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Charleville & Currawinya National Park これが地球がベッドってやつか

こんばんは。小笠原に行く前も、無事に帰って来てからも激動の毎日です。

やることいっぱいありすぎてもう手におえてません。

いくら走っても追いつけないかもしれない。

一旦、オーストラリアのへそに向かう途中の話を今日は書かせてください。(これはそんなにうまくない。へそによせようとしてる。)

恥ずかしい。やめて。


どうも、こんばんは。みなさん、元気にお過ごしでしょうか?

最近のニュースを見てると、気分が参っちゃうことはございませんでしょうか?

ここのnoteでは少しでも明るい話を皆さんとシェア出来たらいいなぁと思ってます。カンガルーとか、星、自然の話。

欲を言えば、なんにもならない話もしたい。

こいつが届いたみんなの気持ちを少しだけ、柔らかく楽にする事はできないものだろうか。

慈悲の瞑想をしようか。

今日は黙祷をしたんだ。

本編に入る前に、旅の青年が訪れた場所の地図を貼らせてください。

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ぺたぺたっと。ありがとうございます。

noteを書いたり、読んだりできる僕達はとても恵まれているんだと思う。

Charleville & Currawinya National Park これが地球がベッドってやつか

とことん一人だったな。毎日そんなこと感じてた。それを望んでたのかもしれないね。一人じゃなきゃ出来ない事をしてたから。もっと遠く、見た事のないもの、今まで経験した事のないことをするんだ。

マウントアイザって街にはなんとなく行きたかった。

これはまだオーストラリアにも行ってない頃。日本で『地球の歩き方』を読んでいた時からぼやっと思ってたことなんだ。

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列車で行けばよかったんだけど、一回大陸の中に入っちゃってから、ヒッチハイクで行こうとしてたなんて、今では無謀だと思うけどさ、やってみたかったんだからしょうがない。

ブリスベンでの懐かしさに浸った後、また僕はローマストリートステーションまで戻ってきた。

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あの頃はここからバンダバーグに行ったんだ。英語も全然話せない状態で勢いだけでよく行ったよなって思う。困ったこともたくさんあった。でもこの時は違う。どうしたいか、伝える事も出来たし、なんでも出来る気にはなってた。

ホームには殆ど人は居ない。

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ブリスベンの街に夕日が落ちてく。今日僕はザ・ウエストランダーっていうブリスベン発の「夜行列車」の中で夜を越す。

大陸の中に入っていく頃にはもう窓の外は陽が落ちて真っ暗。街の明かりも届かない。

僕は一体どこまで行ってしまうのか。

地図に見えない道ばかり見てた。

何時間列車に乗ってたろう、たぶん12時間以上だ。旅の中でたまに時間を食い潰してる時があって、それはこの頃に集中している気がする。

進むにつれ、列車の中にはアボリジニばかりが目立つようになってくる。もちろん日本人も旅人もいない。どうしたもんか、車内にアボリジニの子供の泣き声が響く。

月が雲に霞む真夜中。列車は速度を落とし、なにやら他の列車と連結してるだろう音が聞こえてくる。僕はまた目を閉じて、眠りに着こうとしたけどぐっすりと眠れない。

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やがて朝が来て陽の光で目覚める。まだ目的地には着いていない。たまに停車する小さな駅、ひたすらに草原が広がる以外に何もない。

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最終駅チャールビルに到着した。僕はここで、カウチサーフィンで家に泊めてくれると言うギター弾きのベニを待つ。ベニは音楽が好きで、俺もカホンを持ってたし、セッション出来るかもってことで連絡したら快くオーケーしてくれた、だからここまで来た。

駅前では何人かのアボリジニの家族がいて、みんなそれぞれ迎えが来て去ってった。

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僕は一人ポツンんと駅にいる。空気は乾いてて日差しはやけに強い。

産まれて初めてこんなに海から離れたんじゃないだろうか。海をそういう風に感じたことは初めてだった。気付けばブリスベンからはもう747㎞も離れてた。何日か後の事なんて僕にはわからなかったよ。

