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スープのこと。あるいは粉ミルクの秘密。
家から車で30分行ったところに、小さな民家を改築したカフェがある。
平日しか開いていないそのカフェに初めて行ったのは2年ほど前で、その時の私はペーパードライバーだったから、恋人の車に乗せてもらってお店に来たことを覚えている。
畑が広がる田舎道を左折して、さらに細い生活道路を通った先。駐車場の案内でいつも麦わら帽子をかぶった店主さんが、お店の前に立って忙しそうにしている。
「こんにちは。今日は結構ゆ
ミルクフランスのこと。
「何か」がその人にとってそれ以上の意味をもつ象徴になることがある。私の場合、富士山を見ると病気を思い出すように。夏の富士山は雲がかかってその稜線をみわたすことはできないけれど、早朝なら堂々とした佇まいを見上げることができることとか、それを病室の並ぶ廊下の突き当りで、ソファに座って眺めている母の背中とか。
さて、病気について思い出そうとすると、記憶が混濁して、散り散りになっていることに気が付く。母
呑みながら和歌について管をまくオタク。
呑むために書くのか、書くために飲むのか。
こんばんは、吞み書きです。
呑み書き、それは飲みながら書くこと、書きながら飲むこと。
サイコーにご機嫌な音楽を聴きながら、近頃の事を、ぼそぼそと愚痴っぽくひとりごとっぽく書こうと思います。誤字脱字を残すのが飲み書き、とはいえ、手癖で消しちゃうこともあるから、その辺は許してね。
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何について書こうかした。かしら。
今、発表準備をしている。和歌につ
なにもなくとも死にたいことも、ある。
死にたい貯金をためている。たまったら何になるのか知らないし、いまどれくらい溜まっているのかも知らない。
意味もなく死にたくなる、と言ったら、あなたは私を軽蔑するだろうか。
私は、人は死にたい生き物だと思っている。これは私の実体験からで、中学生以降ずっと死にたいと思いながら生きているからだ。日々、楽しいことや嬉しいことがないと言えば嘘で、でも、そういうことがあってもなお、やはり死にたいと思う日の方が
あの時、もし。(買い切りマガジン『航海日誌。』)
本記事は全文無料で読めます。
不思議と、文章が「そっちに行ってしまう」ということがある。
べつにそれを書こうとおもってるわけじゃないのに、そうなってしまう時のことだ。
私の中で、それは「人生」だったり「ガン」だったり、「バセドウ」だったりする。これは私自身じゃないけれど、≒で私自身を指していたりして、とても厄介だ。厄介で、しょうがない。
ガンが発覚してからは約十三年、バセドウが発覚してからは約十
「優しい」って、言われたくない。
まず最初に、言い訳をさせてほしい。
別に、「優しい」って言われることが嫌なわけじゃない。できれば優しくありたいし、人を不快にはさせたくないから。
じゃあいいじゃん。解散。
と、なればいいのだが、そうはならない。ならないから、困ってる。
つまり何が言いたいかというと、このnoteの目指すところは誰かを批判したりしたいわけじゃなく、私の中の自我の問題である、ということ。このことを最初にことわってお
【短編小説】クリスマスケーキ
【前書き】
とある文学賞に出して、箸にも棒にも掛からなかった短編です。
季節外れですけど、金曜の夜のお供にでも。
東京にも大阪にも行きやすい。それが名古屋のいいところで、同時に欠点だと思う。東京ディズニーランドとユニバーサルスタジオ。駅の改札前に並んだ、二つポスターをみながら、そんなことを考える。
「ひさしぶり、なに見てるの?」
気が付けば、湊が隣にいた。
「あ、ひさしぶり。いや、これ」
掲げら
音もなく舟が出て行く朝に。
よのなかを なににたとへむ あさびらき こぎいにしふねの あとな
きがごと ―沙弥満誓(『万葉集』354番)
良い歌だな、と思った。世の中への憂いや息苦しさと、朝の穏やかさが同居している。本当にいい歌だなと思う。
別に和歌の話がしたいわけじゃなくて、じゃあ何を書こうと思ったのかと聞かれると困る。年が明けてから暫くなにも書いていなかったし、なんだか書くこと以前に生きること自体に意欲が持てな
いいジャンプはいい助走からだし、いい発表資料はいい土手煮づくりからだし、そろそろnoteつかい始めて一年なのでまじめにどうでもいい記事とか書いても許されるんとちゃうんかっていうあれ。
発表資料を作りたくない。作りたくなさ過ぎて吐きそうである。
ちなみに私が最後に吐しゃ物をぶちまけたのは、全身麻酔の手術後、無理に立たされたときである。緑色だった。あれから自分のことを宇宙人かもしれないと思いながら生きている。
だいたい、一回の発表のインターバルが二週間ってなんだ。発表終わったらボコスカに言われた影響でこちとら一週間くらい休みたいんじゃ。「体力ないです」っていう人の「体力のなさ」