君塚直隆

【書評】君塚直隆『王室外交物語』(光文社、2021年)

【書評】君塚直隆『王室外交物語』(光文社、2021年)

去る3月17日、君塚直隆先生のご新著『王室外交物語』(光文社、2021年)が刊行されました。 「人類にとって外交とはそもそも王様同士の付き合いから始まったものではないか」という視点に基づく本書は、紀元前14世紀の古代中東から現在の王室外交のあり方までを通覧します。 当事者が対等な関係に基づいて相互に対等性を認めることが外交の第一歩であり、大国が周辺国を従える状況では外交は生まれないという指摘(本書26-27頁)は、本書の根幹をなす考えです。 この考えが説得的であることは

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君塚直隆先生、126代続く天皇とは何ですか?

君塚直隆先生、126代続く天皇とは何ですか?

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 君塚直隆先生、126代続く天皇とは何ですか?──5月31日の有識者会議「レジュメ+議事録」を読む 1 (令和3年6月27日、日曜日) ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 今日から、5月31日に開かれた有識者ヒアリングの議事録を、読むことにします。 一番手は君塚直隆・関東学院大学教授です。君塚氏は、ヒアリングで自己紹介しているように、専門はイギリス政治外交史あるいはヨ

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週3日、休んでいいですか?

週3日、休んでいいですか?

 その起源を辿れば1965年に松下幸之助が導入し、今では一般的となった「週休2日制」。週休1日文化を打ち壊し、「一日休養、一日教養」という指針を打ち出した松下は、社員の自主的な学びと成長を重んじたという。「週休2日制」は教養を高めることを重視して始まった。  それから五十と余年、ついに「週休3日制」の導入が一部の企業で始まった。副業解禁と併せて、一つの仕事に囚われない、働き手の自由を実現しようとするものだ。週5日間、朝から晩まで会社に拘束される従来の社会人の在り方は、いま大

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エリザベス女王はメーガン妃を許さない――電撃的な結婚は電撃的な悲劇で終わる

エリザベス女王はメーガン妃を許さない――電撃的な結婚は電撃的な悲劇で終わる

涙の告白にウィリアム王子は反発。黒人差別は本当なのか。/文・君塚直隆(関東学院大学教授) <summary> ▶アメリカのCBSテレビのハリー王子とメーガン夫人の2時間に及ぶインタビューが放映される前に何が起きていたか。これが今回の「告白」を読み解くポイント ▶女王や王族が人種差別的な発言をするとは思えない。というのも現在の王室メンバーは人種差別とは最も遠い存在だから ▶王室が果たしてきた大きな役割を知る国民にしてみれば、2人の王室離脱は「公務の放棄」に見えた。だからこそ、

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エリザベス女王の巧みな宮廷外交手腕とは!? 君塚直隆『王室外交物語』第4章の一部を特別公開!

エリザベス女王の巧みな宮廷外交手腕とは!? 君塚直隆『王室外交物語』第4章の一部を特別公開!

『立憲君主制の現在』(新潮選書)でサントリー学芸賞を受賞、『エリザベス女王』(中公新書)で新書大賞2021に入賞、イギリス王室やヨーロッパ国際政治史などに関する数々の著作で人気の君塚直隆氏が、新刊『カラー版 王室外交物語』(光文社新書)を刊行いたしました。物語は紀元前14世紀から21世紀までの3500年におよび、舞台も中東、アジア、ヨーロッパ、そして日本と壮大に巡ります。さらにカラーの写真、資料、地図も満載の贅沢な1冊です。ここでは特別に、「第4章 エリザベス2世の王室外交」

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ワインの噴水、数千頭の羊肉…「金襴の野の会見」とは!? 君塚直隆『王室外交物語』第3章を特別公開!

ワインの噴水、数千頭の羊肉…「金襴の野の会見」とは!? 君塚直隆『王室外交物語』第3章を特別公開!

『立憲君主制の現在』(新潮選書)でサントリー学芸賞を受賞、『エリザベス女王』(中公新書)で新書大賞2021に入賞、イギリス王室やヨーロッパ国際政治史などに関する数々の著作で人気の君塚直隆氏が、新刊『カラー版 王室外交物語』(光文社新書)を刊行いたしました。物語は紀元前14世紀から21世紀までの3500年におよび、舞台も中東、アジア、ヨーロッパ、そして日本と壮大に巡ります。さらにカラーの写真、資料、地図も満載の贅沢な1冊です。ここでは特別に、「第3章 宮廷外交の黄金時代――15

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『カラー版 王室外交物語』(君塚直隆著)の「はじめに」を特別公開!

『カラー版 王室外交物語』(君塚直隆著)の「はじめに」を特別公開!

『立憲君主制の現在』(新潮選書)でサントリー学芸賞を受賞、『エリザベス女王』(中公新書)で新書大賞2021に入賞、イギリス王室やヨーロッパ国際政治史などに関する数々の著作で人気の君塚直隆氏が、新刊『カラー版 王室外交物語』(光文社新書)を刊行いたしました。物語は紀元前14世紀から21世紀までの3500年におよび、舞台も中東、アジア、ヨーロッパ、そして日本と壮大に巡ります。さらにカラーの写真、資料、地図も満載の贅沢な1冊です。ここでは特別に、「はじめに」と「目次」を公開いたしま

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【書評】君塚直隆『エリザベス女王』(中央公論新社、2020年)

【書評】君塚直隆『エリザベス女王』(中央公論新社、2020年)

去る2月25日(火)、君塚直隆先生のご新著『エリザベス女王』(中央公論新社、2020年)が刊行されました。 『エリザベス女王』は、『パクス・ブリタニカのイギリス外交』(有斐閣、2010年)、『物語 イギリスの歴史』上下巻(中央公論新社、2015年)、『立憲君主制の現在』(新潮社、2018年)など、英国の政治史や英国史に関する著作などを上梓してきた著者が初めて取り組んだ、現存する人物の評伝です。 本書で取り上げる「エリザベス女王」はアルマダの海戦でスペインの無敵艦隊を破り、

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天皇家には王族同士のお付き合いがある件

天皇家には王族同士のお付き合いがある件

▼前号では、天皇の妻が払う犠牲は想像を絶する件をメモした。 いま少年である男性が、将来、天皇の座に就く際、結婚相手の女性にかかるプレッシャーは尋常ではない。それは現代の日本社会特有の事情に拠っていて、普遍的なものではない。 このことは少し考えれば誰でもわかることだが、ほとんど話題にならない。 ▼今号では、天皇の長女の話。「中央公論」の2019年5月号から。その前に、放送大学教授の原武史氏(日本政治思想史)の指摘。 〈(天皇について)国民がこれだけ圧倒的に支持をしている

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民主主義の欠点を補完する制度!?〜『立憲君主制の現在』

民主主義の欠点を補完する制度!?〜『立憲君主制の現在』

◆君塚直隆著『立憲君主制の現在 日本人は「象徴天皇」を維持できるか』 出版社:新潮社 発売時期:2018年2月 21世紀の世界では「時代遅れ」とみなされることの多い君主制。それでも日本や英国をはじめ、北欧、ベネルクス諸国など世界43ヵ国で維持されています。君主制はかつての絶対君主制から立憲君主制にバージョンアップすることによって今日まで生き延びてきました。本書ではその歴史を検証しています。その作業は日本の象徴天皇制を再考するうえで多くの示唆を与えてくれるに違いありません。

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