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ベニが車で迎えに来てくれて、家に通された。一階建ての平屋で、隣にはアボリジニの夫婦が暮らしてた。

僕はロビーに荷物を置いた。ベニの家にはギターやドラムキットが置いてあった。仕事でブリスベンから来ているらしい。
ベニは簡単な説明の後、「自由にしていいぜ」ってことで、仕事に戻って行ってしまった。こういうゆるさが海外ではよくある。もう本当に信用されている。

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ベニの仕事が終わるまでは町を探検してよう。若者のあまりいない小さい町を歩く、道はやけに広く空は高い。30分もしないうちにだいたいの町の感じは掴めたから、バーに入ってビールで乾いた喉を潤した。

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町はずれにはここでも川が流れてる。茶色く濁った川。この時期、川はだんだん干からびてくるらしい。チャールビルという何もない乾いた街。サッカーボールが転がって来て、蹴り返そうとするけど、そこにはもう誰も居ない、そんな感じの町。

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町の看板には「馬を売ります」、と書かれていてシュールだった。その隣のポスターにはこの町を開拓したんだろう人達のとても古い写真があって、彼らは笑ってた。ここにも希望があったらしい。

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ベニの部屋の壁にもポスターが張ってあって、そこにはアボリジニの縄張りが細かく書いてある。オーストラリアは7つの州で構成されていると思ってたが、アボリジニの地図を見る限りでは100以上のパートに分かれてるように見える。大地や自然の変化に応じたりなんだりの彼ら独特の分け方があるらしい。深すぎてよくわからなかった。
夜は一緒に簡単な飯を食い、ビールで乾杯した。

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翌日、俺達は車でカラウィニア国立公園へと旅に出た。

ベニが運転すること約5時間。その間も俺はいろんな話を聞いたし、いろんな街を経てきたのだけれど、覚えてる事ってのはささいなことと、カンガルーが車にひかれてマジで何頭も路肩に倒れてたことくらい。

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コンクリの道から、赤土の道に変わっていく。もうここは人が住む場所じゃない。「ワイルドライフ」、まさにそれ。走っているうちに土の色が変わってくるのがわかる。それがアボリジニにとっての縄張りを著してるとか、なんだとか。

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道中の小さな町にはやたら広い敷地の中に家がポツンと建ってる。ここでどうやって生活が出来るのか、とても不思議だ。

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カラウィニア国立公園に辿り着いた。まだ日は高く出てる。

茶色く濁った川も何本か越えてきた。今日のキャンプ地まで向かう為、道なき道を車は走る。車が壊れたら俺達は死んでしまう。周りに人なんていない。

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ワニでも出てきそうな大きな川が流れててやっぱり茶色く濁ってる。

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空がむちゃくちゃ澄んで真っ青に見える。誰も居ない自由な空。誰も見た事のない雲が浮かんでる。人目に着く前に消える雲。

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国立公園の入り口に目印として置かれてる石とか、看板みたいなもんの前で写真を撮る。なんて字が書いてあるのかわからない看板もあった。風にやられて字が剥げて痛んじゃってる。年季入りすぎっていうか、人里離れすぎっていうか、誰かどうにかしてって感じ。

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そうだ、ニューサウスウェールズ州との境目にも行った、そこで半歩だけ、ニューサウス、半歩だけクイーンズランドって言う忘れらんねぇよ、な体験をした。その近くのバーでベニとマスターのおっさんとビールを飲んで語らった。雰囲気がいい所だったけど、客こねぇだろ。歴史感じるぜ。

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おっと。カンガルー跳ねてらぁ。かわいいなぁ。

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何回もどでかいタンクローリーとすれ違った。

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名前のない大きな湖を観に行ったんだけど、乾ききっちゃって何もなくて、めっちゃ気持ちのいい立ちションベンかましてやったなぁ。

