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記事一覧
お題 フィナーレを飾る花束 5000字以内
「俺たちの人生は!」
「あーちゃん! クリスマスカラスって知ってる?」
あーちゃんとは俺のこと。弟の颯が言葉を覚え始めの頃に、お兄ちゃんと教え込もうとしたのに、あとにの区別が出来なくてあーちゃんになってしまった。
それを今でも直そうとしない阿呆弟なんだ。
「何? クリスマスカラス? そんなのあるかよ! マリアカラスなら知っているぞ! はーちゃんは、マリアカラスって知ってるか?」
「マリア
2000字以内でお題に挑戦「ラッキートレイン」
ラッキートレインは走るんだ
「なぁ覚えてる?うちのさぁ」
「うちのでやめるな。お前なぁ、ったくいつも唐突なんだよ」
ぷいと横をむく弟の颯。
「膨れても仕方ないだろう。主語が無いんだから。で? 何んでしょうか? 弟君」
「あーちゃんが教えてくれた列車の話と父さんの」
小五になってもあーちゃんと呼んでくる少し幼い所を残している弟。
「ああ~あれね。はーの好きな話しだね」
「はーって言うなよ。はやて
愛は何色なんだろうか
琢磨は恋人。私の大切な恋人。
その恋人はあるものに異常な執着を見せる。
その執着は限度を超える。放って置けば何時までも……誰かに相談出来るような話ではないから余計に腹が立つ。
ましてや本人に言おうものなら、喧嘩になる……いやなれば有難い。ならないから厄介なんだ。
その話に私が少しでも触れると、落ち込みが酷い。下手したら別れ話が出る。私だってこんな事で別れるなんて絶対嫌だ。
だから様子を見ながら
お題 働く妖精の一日 2000字以内。
私は弟の創にお話を聞かせるのが大好き。創も楽しみにしている。さあ今夜も始まるよ。
✴
妖精の国ベルレーナ。
沢山ある妖精の国の中で、ここベルレーナは歌、ダンス、お芝居、ご本を作る国。今朝も妖精は一生懸命お仕事を為ているよ。
創君は木陰から見てて。
「だからこの歌はこのダンスに合わない」
「どうして? 私は良いと思うよう」
そう言うと、桃色の羽を付けた妖精が楽しそうに飛び始めた。
それを呆れ
お題クロスロードの鳥2000字以内「掴む1」「掴む俺side」
お互いの心と体が交差し、その中心にいるクロスロードの鳥を掴まえることが出来るのか?もう見ない振りして通り過ぎたくない。
あなたとは立ち止まり、見つめあいたい。そしてできることなら寄り添い同じ道を歩きたい。
なのに、決して迷うような道ではないのに。何故……私たちは交われない? 一度掴み損ねた事があなたを臆病にしている。
だから? それが何? 私は、
私であって他の誰でもないのよ。
それでもふたり
儚さは微塵も無い僕のマーメイド お題 夜明けのマーメイド 2000字以内
息子が真剣に仕事を為ている。
私にとってこの上もない喜びだ。
「蒼、上手く行ってるか?」
「上々だよ。昨日教えて貰った裾のドレープが綺麗にできた。どう?」
「うん、良い出来だよ。これならニ日はかからないな」
波華、蒼は良い職人になるよ。見てるか? 病室で私が涙した時、お前は力ない声を振り絞って
「母は太陽。夜明けから陽が沈むまで見えてるから。寂しくないよ」ってな。
見てるか……そうだよな。
「
お題 忘れられた城 第13番聖典 俺は再起出来るのか
2000字以内
目の前に何かが落ちて来た。
危ねえ! 上を見たが、そこに見えたものはどんよりした空だけ。オフィス街で物が降ってくるなんてねえよ。
俺は足元に落ちてる手帖を拾った。スマホのアラームが鳴る。
アポの時間か、これから四件の営業だ。
拾った手帖を上着のポケットに捻じこみ、俺は戦いに向かった。
「お疲れ様です。成果は?」
後輩の本木に声をかけられた。
「本木くん? 桐山だよ!四件頂きました
ただ今!バカンス為てるぞ!
今、私は南の島に来ている。
何処?何処にいるの? やかましい友がインスタで騒いでいる。
教えない! 煩いんだもん。
私は次々と海、砂浜、ホテル、街並みの写真をアップする。
ハワイだ、グアム、モルジブだと言いたい放題だ。笑える。
ライトアップされた夜のプールとカクテルなんか写真を載せれば、いい男と一緒なんでしよ。
なんて野暮なことを……聞くか?
そこはねえ、子供じゃ無いんだから。想像為てよ! もっとみる