文学青年

ちいさこべのスガルは困難を乗り越えるか

リーダーとなるべき人間が失言をしたり、汚職をしたり、忖度したり、部下を見捨てたり、権力に任せて好き勝手やったり。

そんなことはいつの時代も変わらないのかもしれないけど、自分が歳をとるにつれ、そんなクソみたいなことが自分の周りでも起きていることに気づき、自分もそれに巻き込まれたりしていることに気づく。

そういったことはシステム化される。弱きから搾取し一部の者たちで好き放題するシステム。欲望人

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南仏に隠遁した文豪はメフィストフェレスだったのか?(園部哲)

「園部哲のイギリス通信」第7回
"The Devil's Own Work"(悪魔の作品) by Alan Judd(アラン・ジャッド) 1991年出版

1946年生まれの著者は寡作だけれども文学的伝記からスパイ小説までと執筆ジャンルは幅広い。本書はそのなかでも「文学的」な存在でかつ最も短い作品だ。短編小説と中編のあいだに位置する「ノヴェラ形式」といえよう。

辛辣な書評を機に変移する「私」と友

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これ積ん読!
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蛭子さんという漫画家について

食べていくために書く。養っていくために書く。

何を書いて食べていくのか。何を書いて養っていくのか。

蛭子能収さんはイラストと漫画を描きまくって家族を養った。漫画やイラストの内容やテレビでのキャラクターはさておき、重要なのは蛭子さんがその仕事で家族を養ってきたことだと個人的には思う。

『地獄に落ちた教師ども』『サラリーマン危機一髪』『私はバカになりたい』『私の彼は意味がない』『死んでも笑

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エッセイ 私の小説の書き方㊾ 馬鹿馬鹿しく単純な作戦を思い付いた。作家になる方法。

☆写真はカルガリー・フィルハーモニック・オーケストラのポスター

ここんとこ、YouTubeその他で創作講座をよく観ていて、本当にためになっている。何度か御紹介した、作家の鈴木輝一郎先生には本当にお世話になっております。一方的ですが感謝申し上げます。

それでまあ、あれからも小説の書き方を教えている色々な作家の方を知ったのですが、その中に中年の魅力がグッとある、私が性的妄想大爆発させてる人がいて、

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美しい物語を読んで真夜中にみんなで泣こうぜ。『すべて真夜中の恋人たち』

美しい文章はどうやって生まれるのだろう。美しい物語はどうやって生まれるのだろう。
美しい人間はどうやって生まれるのだろう。おそらく「美しくあろうとすること」から生まれるのだと僕は思う。

「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う。」(本文より引用)

こんな冒頭で始まる川上未映子『すべて真夜中の恋人たち』は最高に美しい物語だ。どれだけ最高かと言えば、最後の数ページで涙が止まらなくなるく

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春の小話『坊っちゃん』

春の訪れを感じさせるハガキが届いた。こちらは桜が満開です、とのこと。ハガキの半分は写真で、満開の桜の木の下に女が一人で立っていた。満面の笑みだったが、まったく知らない20歳過ぎくらいの女だった。

妻や子どもに見られては誤解を招いてしまう。僕はとっさにそのハガキをポケットにしまい込んだ。

送付先を間違ったに違いないので、隠す必要はないが、それにしてもこの女が本当に知らない女なのかはちゃんと確

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夏目漱石すごすぎ。マジ卍。

夏目漱石といえば元千円札紙幣の人である。日本を代表する文豪で、代表作は『吾輩は猫である』である。

「吾輩は猫である、名前はまだない。」

この冒頭はあまりに知られ過ぎている。だから、読んでもいないのに、読んだ気になっている人もいるかもしれない。

冒頭の文章における世界観や言葉のチョイスが秀逸すぎて、読了していないにもかかわらず、その文学世界を勝手に想像し、勝手に満足してしまい、読んだ気に

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妖怪繚乱の島、台湾(倉本知明)

「倉本知明の台湾通信」第2回
『妖怪台湾:三百年島嶼奇幻誌 妖鬼神遊巻』
著:何敬尭  画:張季雅 2017年1月出版

いま、台湾では妖怪が熱い。母親に化けた虎が幼い姉妹を騙して食い殺そうとする「虎姑婆(フゥグゥポー)」に、人間の姉妹を娶った蛇の化身「蛇郎君(シェランジュン)」、あるいは地中深くに暮らして地震を引き起こす「地牛(ディニウ)」など、日本では馴染みのない妖怪たちが、九州ほどの大きさし

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うれしいです! 今後とも「翻訳書ときどき洋書」をよろしくお願いします。
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太宰好き??僕は好き

世の中には沢山の太宰ファンがいる。僕もその中の一人だ。しかし、太宰ファンの中には初期が好き、中期が好き、後期が好き、明るい話が好き、暗い話が好きなどなど、いつの時期の太宰のどんな話が好きなのかは、それぞれで当然違っている。

しかし、そういったことは太宰好きの皆さんが集まるコミュニティで熱く話し合い、お互いの太宰愛について理解を深め、お互いの太宰愛を認め合う素晴らしい時間を過ごせばいいと思う。

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【ブックレビュー】藤本タツキ『ファイアパンチ』は『アンパンマン』からインスパイアされた??

カリバリズム、性同一性障害、兄妹愛、グロ、カメラを止めるな、などなど色んな要素が入ったこの漫画は藤本タツキ『ファイアパンチ』。

作者のインタビューを読んだのだが、『アンパンマン』が困っている人に自分の顔を分け与えることからインスピレーションを受け、この漫画は描かれたそう。

物語の冒頭、腕を斧で切り落とし、それを布に包んで村人達に配る兄妹が出てくる。腕を切り落とされるのは兄。彼が漫画『ファイ

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