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【ラノベ】a ラストティア

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【ラノベ】a ラストティア ~荒野の楽園編~ 第一章	満ちた世界と天変地異

【ラノベ】a ラストティア ~荒野の楽園編~ 第一章 満ちた世界と天変地異

ほんのり柔らかい暖かさを含んだ冷たい風が、薄く白い服がめくれ出たおなかに触れる。
―また同じ夢の続きを見ていた。
 自分が物語の主人公で、その物語は剣や魔法が使える世界で、たくさんの冒険者達がダンジョンや洞窟に踏み入れお宝探しをしながら生活をしている中で、魔王軍と戦う戦士なんかもいて・・・。その中でも自分が伝説の勇者として仲間と共に魔王を討ち滅ぼす。
 でもその物語はいっこうに完結する気配も見せず

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『aラストティア』~荒野の楽園編~ 第三章グオーレ王国 08これは何かの間違いです

『aラストティア』~荒野の楽園編~ 第三章グオーレ王国 08これは何かの間違いです

第三章グオーレ王国 08これは何かの間違いです

 優理遅いなぁ・・・・・・」
 西側の探索を済ませ、商業区で自然の恵みをペカに換金してから部屋に戻っていたカレンは、優理の帰りを待っていた。
「先にシャワー入るとするか」
 宿屋の一階に備え付けられているシャワールームに行き、衣類や髪留めを外して中に入る。コックを捻るとちゃんと温かいお湯がでてきた。一回の利用は5分までと短いが、貴重な水をこのように

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『aラストティア』~荒野の楽園編~第三章 07怪しい占い師

『aラストティア』~荒野の楽園編~第三章 07怪しい占い師

第三章グオーレ王国 07怪しい占い師

 ある程度の情報が集まったところで優理は席を立とうとした。すると
「おや、そこの兄ちゃんまだお酒が残っているじゃないか。もったいないなぁ。わしにそれ分けてくれないかい?」
 シワシワの顔に長く白い髭が顎下10センチちかくまで伸びていて、猫背で丸まった背中に長いローブを纏っているおじいちゃんが目の前の席に座り話しかけてきた。
 なんだこのじいさん、見るからに怪

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『aラストティア』~荒野の楽園編~ 第三章グオーレ王国 06情報収集

『aラストティア』~荒野の楽園編~ 第三章グオーレ王国 06情報収集

第三章グオーレ王国 06情報収集

中央の広場に着くと、グオーレ王らしき像の前でなにやら人が集まっているのが見えた。
 像の前には立て札が建てられていて、こう書いてあった。
~王子の婚約者選定の儀を行う。14歳以上20歳未満の次期王の妃になりたい者、もしくは推薦された者は明日広場にて行われる予選に参加すること。予選に通過した者は夕方より城内で行われるパーティーに出席できる権利が与えられる。奮っての

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『aラストティア』~荒野の楽園編~ 第三章グオーレ王国 05グオーレ王国

『aラストティア』~荒野の楽園編~ 第三章グオーレ王国 05グオーレ王国

第三章グオーレ王国 05グオーレ王国

「見張り番とかは居ないようね」
カレンの言うとおり、特に見張り番がいるわけでもない様子の門は、半分だけが空いている状態であった。常に半分だけ空いているのかは不明だが警戒はあまりしてないのかもしれない。人々は平然と門を出たり入ったりしている。
あれだけ大きな門のある城壁に囲まれているのに警戒が薄いのは怪しいのだが、かといって優理達がグオーレ王国に入るのに許可証

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『aラストティア』~荒野の楽園編~ 第三章グオーレ王国 04俊足な盗賊

『aラストティア』~荒野の楽園編~ 第三章グオーレ王国 04俊足な盗賊

第三章グオーレ王国 04俊足な盗賊

村を出発してから3日目の昼頃の時間。
昼食の時間も兼ねて休憩を取っていた優理とカレン。食事の時にはかならずイリィがロイヤリティのある白ベースに花柄のポットとティーカップセットを構えてカレンの横に姿勢良く立っている。
イリィのサイズ感だと人間にとって普通の大きさのポットとカップが半分くらいの大きさに感じられる。
カレンにとってティータイムは一人の時間らしく、

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『aラストティア』~荒野の楽園編~ 第三章グオーレ王国 03自然の監獄

『aラストティア』~荒野の楽園編~ 第三章グオーレ王国 03自然の監獄

03 自然の監獄

グオーレ王国に向かう道中で優理とカレンはテントの親子のような貧しい人達に何度か出会い、その度に自然の恵みを自然の楽園から取ってきて配っていた。
久々のきちんとした食事が得られて笑顔になる者も居れば、感動して泣いてしまう者もいた。かと思えばあの男のように拒むまでは無いが、皮肉を口にする者や怒る者もいた。
やっていることは同じでも捉え方や捉える人によって全然違うのは仕方が無いこと

