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天皇家には王族同士のお付き合いがある件

▼前号では、天皇の妻が払う犠牲は想像を絶する件をメモした。

いま少年である男性が、将来、天皇の座に就く際、結婚相手の女性にかかるプレッシャーは尋常ではない。それは現代の日本社会特有の事情に拠っていて、普遍的なものではない。

このことは少し考えれば誰でもわかることだが、ほとんど話題にならない。

▼今号では、天皇の長女の話。「中央公論」の2019年5月号から。その前に、放送大学教授の原武史氏(日本政治思想史)の指摘。

〈(天皇について)国民がこれだけ圧倒的に支持をしているのは、万世一系イデオロギーを信奉しているからではなく、とりわけ3・11以降、被災地を訪れる天皇と皇后の姿がしばしば報道されるなど、露出度が上がったからです。それは河西さんがいま絶版になっている『明仁天皇と戦後日本』(洋泉社新書)で分析された通りです。〉

つまり「天皇のメディアの露出が増えた」ことが、「天皇の支持が増えた」最大の要因だという。「露出」が「支持」に直結するわけだ。これは小泉政権の時、小泉純一郎総理大臣の支持率で実証された話でもある。

▼関東学院大学教授の君塚直隆氏(近現代イギリス政治外交史)。

愛子さまが2001年生まれですよね。同い年のベルギーのエリザベート王女、二つ下のオランダのカタリナ=アマリア王女、さらに一つ下のノルウェーのイングリッド・アレクサンドラ王女、さらに一つ下のスペインのレオノール王女、全員、女王になるんです。それに先だって、スウェーデンには「ヴィクトリア女王(1977年生まれ)も誕生する。

ヨーロッパではイギリスとデンマーク以外はほぼ、同世代は女王になる。相当先の話なのでそこまでは待っていられませんが、愛子さまと同世代の人が女王になっていく、という事実もあるわけです。〉

▼これは知らなかった。王族同士のお付き合いも当然あるわけだ。王族を擁する現代国家のなかで、日本は極めて特殊なお国柄であることがわかる。

日本の「国書」の価値から、天皇家の女性の未来まで、いろいろなことがスルーされたおめでたい「改元」だった。

(2019年5月19日)

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