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トリミングダイアリー

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日々の雑記を、ざっくりと書くエッセイ。人生の上澄みの綺麗なところをトリミングしたもの。それにしては地味。
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記事一覧

葉先に雫が実るように。

部屋にポトスのこけ玉がある。 彼が部屋へ来たのは、もう半年近く前のこと。苗は百円均一で入…

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全部全部、私の人生の一部だから。

一つの事に専念して、なにかに集中できることがいいとされている。 だけれども、どうにも私に…

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虹色のスープカレーを一杯。(cocan体験記)

「交換」と「共に(co)できる(can)」で、cocan。 cocanはちょっとした出来ることを互いに交…

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割れた中には。

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休日に姉の家でバインミーを食べる。

『ひま?』 LINEの通知が画面上に映る。相手は姉。 タップして、トークルームを開いた。 『そ…

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スマホを忘れて、ノートを買った。

病院の予約は十二時からだったが、家族の都合で九時には地元の駅のスタバにいた。 注文したカ…

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壊れた掃除機と経過した日々のこと。

毎週月曜と金曜は掃除機掛けの日になっている。朝ご飯を先日焼いたスコーンとワッフルで済ませ、暑くならないうちにと、掃除機を取り出した。リビングの椅子を廊下へと運び出し、キッチンとリビングに掃除機をかける。 しかし困ったことに、かけ始めてすぐに掃除機がおかしな音を立てだした。まるで、空回りするような弱弱しい音。不思議に思ってブラシ部分を覗いてみると、回転していない。さてはゴミが詰まったかと、あらゆる部品を解体し、巻きついた髪の毛やほこりを掻き出してやる。さあ、うごけ。そう願いな

梅雨の晴れ間、祖父の畑。

 ここひと月ほど、祖父の体調が芳しくない。  今年の秋に米寿を控えている祖父は、考えて見…

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藍と祖母と待つということ。

どちらかといえば短気で粗雑。丁寧とは無縁の、やりっぱなし人間。構いすぎたり、ほっときすぎ…

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夢中の足音。

『恋に落ちる音』がどんな音か。 そんな話題を目にしたのは、たしかツイッターで回ってきたRT…

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枕元に草花を

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祖母の庭には、いつだって綺麗な花が咲く。

高齢の祖父母と同居している。我が家はいわゆる二世帯住宅だ。 私たち三姉弟は、祖父母に育て…

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キッチンの片隅の異国。

スパイスが好きだ。 エキゾチックで、刺激的な香りの数々。ときに甘く、辛く、さわやかで、少…

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ひさかたの光のどけき

午後二時ごろ、ちかくのスーパーに買い物へと行こうと思い立つ。 お気に入りのチェックのシャツに、厚手のカーディガンを手に取ってから、はたと気が付いた。そういえば、今朝洗濯物をベランダに干した時、ちつとも寒さを感じなかった。 もう一度、ベランダへと出てみる。 ああ、やはり。そうとう温かい。 ベランダから見下ろした祖母の庭も、いよいよという顔で春の蕾を膨らませている。 カーディガンをクローゼットへと戻し、春用のカーキのジャケットをひっかけて外へと出た。   〇 スーパーへ