Hirohiko Yano/矢野裕彦

編集者。株式会社TEXTEDIT代表。 Webでも本でも企業のPRでも、何でも編集して…

Hirohiko Yano/矢野裕彦

編集者。株式会社TEXTEDIT代表。 Webでも本でも企業のPRでも、何でも編集してカタチにします。

記事一覧

デジタルデータが思い出の形を変えていく

デジタル迷宮で迷子になりまして 第6話 YouTubeで、懐かしいテレビ番組を観ることがある。版権をクリアしているとは思えないが、結構な点数がアップされている。また、Ne…

にもかかわらず、人は誤変換し続ける

デジタル迷宮で迷子になりまして 第5話 最近では、著名人のテキストが編集者の手を経ることなく世の中に発表されることが圧倒的に多くなっている。Facebookの長文投稿やn…

こうして人々は人生を“Office”にかける

デジタル迷宮で迷子になりまして 第4話  実は、WordやExcelで仕事をするのが好きではない。マイクロソフトが嫌いだとかそういった話ではなく、常に何か効率の悪い作業を…

観なければ見えてくる テレビというギリギリの存在

デジタル迷宮で迷子になりまして 第3話  すっかりテレビを観ていない。もちろんまったく観ないわけではないが、テレビ番組を観ようとしてテレビの前に座る機会はほとん…

コミュニケーションがメールに帰って行く日

デジタル迷宮で迷子になりまして 第2話  趣味のひとつに、「ムダなメルマガの停止」がある。私はムダなメルマガやリリースの受信が好きではない。それは、メールアプリ…

編集者の苦しみは“確信犯”的に生み出される

デジタル迷宮で迷子になりまして 第1話  編集者をやっていると、原稿を書いたり編集したりしながら、どう表現するべきなのか、考えを伝えるのにこの言葉で適切なのか、…

デジタルデータが思い出の形を変えていく

デジタルデータが思い出の形を変えていく

デジタル迷宮で迷子になりまして 第6話

YouTubeで、懐かしいテレビ番組を観ることがある。版権をクリアしているとは思えないが、結構な点数がアップされている。また、NetflixやAmazonプライム・ビデオでも、懐かしい映画やアニメがズラリと並んでいる。

特にオンデマンドの動画サービスが登場してから、映像作品の視聴スタイルは変わってきた。好きな作品や何度も観たい映画はDVDを購入して入手し

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にもかかわらず、人は誤変換し続ける

にもかかわらず、人は誤変換し続ける

デジタル迷宮で迷子になりまして 第5話

最近では、著名人のテキストが編集者の手を経ることなく世の中に発表されることが圧倒的に多くなっている。Facebookの長文投稿やnoteなど、手軽に書ける場所が増えたことによってブログ文化が再興している雰囲気もある。

そんな中、目に留まるとガッカリするのが「にも関わらず」という誤記だ。どんな名文を読んでいても、この言葉が出てくると一瞬テンションが下がる。

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こうして人々は人生を“Office”にかける

こうして人々は人生を“Office”にかける

デジタル迷宮で迷子になりまして 第4話

 実は、WordやExcelで仕事をするのが好きではない。マイクロソフトが嫌いだとかそういった話ではなく、常に何か効率の悪い作業をしているような気分になるからだ。

 例えばWordを使っていても、多すぎる機能をUIが制御できていない印象を受ける。多彩な機能が搭載されているはずなのに、不勉強な私にはどこに何の機能が潜んでいるのか分からず、ちょいちょいGoo

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観なければ見えてくる テレビというギリギリの存在

観なければ見えてくる テレビというギリギリの存在

デジタル迷宮で迷子になりまして 第3話

 すっかりテレビを観ていない。もちろんまったく観ないわけではないが、テレビ番組を観ようとしてテレビの前に座る機会はほとんどなく、もう5~6年はまともに観ていないと思う。

 理由はいくつかあるが、仕事で忙しくしているうちに観る機会を逸してしまい、そのままになっているのだ。考えてみると、テレビを観るというライフスタイルは、慣れや継続性に依存していたのかもしれ

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コミュニケーションがメールに帰って行く日

コミュニケーションがメールに帰って行く日

デジタル迷宮で迷子になりまして 第2話

 趣味のひとつに、「ムダなメルマガの停止」がある。私はムダなメルマガやリリースの受信が好きではない。それは、メールアプリの通知バッジが表示されていると落ち着かないことに起因する。バッジの数字が「2」や「3」なら我慢できるが、「9」とかになると他の作業が手に付かなくなる。家族のiPhoneの通知バッジが付いていても落ち着かないので、(自覚しているが)やや病的

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編集者の苦しみは“確信犯”的に生み出される

編集者の苦しみは“確信犯”的に生み出される

デジタル迷宮で迷子になりまして 第1話

 編集者をやっていると、原稿を書いたり編集したりしながら、どう表現するべきなのか、考えを伝えるのにこの言葉で適切なのか、何度も考える。関連の文献を参考にしたり、ネット検索して言葉の使用状況を調べることも多い。言葉を扱う仕事だからこそ言葉に縛られる。私の場合、それゆえかなりの遅筆である。

 それにしても、ここ10年ほどで、さまざまな人が書き散らす言葉を目に

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