度も見ている私には分かっています。
 そう、彼の名はSummer Eyes。彼のせいで、名月は恐るべき情欲に彩られることとなりました。月の美しさを褒めることがすなわちお前と性的な関係を結びたいという

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【往復書簡6通目】入学式は、忘れられない青空でした。(2020/04/07)

【往復書簡6通目】入学式は、忘れられない青空でした。(2020/04/07)

拝啓 テル様

随分と間が空いてしまいました。気づけば桜も散りゆくほど春は深まっていますが、お元気ですか。花びらは知らずと舞いますが、僕は知らされることの多さに滅入っています。ですから、週末は何週間ぶりでしょうか、ニュースを追いかけるのを止めました。たぶん「休肝日」のような感覚です。ニュースを毎日「呑み続ける」仕事なので、おそらく「中毒」になっていたのでしょう。いやはや、少しは「酔い」が醒めました

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