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ショートショートのようなもの

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2000文字程度のお話しです。 それぞれに出されたお題を入れて書いたものです。 後から文字数を増やしたお話しあり。
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記事一覧

お題 墓守の腕時計 1000字以内。死体NG

お題 墓守の腕時計 1000字以内。死体NG

 決まって夏になると、縁側でボツリとボツリと話し始めるんだ。祖父はあの時代の話を。 
私は、知らない世界に這入り込むような感覚で聞いていたような記憶があった。
その日祖父は、ハンカチに包まれている何かを私の前に置き丁寧に広げた。
「古い時計だね」
「うん、爺ちゃんの宝。戦友から預かり物。爺ちゃん達のいた南の島は負け戦だった。
 ある日、朝の点呼時に見知らぬ兵士がシャベルを杖に足を引き摺りながらわし

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お題 フィナーレを飾る花束 5000字以内

お題 フィナーレを飾る花束 5000字以内

   「俺たちの人生は!」

「あーちゃん! クリスマスカラスって知ってる?」 
あーちゃんとは俺のこと。弟の颯が言葉を覚え始めの頃に、お兄ちゃんと教え込もうとしたのに、あとにの区別が出来なくてあーちゃんになってしまった。
それを今でも直そうとしない阿呆弟なんだ。
「何? クリスマスカラス? そんなのあるかよ! マリアカラスなら知っているぞ! はーちゃんは、マリアカラスって知ってるか?」
「マリア

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2000字以内でお題に挑戦「ラッキートレイン」

2000字以内でお題に挑戦「ラッキートレイン」

 ラッキートレインは走るんだ

「なぁ覚えてる?うちのさぁ」
「うちのでやめるな。お前なぁ、ったくいつも唐突なんだよ」
ぷいと横をむく弟の颯。
「膨れても仕方ないだろう。主語が無いんだから。で? 何んでしょうか? 弟君」
「あーちゃんが教えてくれた列車の話と父さんの」
小五になってもあーちゃんと呼んでくる少し幼い所を残している弟。
「ああ~あれね。はーの好きな話しだね」
「はーって言うなよ。はやて

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お題。孤島のシャボン玉2000字以内で。

お題。孤島のシャボン玉2000字以内で。


  おばちやんのシャボン玉
 
 私の五歳の娘が、大きな声で主人と歌っている。「シャボン玉の歌」だ。

シャボン飛んだ! 屋根まで飛んだぁ。屋根まで飛んで壊れて消えた。

 あぁ懐かしい歌。叔母が良く口ずさんでいた。小学一年生の私は、その歌が大好きで、何度も歌って、歌ってとせがんでいた。子供のいない叔母は、とても優しくて、私のリクエストに笑いながら答えてくれるのであった。

 ある日夏の昼下がり

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壊れたオルゴール

「一級品が手に入ります。お値打ち価格で!」
その看板に惹かれ俺は店に入った。
店の主は愛想も無く新聞を読んでいた。
商品は無造作に並べてあるようで見やすい。ふと目に止まった腕時計。ダイバーズウオッチのような大きさだ。文字盤には綺麗な石が散りばめられている。ネジは四つ。何故か無性に欲しくなった。
「すみません……これお幾らですか?」
主はチラッとこちらを見て、
「二千円。それ持ち主を選ぶから。動か無

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愛は何色なんだろうか

愛は何色なんだろうか

 琢磨は恋人。私の大切な恋人。
その恋人はあるものに異常な執着を見せる。
 その執着は限度を超える。放って置けば何時までも……誰かに相談出来るような話ではないから余計に腹が立つ。
ましてや本人に言おうものなら、喧嘩になる……いやなれば有難い。ならないから厄介なんだ。
その話に私が少しでも触れると、落ち込みが酷い。下手したら別れ話が出る。私だってこんな事で別れるなんて絶対嫌だ。
だから様子を見ながら

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お題 働く妖精の一日 2000字以内。

お題 働く妖精の一日 2000字以内。

 私は弟の創にお話を聞かせるのが大好き。創も楽しみにしている。さあ今夜も始まるよ。
✴  
 妖精の国ベルレーナ。
沢山ある妖精の国の中で、ここベルレーナは歌、ダンス、お芝居、ご本を作る国。今朝も妖精は一生懸命お仕事を為ているよ。
創君は木陰から見てて。
「だからこの歌はこのダンスに合わない」
「どうして? 私は良いと思うよう」
そう言うと、桃色の羽を付けた妖精が楽しそうに飛び始めた。
それを呆れ