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それでも不思議なことに、ちょっと離れたところには水が湧いて出てるんじゃねぇかって感じの湖があって、ベニがそこでちょっと泳いでたけど、俺は遠慮しといた。
水濁ってたし、意味が分からなかったから。ワニが出たらどうするんだよ。なんでこんなに乾ききった場所にくそでかい湖がある。しかも波まである。不思議すぎる。潮がめっちゃ強い湖らしい。鳥には最高の場所だけど、人にはあんまり良くないべよ。神聖な場所には変わりないけどな。

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そこは遠くまで地平線を見渡すことが出来る場所。

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向こうの方で、カンガルーが颯爽と跳ねてる。たまにこっちを見て、確認されてからあいつらまた跳ねてく。優雅なもんだ。人なんていない。珍しいのは俺たちの方で、ここでは人間よりもカンガルー達が住む方がいい。

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キャンプ場に着いた。さて、夕飯のバーベキューの用意だ。

ベニの車には道具が全部入ってた。俺が外で寝る用の大きな寝袋兼テントみたいな便利なのもあった。

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簡単な夕飯、バーベキューと酒。ベニはギターを弾いて、俺は持って来た「カホン」の上に座って叩いていた。

今日も又陽が落ちてく。僕等は枯れ木をたくさん集めてきて火をつけた。ちょっとしたキャンプファイアーだ。

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夜が迫ってだんだん星が出てくる。明るい部分がなくなると、夜は一層深みを増す。あたりに生えてる木がただの影になる。

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空には満天の星。僕等は寝るのが早かった。陽が落ちたら寝て、日の出とともに起きる。自然ってこういう事。

夜も深まり、真夜中に少し目が覚めた。僕は寝そべったまんま星を見上げる。風も何もない。ただ星だけがある。こんなに綺麗な星空見たことなかったなぁ。
あの時、フェリックスと旅出たウィットサンデイズでセーリングした時に海の上から見上げた星空くらい綺麗で厳かだった。

ほら、あれは一直線に動いてる、サテライト。

シーンと静まり返る国立公園。あたりには民家も明かりもない。たき火もくすぶってる。星以外の明かりがないとこんなに美しく見えるのか。虫も動物もみんな眠ってる。僕も眠ろう。地球っていうベッドの上、外で眠る気持ちよさ。あぁ俺は今生きてる。

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朝はやっぱり来てさ。空は青く澄んでる。

目が覚めた時の虫達の元気の良さったら、いままでで一番だったかもなぁ。アリとか、ハエとかイキってたなぁ。

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帰り道は少し寝ちゃったよ。5時間くらいずっと何もない道走ってんだもん。日本にいると考えられないと思うけど、マジで何もないからね。木。草原。低い木。たまにすれ違うくそでかいタンクローリー。干からびてるカンガルーの死体。車の音に気が付いて、跳ねだすカンガルーの親子。そんなんばっかり。ベニは元気にしゃべってるけど、全部拾えるわけもなく。

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おいおい俺の行きたいマウントアイザまであと千キロ以上もある。陸路やばいなぁ。超遠いよ。しかも何もないんだから嫌になる。

家に帰ってから、隣のアボリジニの家に遊びに行ったけど、家具もなけりゃ食べ物もなくて、殺風景な家だった。

あの人達は何を食ってるんだろう。不思議だ。

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それから、近くのプールにも入りに行った。むっちゃローカルの気の抜けた感じのプール。親御さんと子供達ばかり。いい年になると街から出てくわなぁそりゃ。

ハチみたいな虫が飛んできて距離を取ったプールサイド。

体はタオルで拭かなくても乾いた。

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ヒッチハイクをやってみたんだ。それで丸一日棒に振ったことがある。

俺と同じくらいの人達は真面目に黙々と働いているんだろうけど、俺は一日木陰の下でヒッチハイク、アボリジニの歯のないおっさんが止って、何か言ってんだけど意味わかんないから行けって手で追っ払ったり、パトカーが止まって注意されるのかと思ったら、カホン叩いてくれって言われて、カホン叩いてるところ撮影されたり。人生何があるのかわからない。

「タンクローリーとかが通るかもしれないから、ガソリンスタンドの方でヒッチハイクした方がいいよ」って勧められたからいってみたっけ、全然車が通らない。

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マウントアイザまで遠すぎたんだ。一日を棒に振る気分って最悪だぜ。

