記事一覧

土曜日のぶらんち

ちょっと曇りで、ちょうどいい 風もふんわり吹いてきて 目の前を歩いてゆくスズメ パンのはしっこ投げてみた …気づかないのかな? …ケーカイしてるのかな? ちょっと曇…

ひろ
11日前
9

ためいき

すべては、 わたしのせいです、と 静寂の中 彼女は言った その微笑みは 誰に向けられたものなのか 彼女の抱える 哀しみは、 彼女の精神を 当然のように 刻一刻と すり減ら…

ひろ
3週間前
14

文学少女

『アンネの日記』のページを ゆっくりとめくりたかっただけ なにしろ、 初めて手にした 可愛い紅色の 布貼りの装丁だったから

ひろ
4週間前
10

小さな旅路

小さな旅を想うには あまりにも悲しみが大きすぎて 遥かなる旅に想いを馳せる それは 何処かに、心のありかを 見出だせるのかもしれないような 明日に夢を感じられた頃のよ…

ひろ
1か月前
18

ひとときの空

鳩が鳴いているのか それとも、 君の母君が泣いているのか 悲しみは慈しみ 苦しみは癒し キラメク 煌めいてゆく 包まれている 穏やかな波のように 届けられた あなたの…

ひろ
2か月前
16

あなたの優しさ

もう、これ以上 何もできない この、傷ついた心で 何ができると いうのでしょうか あなたの 苦しみにユレル指先 それなら、なぜ ここに、 あなたの優しさに癒されてゆく …

ひろ
2か月前
9

もうひとつの道

そこに、君がいる 見えるよ、君の笑顔が 風の中の歌のように きこえるよ、君の声が どちらが夢の中なのか わたしにはわからない 君の声が 聞きたくて 君が大好きな歌を …

ひろ
2か月前
15

君に会えた

君に会えた 君に会えた 君に会えた

ひろ
2か月前
12

一本のバゲットの味

そういえば、 建物を描くことが 好きだった 幼い頃から親しんだ 天守閣を描いた 無口な祖父が 外壁の直線を誉めてくれた 横を通りすぎるたび 見おろされていた 朱色の大…

ひろ
3か月前
22

静かに抱く

彼女が、いつも くまのぬいぐるみを 抱いているのは 決して、 ぬいぐるみ好きな訳ではありません 彼女は、 両腕で抱きしめます 大切なひとのもとにいた その、くまのぬい…

ひろ
3か月前
12

君にアイタイ

どうやって、知ればいい どうやって、学べばいい どうやって、愛せばいい

ひろ
3か月前
8

この時

昔、一緒に絵本を読んで 同じ心で泣いたように 今、ここで 同じ心で、一緒にいようね

ひろ
3か月前
8

届いたのは、三日前

三日前に届いていた 封を解く 先月の予告通りの 単行本、一冊 表紙を開くと 印字の余白に 懐かしい手書きの文字 『元気を出して』 元気の欠片すら 見つけられない 今の私…

ひろ
4か月前
11

切手のパッチワーク

友よ、 許してくれると 信じているよ DEAR MY FRIEND Look at these stamps They look like patchwork, don't they?

ひろ
5か月前
28

新幹線が走り出す直前に

君が泣きだしたから 思わず、僕は 走り出したんだ 下りのホームに響く 危険を知らせる駅員の声 偶然、乗り合わせた隣の席で ほんの少しのおしゃべりと 一緒に食べたクッキ…

ひろ
5か月前
24

二千人のイエス

昨日の夜 救い主が お生まれになりました あれ? 昨年の昨日も 救い主は お生まれになりました 一昨年も、その前の年も… 毎年、毎年、 救い主がお生まれになり 救い主は…

ひろ
5か月前
30
土曜日のぶらんち

土曜日のぶらんち

ちょっと曇りで、ちょうどいい
風もふんわり吹いてきて
目の前を歩いてゆくスズメ
パンのはしっこ投げてみた
…気づかないのかな?
…ケーカイしてるのかな?

ちょっと曇りがちょうどいい
サンドイッチとポットのホットコーヒー
コーヒー、熱っ!
パンをつまんで、走り去るスズメ
ようやく、気づいたか
少しはなれて、見ているスズメ
もう少し、パンいかがですか?

