山本みずき

慶應大学戦略構想センター特任助教。専門は政治学(イギリス政治史)。主に政治的急進主義と…

山本みずき

慶應大学戦略構想センター特任助教。専門は政治学(イギリス政治史)。主に政治的急進主義とそれに対するインテリジェンスの役割を研究。共編著に『国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ』(吉田書店)。ここでは日経COMEMOの記事を書いています。趣味は生け花、聖獣との戯れ。

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  • 日経COMEMO

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    日経COMEMOは、様々な分野から厳選した新しい時代のリーダーたちが、社会に思うこと、専門領域の知見などを投稿するサービスです。 【noteで投稿されている方へ】 #COMEMOがついた投稿を日々COMEMOスタッフが巡回し、COMEMOマガジンや日経電子版でご紹介させていただきます。「書けば、つながる」をスローガンに、より多くのビジネスパーソンが発信し、つながり、ビジネスシーンを活性化する世界を創っていきたいと思います。 https://bit.ly/2EbuxaF

  • カフェ巡り

    読書するのにちょうどいい、静かで、景色が良くて、美味しい珈琲が飲める、あまり知られていないカフェのメモ。行きつけのカフェは内緒ですが…

  • 小さなアトリエ

    これまで手掛けた作品のメモ。生花や絵画など。マガジンのカバー写真も自分で描いています。

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一億総表現者時代に、作家の居場所はあるのか?

 私は政治学を専攻する院生であり、普段は学術的な文章を書く世界に身を置いている。今月から日経COMEMOのキーオピニオンリーダーに選んでいただき、noteに文章を綴ることになった。  かつてSNSもない頃は、書籍や新聞が文章を読者に届ける媒体であり、文筆の世界に憧れる者は「物書きのはしくれ」を自称して研鑽を積むような時代だった。言葉を紡ぐことにそれなりの重みがあったと思う。だが今では「売文の徒」という言葉もあまり聞かない。  やがて時代は変わり、誰もが文章を発信できる社会

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      2021年の作品

      • 明日視力を失ったら

        全盲と一口に言っても、生まれながらに目の見えない人間と、それまで体に何の不具合もなく人生を送ってきた人間が突然光を失うのとでは、その苦しみは全く違った性質を伴う。 私の祖父は62歳で失明した。緑内障と白内障が同時に進行し、当時の医療技術では手の施しようがなかった。 若い頃の祖父は大変活発な人で、戦前に大学を出た後、地元で教鞭をとる傍ら乗馬やスキーに親しんだ。少しバタ臭い顔立ちで、いつも190センチ近い高身長にぴったり設えられた背広を着こなし、独特の雰囲気を持っていた。実家

        • 週3日、休んでいいですか?

           その起源を辿れば1965年に松下幸之助が導入し、今では一般的となった「週休2日制」。週休1日文化を打ち壊し、「一日休養、一日教養」という指針を打ち出した松下は、社員の自主的な学びと成長を重んじたという。「週休2日制」は教養を高めることを重視して始まった。  それから五十と余年、ついに「週休3日制」の導入が一部の企業で始まった。副業解禁と併せて、一つの仕事に囚われない、働き手の自由を実現しようとするものだ。週5日間、朝から晩まで会社に拘束される従来の社会人の在り方は、いま大

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        記事

          政治学が何の役に立つのか

          最近ツイッターで「政治学がなんの役に立つのだ」「文系の学問がなんの役に立つのだ」と言われたことに、憤慨するツイートをよく目にするのですが、個人的にはその類の話が出てくると高畠通敏先生の『政治学への道案内』の傑作序文「政治学は何の役に立つ?」が思い出されてくすっと笑ってしまう。二年ぶりに本棚から取り出して読み直したけど、改めて面白い。 「われわれを取り巻く人間環境を『状況』として全体的に把握し、そこから逃避するのではなく、これを『人間の条件』として受け入れながら、なおかつ、『

          政治学が何の役に立つのか

          人間は虫螻となった

           この絵は私が中学生の頃にフェルナン・レジェの絵を紙皿に模写したもので、部屋の整理をしていたところ久しぶりに再会しました。世界の名画が収録された本の中から当時の私を捉えたのがレジェのこの「トランプ遊び」という題名の絵でした。「なぜ人間が機械になっているんだろう」と不思議に思い、このぐちゃぐちゃに荒らされた空間を紙皿に再現したのです。美術的なセンスも技術もありませんので、雑な模写ですが。  そして10年ぶりにこの絵をみて、恐らくこれは第一次世界大戦の総力戦に駆り出された人間か

          人間は虫螻となった