待ち人来ず、嫌だよ。約束もしてないし、みこみもない。誰にも気づかれないってのは辛いよなぁ。あぁ。今でもわかるよその気持ち。それでね、暗くなる前にベニの家に帰ったんだ、それでもう一泊していいか聞いた。

あと、町のグレイハウンドのチケット屋に行って、もうやけでマウントアイザまでのチケット買った。180AUSドルくらいしたんだぜ。

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おーまいがーだべ。何をやってんだって感じっしょ。頼むぜマジで、これは辛いし痛いし、バックパッカーにはたまんねーよ。

もう一生オーストラリアの大陸の中に入ってヒッチハイクをしようなんて馬鹿なことはしない。ありがとう気づかせてくれて。今度は絶対飛行機で行く。みんなもそうしな。マジで、空っぽの時間を送ることは無い。
バスの中超暇だから、東京から旭川行くような距離だぜ。「コブラツイスターズ」めっちゃ聞いてたよ。

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やれやれで翌日、辺りがまだ暗い中俺はベニの家を出て駅まで歩いて向かった。カホンにバックパック背負って「旅人」としてバスに乗り込み感傷に浸る。いつまでこんなこと続けてんだろう。

編集後記

お疲れ様でした。こうやって書いておくとまた、思い出しちゃいました。

陸路でウルルは半端じゃない。飛行機で行く事をお勧めします。

1,000キロ以上離れたところの例えだと、旭川もいいけど、今の俺だったら、小笠原って書いちゃうね。

この時も、陸路でだけど1,000キロ以上移動してたのか。ふぅ。

本当に果てしない道の途中にいてるんだなぁ。

コブラツイスターズ先輩を聞いてるあたりがかなり濃い旅を物語ってますね。Youtubeで何かあるかな。

最高だね。今、この流れで聞くともっと良い。

あの時も、この時も、ひょっとしたら今も、誰かは誰かの夢の中にいるのかもしれないし、そんなに大そうなもんじゃないけど、僕は十分に旅をしました。

ここからは恩返ししながら生活していこうと思います。

『地球の歩き方』を読んだことがある? 

海外に出る前に、日本列島を旅したんだけどさ、その時に出会った旅の人達との話が面白くて、イメージがどんどん湧いてきちゃって俺もオーストラリアに旅出たんだ。

その頃に『地球の歩き方 オーストラリア』散々読んでました。

今は、Youtubeでもいろいろと為になる話が聞けますもんね。

いろいろと大変なこともあるけれど、良い時代になったもんだと思うよ。

今回も星を見てたね。オーストラリア大陸の中で見た星も、グレートバリアリーフで見た星も言葉を飲み込むほどに美しくて、ずっと見入っていられた。

そんな満天の星を小笠原でも見た。サテライトも、流れ星も何個も見たよ。


小笠原で星を見上げている間に、いろんなことを考えていたんだ。

もちろんオーストラリアで見上げた時の事も感じてた。

そうするとさ、とてもシンプルな事に気が付いた。

俺たち毎回、同じ星を見て、同じ夜空を見上げてる。太陽も月も、角度や見え方が違えど同じのを見てる。僕たち全員さ。そこで、時間軸も気持ちもずらしてみると、俺たちが過ごしていたような夏を、きっとどこかの若者達も過ごしてんだろなって思えてくる。

ある人の上では曇ってても、誰かの上では満天の星空が見えてたりする。

その場では見えなくても、雲を突き抜けるか、見上げる場所を移動すると見えたりする。

真っ青な空の向こうにも星がある。

太陽の光で明るすぎて見えてないだけさ。


次回は、えんとつが空に突き刺さってる町、マウントアイザからお送りします。毎度、お付き合いいただきありがとうございます。

スキ、フォロー、コメント、嬉しいです。

今度、みなさんのnoteもちゃんと読みたい。
ちょっと待っててください。

それではみなさんお元気で、また会いましょう。

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