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『aラストティア』~荒野の楽園編~ 第零章 終わりからの始まり

『aラストティア』~荒野の楽園編~ 第零章 終わりからの始まり

第零章 終わりからの始まり

【黒】煤や墨のような色・無彩色。光の反射率が0で全ての波長の光を吸収する。この色の前で人間は可視領域の全帯域で光がむらなく感得できない。つまり全ての色は、この色の前では無も同然なのである。
【白】雪のような色・無彩色。黒とは相反する位置に属し、光の反射率が100で全ての波長の光を反射する。全可視光線が乱反射した時に人間が知覚できる色。

 目の前に対峙している男は私た

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『aラストティア』~荒野の楽園編~第三章グオーレ王国 02貧しい親子

『aラストティア』~荒野の楽園編~第三章グオーレ王国 02貧しい親子

第三章グオーレ王国 02貧しい親子

それから2時間くらい経っただろうか、広い荒野を抜けごつごつした岩だらけの坂を下ったところにある谷の間の道を抜けたところで、優理達は有るものを見つけた。
「あれは、テントじゃないか?」
 谷を抜けた少し先の脇に人の住んでそうなテントが3つほど立てられていた。
 村を出てから一度たりとも人に出会うことが無かった中、始めて人の気配がしそうな場所を見つけたのだ。

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『aラストティア』~荒野の楽園編~ 第三章グオーレ王国 01ここは異世界?それとも現実?

『aラストティア』~荒野の楽園編~ 第三章グオーレ王国 01ここは異世界?それとも現実?

 第三章グオーレ王国 01ここは異世界?それとも現実?

村を出発した優理とカレンは、リングの導く先に従って荒れた荒野を進む。
リングを指にはめると微量な感触の風が指先に伝わってくる。その感じた風の方向にティアの所持者(マスター)が捕らわれているというグオーレ王国があるということにはなるが・・・・・・。
「本当にこの方向であっているのかな」
代わり映えしない風景に加え、目に見えて道だと思うような道

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『aラストティア』~荒野の楽園編~ 第二章セピア世界 10見えない鳥

『aラストティア』~荒野の楽園編~ 第二章セピア世界 10見えない鳥

第二章セピア世界 10見えない鳥

その日はもうすでに遅くなっていたので皆は次の日の作業に備えて就寝した。
きっとこの世界に来てから一番質の良い睡眠がとれたのは言うまでも無いだろう。
朝になると昨日の疲れなどもろともせずに大人達が豊穣神の種を植える土地の耕作に励む。
お昼休憩をとってから小一時間ほどして柵や収穫に必要な道具は完成した。
カレンが豊穣神の種を耕作して盛り上がった畑の真ん中に植える

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『aラストティア』~荒野の楽園編~ 第二章セピア世界 09豊穣神の種と豊穣神の花

『aラストティア』~荒野の楽園編~ 第二章セピア世界 09豊穣神の種と豊穣神の花

第二章セピア世界 09豊穣神の種と豊穣神の花

カレンと優理は自然の楽園を後にして、ヒロキチ村長の待つ村へと戻っていた。
 二人の姿を見るなり、村長は待ってましたといわんばかりに立ち上がり駆け寄る。
「いやはや、待ちくたびれましたよお二人さん。待ちすぎて皮膚がこんなになってしまいましたよ。」
 冗談めして言う村長だったが、彼が放つ言葉は全て嫌みに聞こえてくるのはなぜだろうか。
興奮して落ち着かな

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『aラストティア』~荒野の楽園編~ 第二章セピア世界 08自然の楽園に住む美少女?

第二章セピア世界 08自然の楽園に住む美少女?

中に入るとまず目についたのは、前方に見える、遙か上の方から滝のように流れる水と、それを受け止め貯水している噴水広場のようなもの。それが全体の3分の1程度を占めている。残りの3分の2程度は宝の山のように摘まれた煌びやかで艶のある美味しそうなフルーツだったり、無造作に咲き乱れる花々や植物だったりと、自然の産物が色とりどりにある。壁は大樹の中なので、カボ

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『aラストティア』~荒野の楽園編~ 第二章セピア世界 07自然の楽園

『aラストティア』~荒野の楽園編~ 第二章セピア世界 07自然の楽園

第二章セピア世界 07自然の楽園 

優理が目を覚ましたのは翌日の昼過ぎであった。
 昨日の疲れもあってぐっすり寝むれたようだ。
 んーーーっと声にならない声を出しながら腕を横に伸ばし広げると、右手に何かが当たった。
「ん?なんだろ」
 半開きの目をこすりながらそっちの方を見ると、そこには赤くさらさらした長い髪の女の子が・・・・・・。
「えっええ!なんでカレンが隣に・・・・・・」
隣で添い寝をする

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