ちょっと曇りで、いい感じ

ためいき

ためいき

すべては、
わたしのせいです、と
静寂の中
彼女は言った
その微笑みは
誰に向けられたものなのか

彼女の抱える
哀しみは、
彼女の精神を
当然のように
刻一刻と
すり減らしてゆく
僕には
なにもできない
なにもしてやれない…

骨折みたいに
せめて、心の傷が見えたらいいのに

文学少女

文学少女

『アンネの日記』のページを
ゆっくりとめくりたかっただけ
なにしろ、
初めて手にした
可愛い紅色の
布貼りの装丁だったから

小さな旅路

小さな旅路

小さな旅を想うには
あまりにも悲しみが大きすぎて
遥かなる旅に想いを馳せる
それは
何処かに、心のありかを
見出だせるのかもしれないような
明日に夢を感じられた頃のような
それでも、
大樹のもとに泰らぐような
希望とは言えないのは
それは
あまりにも、大きすぎて
見上げているうちに
足下の波に浚われてゆく
その波は、
前触れもなくやってくる
涙のように
交わすことはできないのだよ
交わすことができ

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ひとときの空

ひとときの空

鳩が鳴いているのか
それとも、
君の母君が泣いているのか

悲しみは慈しみ
苦しみは癒し

キラメク
煌めいてゆく
包まれている

穏やかな波のように
届けられた
あなたの心を

宇宙の片隅で
わたしたちは、
ほんの一瞬
そこから、
始まろうとしている

終わりのように、
始まろうとしている

あなたの優しさ

あなたの優しさ

もう、これ以上
何もできない
この、傷ついた心で
何ができると
いうのでしょうか

あなたの
苦しみにユレル指先

それなら、なぜ
ここに、
あなたの優しさに癒されてゆく
わたしがいるのでしょうか

もうひとつの道

もうひとつの道

そこに、君がいる
見えるよ、君の笑顔が
風の中の歌のように
きこえるよ、君の声が

どちらが夢の中なのか
わたしにはわからない

君の声が
聞きたくて
君が大好きな歌を
今日も歌うよ

一本のバゲットの味

一本のバゲットの味

そういえば、
建物を描くことが
好きだった

幼い頃から親しんだ
天守閣を描いた
無口な祖父が
外壁の直線を誉めてくれた

横を通りすぎるたび
見おろされていた
朱色の大鳥居を描いた
同期生の父上から
特別賞をいただいた

異国の街角に恋をした
それは、一枚の油絵
圧倒される門の扉
鉛色の空に溶け込みそうな教会の屋根
店先に並ぶ仕事道具は使い込まれ
画面に描かれていない人々の
日々の暮らしを想わせ

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静かに抱く

静かに抱く

彼女が、いつも
くまのぬいぐるみを
抱いているのは
決して、
ぬいぐるみ好きな訳ではありません

彼女は、
両腕で抱きしめます
大切なひとのもとにいた
その、くまのぬいぐるみ

もう、二度と
会えなくなってしまった
大切なひと
苦しみに震える胸を
ぬいぐるみのあたまで、
押さえつけているのです
痛みが治まるまでのあいだ
ずっと、
静かに

君にアイタイ

君にアイタイ

どうやって、知ればいい
どうやって、学べばいい
どうやって、愛せばいい

この時

この時

昔、一緒に絵本を読んで
同じ心で泣いたように

今、ここで
同じ心で、一緒にいようね

届いたのは、三日前

届いたのは、三日前

三日前に届いていた
封を解く
先月の予告通りの
単行本、一冊

表紙を開くと
印字の余白に
懐かしい手書きの文字
『元気を出して』

元気の欠片すら
見つけられない
今の私に

それでも、どうか
わたしのもとへ
また、この言葉を
『元気を出して』を
届けてください、と
お返事を届けます
心より、感謝を込めて

どうか、わたしを
わたしがここにいることを
忘れないでいてください、と

切手のパッチワーク

切手のパッチワーク

友よ、
許してくれると
信じているよ

DEAR MY FRIEND

Look at these stamps
They look like patchwork,
don't they?

新幹線が走り出す直前に

新幹線が走り出す直前に

君が泣きだしたから
思わず、僕は
走り出したんだ
下りのホームに響く
危険を知らせる駅員の声

偶然、乗り合わせた隣の席で
ほんの少しのおしゃべりと
一緒に食べたクッキー
予定通りに、
僕の降りる駅で、君は
気づいてしまったんだ
僕らは、二度と会えないことに
新幹線が走り出す直前に

WHEREVER YOU ARE

When I started chasing the express trai

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二千人のイエス

二千人のイエス

昨日の夜
救い主が
お生まれになりました

あれ?
昨年の昨日も
救い主は
お生まれになりました
一昨年も、その前の年も…

毎年、毎年、
救い主がお生まれになり
救い主は、
二千人以上
いらっしゃいますか?

こんなこと言って
また、
神父さまに
笑われますね
ちょっと、困ったお顔で