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呪文

呪文

私は独り暮らしの七十代の女性だ
別に独りが寂しいとも思わない。 が、友人は違うらしく、毎晩電話が来る。話す内容は朝から夜までにあったことを延々話されても
飽きる! これを止める方法を
毎日ググっていた。
夢に出そうだね。こりゃ。

私は面白い記事を見つけていた。
好きな画像に呪文をかけると
話し相手になる! 
「しゃべる画像」
まんまだけどね。今なら無料!是非お試しください!あの子に教えてあげよう

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俺とあいつ

俺とあいつ

「2000字以内で、
始まりは
振り替えるとそこには、
終わりが
この冬の残暑は酷かった」

 振り返るとそこには一匹の犬が俺を見ていた。迷子いや迷い犬か?そんな目で見るなよ。俺は無理だからな。俺は犬猫、そう所謂ペットを飼ったことがない。
親が興味無いと、必然的に子供も疎くなる。まあ大袈裟に言えば触った記憶さえないのだ。
 見なかった事にしよう。
俺はシラッと歩き出した。
よかった! 付いて来る気

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お題クロスロードの鳥2000字以内「掴む1」「掴む俺side」

お題クロスロードの鳥2000字以内「掴む1」「掴む俺side」

 お互いの心と体が交差し、その中心にいるクロスロードの鳥を掴まえることが出来るのか?もう見ない振りして通り過ぎたくない。
 あなたとは立ち止まり、見つめあいたい。そしてできることなら寄り添い同じ道を歩きたい。
なのに、決して迷うような道ではないのに。何故……私たちは交われない? 一度掴み損ねた事があなたを臆病にしている。
だから? それが何? 私は、
私であって他の誰でもないのよ。
それでもふたり

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やっと言えた

やっと言えた

 お前の理屈で言い負かされたけど納得してない。寂しい。そりゃそうだろが、お前の温もりが恋しくて俺だって泣くんだ。
 お前の欲しい言葉が言えなくて愛想尽かして出て行った。
でもなぁ言わなきゃ駄目か。気持ちは伝わらないのか? お前が傍にいるだけで嬉しいよ。お前は? 同じだと思っていた。
 本当はこのクリスマスにプロポーズするつもりだった。
だからお前に内緒で「音声燻製」マシーンを買ったんだ。吹き込んだ

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儚さは微塵も無い僕のマーメイド お題  夜明けのマーメイド 2000字以内

儚さは微塵も無い僕のマーメイド お題  夜明けのマーメイド 2000字以内

 息子が真剣に仕事を為ている。
私にとってこの上もない喜びだ。
「蒼、上手く行ってるか?」
「上々だよ。昨日教えて貰った裾のドレープが綺麗にできた。どう?」
「うん、良い出来だよ。これならニ日はかからないな」
 波華、蒼は良い職人になるよ。見てるか? 病室で私が涙した時、お前は力ない声を振り絞って
「母は太陽。夜明けから陽が沈むまで見えてるから。寂しくないよ」ってな。
見てるか……そうだよな。

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お題 忘れられた城  第13番聖典    俺は再起出来るのか

お題 忘れられた城  第13番聖典    俺は再起出来るのか

2000字以内
 目の前に何かが落ちて来た。
危ねえ! 上を見たが、そこに見えたものはどんよりした空だけ。オフィス街で物が降ってくるなんてねえよ。
俺は足元に落ちてる手帖を拾った。スマホのアラームが鳴る。
アポの時間か、これから四件の営業だ。
拾った手帖を上着のポケットに捻じこみ、俺は戦いに向かった。
「お疲れ様です。成果は?」
後輩の本木に声をかけられた。
「本木くん? 桐山だよ!四件頂きました

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ただ今!バカンス為てるぞ!

 今、私は南の島に来ている。
何処?何処にいるの? やかましい友がインスタで騒いでいる。
 教えない! 煩いんだもん。
私は次々と海、砂浜、ホテル、街並みの写真をアップする。
ハワイだ、グアム、モルジブだと言いたい放題だ。笑える。

 ライトアップされた夜のプールとカクテルなんか写真を載せれば、いい男と一緒なんでしよ。
なんて野暮なことを……聞くか?
そこはねえ、子供じゃ無いんだから。想像為てよ!
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