くみこは強い けんかも強い 顔も怖い くみこのお弁当はかわいい くみこは話しやすい くみこは仲間を大事にする 先生に怒られて不貞腐れてるくみこは そのまま仲間たちと途中で帰っちゃった そんなくみこもしびれるぜ わたしもくみこみたいな青春をやってみたかった 先輩と付き合ったり 別れたり… 今頃は アイラインの引き方もうまくなって お母さんでもしてるのかな 正義感の強いくみこ きっとかわいいお弁当つくってるね ・ ・ ・ ・ ・ 萌
その点はその青のため その線はその形のため きみが泣いていること わたしが悲しいこと あなたが寂しいこと ぜんぶ、ぜんぶ に意味がある ひとつひとつをすくい上げて わたしはそれを飲み込む 胸の中で名もなき色たちが輝いている 点も線も色も重なって もう大丈夫だよとキラキラわらう 君も わたしも あなたも ここにいるでしょう いつもの丘 いつもの湖 いつもの雲 当たり前のように それぞれがそれぞれの体をなして 安心して わたしはそっと目を開けるんだ 萌
私は絵が好きだ。 でも、その対象になる作品は限定される。タイムラインに流れては消えてく中でピンポイントで“これは良い”と言える作品に出会ったりもするが、大抵私の好きな絵の言えば自分の絵なのである。 私の制作にはこれと言ったコンセプトがない。 私はいつも揺らいでる。不安と憂鬱の真っ只中でぷかぷか大航海中だ。 果たして私は私であるのか。 私は別の私に生まれ変わるのではないか。 本当の私はどこにいるのか。 不安定な自分が辿り着く先がどこなのか。私はいつもそんなふうに考えている。考え
いま安心に思う事 Kくんと連絡が取れた事 彼は仕事をしていて 忙しくて電話も出られなかったみたい 何が悪い予感がしたけれど 気のせいだった Kくんは夕方が似合う 何年も前のあの日も夕方だったからかもしれない わたしは若いころ、 彼のその儚げなところに惹かれて絵画モデルを頼んだことがあるが 『恥ずかしいから』 と、もう何度も断られている わたしは今夕方の気分 もう1日終わる安心感 彼もわたしもそれぞれの道 ・ ・ ・ 萌
どうしてわたしはいつも こうも文系の青年に恋してしまうのか 私の出会った文系の青年は 雨のあがった空を見上げるし おっちょこちょいだし 私の絵を評論しはじめるし 最後はその絵を褒めて 君はすごいと言う 理系青年は 彼がずっと株価を気にしていた 誤解を招かぬよう言うと わたしには理系青年と株の間に なんの関係があるのかわからない ただ、その時の彼がそうだったという話 それでわたしが ねえ、なにしてるの?としつこく聞いたら うるせえ!お前のせいで500万損した!
文学青年のKくんは四川料理が大好きで部屋中スパイスだらけだ。 Kくんは宮沢賢治の末裔で小説ばかり書いていた。 Kくんはドラムも叩ける。作詞作曲も。ライブを見に行ったこともある。まだ彼のCDも持ってる。後で聴こう。 そんなかっこいいKくんとはいつしか連絡が途絶えた わたしがわるかったと思う 何がと言われると、わからないけれど 最後に会った日のKくんは髪が長かった。宮沢賢治みたいに帽子をかぶっていた 今はもう、どこにいるかもわからない ・ ・ ・ 萌
わたしはウチの植物と会話できます 植物と暮らしている人ならだいたいそうだと思うけど 蘇鉄は きょうは暑くてかなわんかなわん。葉水をくれ 牡丹玉は もう数十年生きてきて受粉したことが1度もないと文句を言う フィランサスミラビリスは 今日も調子が良いわ ありがとう なんて手を振るし 植物、それを植物と呼ぶのが嫌いなのでどうしようかと考えていた なにがよいか… そうだ ‘’わがままもの‘’だ あのひとたちは 水をあげないと大きくならないし 太陽にあてないと紅葉もしれ
大丈夫?ねえ大丈夫?大丈夫?大丈夫ですかー?大丈夫?ねえ大丈夫?… いつもの幻聴だ。 僕は青空にじわりと滲んだ電信柱に恋していた。 君なんて居ない世界で 僕が生きるか死ぬか選択している時。 ごめんなさいお母さん ごめんなさい こんな親不孝な娘で アイスの実もスイカバーもとっくに食ったっつーの・・・たぶん、頭の中で さようならみんな 次の夏に会おう ・ ・ ・ 萌
不条理な世の中や人たちが残念ながら絶対いる。私が出会ったのは人の言葉を言葉として理解しようとしない人。上司の言うことしか守れず自分の意見を言えない人。人を見下す人。 わたしは周りの空気を読んで、いけないことをいけないと言えない人が大嫌いだ。 わたしを奮い立たせる このくそったれ わたしはやる。
早朝、散歩をしてる 道端の小石はいつかのあいつへ蹴る スズメの群れが不思議そうに 見下ろしてる 僕は煙草を吸わない 吸わないけど煙草を買う 青色のパッケージに先住民風のイラスト まずいかそうじゃないかは それしか吸ったことしかないのでわからない 煙草に火をつけてふかすと 僕が消えてなくなりそうな気がした 煙になって 空気になって いつかのあいつみたいだね 僕のワンピースは草花柄 くるくる回るとふわっと煙草のにおいがする ふわりふわり 僕はまた石を蹴った サ
わたしは昔から人嫌いで 皆が群れて行動する中 いつからか1人で行動するようになった 人は わたしが嘘つきだとか秘密をばらすだの言う ・ ・ ・ 間違いでは無い わたしは嘘つきだし秘密をすぐにばらす わたしはそれを悪いと思ったことがほとんど無い みんなで共有しようよ なんてこんな気持ちの悪い言葉は使わない 中学、わたしは好きな男子がいた 無論、わたしは嫌われ者で男子と同じ通学路で帰ってくれる女子は皆無だった 『花粉症だからやだ。そっちは杉の木がいっぱいあるから』 わたし
愛を 太陽を 幸せを 頼りないわたしで今日も わたしをあたためつつ 少しだけ一歩ふみだす 愛も 太陽も 幸せも 頼りない私の中に今日も だれかのためにわたしでいたい 少しだけほっと一息 ・・・ 萌
オレンジの香りは癒しの香り あたたかい太陽さんさんと浴びた 甘酸っぱくてゆたかな香り いつか話したあの子のように まぁるくて、ぽかぽかで、優しくて オレンジの香りは優しさの香り ・・・ 萌
テーブルに無造作に置かれた林檎が 憂鬱そうで、とても美しい ひとつだけ残った、林檎 憂鬱と不安、わたしの抱えてきたもの ぎゅっと凝縮して、甘酸っぱい林檎にして ・・・ 萌