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最近思ったこと、考えたこと

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ブログサイトで書いてきたジャーナルを、2020年6月からnoteで発表することにしました。テーマはその時々関心をもったこと、もう何年も続けています。葉っぱの坑夫の出版活動と直接的… もっと読む
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#小説

ニペルナーティ出版後日談(お孫さんは人違い? 著者の生家、海外アマゾンの販売)

ニペルナーティ出版後日談(お孫さんは人違い? 著者の生家、海外アマゾンの販売)

4月は二つの出版物があり、それぞれ無事発売。今は5月末にnote上でスタート予定の、アフリカの新世代作家の小説集の準備をしています。その話は次回にまわすとして、この間に『トーマス・ニペルナーティ 7つの旅』のことでいろいろ面白いことが起きたので、それについて書きます。
*タイトル写真:ニーペルナーティの著者アウグス・ガイリ(1891〜1960)

著者の孫娘との出会い

ニペルナーティの作者のアウ

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発売開始! 2冊目のエストニアの小説、トーマス・ニペルナーティ(訳者あとがき公開)

発売開始! 2冊目のエストニアの小説、トーマス・ニペルナーティ(訳者あとがき公開)

2022年6月の『蝶男:エストニア短編小説集』(メヒス・ヘインサー著)につづいて、『トーマス・ニペルナーティ 7つの旅』が発売になりました。
ペーパーバック:¥2,640(税込) Kindle版 ¥550(税込)
127 × 203mm、520頁
*タイトル写真の左(校正本のため「再販禁止」の帯が入っていますが)

なぜ、エストニアの小説?

これまで日本で知られていない世界各国の作家の小説を翻訳

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4月の出版物二つ:その1(編集時に起きる様々な出来事)

4月の出版物二つ:その1(編集時に起きる様々な出来事)

今月2冊の本を出す予定で、いま準備しています。どちらもnoteで連載したコンテンツで、ペーパーバックの紙の本とKindle本にします。KDPのシステムをつかって準備中で、おそらくそのままKDPから発行することになると思います。(2023年3月の『小さなラヴェルの小さな物語』以降、代理店通しではなくKDPから出しています)

1冊目が、エストニアの小説『トーマス・ニペルナーティ 7つの旅』(原題 "

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新世代作家たちが描く、リアル or 空想的(スペキュレイティブ*)なアフリカの小説

新世代作家たちが描く、リアル or 空想的(スペキュレイティブ*)なアフリカの小説

*スペキュレイティブ・フィクション(Speculative Fiction)とは、さまざまな点で現実世界と異なった世界を推測、追求して執筆された小説などの作品を指す語。フィクションの複数のジャンルにまたがって使用される。
(ウィキペディア日本語版)

5月にスタート予定で準備している新プロジェクト「アフリカ新世代作家・作品コレクション」について、発想のもとになったこと、プランの意図や経緯について書

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生成AIと創作

生成AIと創作

ChatGPTを使って書いたという小説が芥川賞をとって、話題になりました。九段理江さんの『東京都同情塔』です。NHK WEBのインタビューの中で、どのようにAIを使ったか、作家本人による説明がありました。

その中で九段さんがChatGPTに、「『刑務所』という名称を現代的な価値観に基づいてリニューアルしたいです。どのような案が考えられますか?」という質問をしているのに興味を惹かれました。面白い質

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悪人vs.善人。世界の2分に茶々をいれる、逆転の発想とフィクション

悪人vs.善人。世界の2分に茶々をいれる、逆転の発想とフィクション

人間には悪人という種と善人という種があって、それは明確に分類されているのでしょうか。悪人は100%悪であり、善人は100%善であるといった。

ヒーローものの映画やドラマでは、昔から正義の味方というのはおそらく100%善人だったんじゃないかと。このジャンルあまり詳しくはないのですが、スパイダーマンとかスーパーマンとか水戸黄門は正義の味方であり、善人でしょう? 社会的には善人なんだけど、家庭ではとき

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Kindleノベルフェア+期間限定セール! 50%offも、この機会に海外小説を

Kindleノベルフェア+期間限定セール! 50%offも、この機会に海外小説を

昨日からアマゾンでKindleのノベルフェアをやっています。6月30日まで。葉っぱの坑夫も6冊の本で参加しています。すべて50%offです!
なかなか手の出ない海外の小説、あまり知られていない作家や風変わりな作品などに触れてみる良い機会では?
以下に葉っぱの坑夫から参加している本を紹介します。

ニイ・アイクエイ・パークス著
2010年度のコモンウェルス賞最終候補作品となった、ガーナの作家ニイ・パ

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売れない小説、出版する意味はある?

売れない小説、出版する意味はある?

小説には(たぶん)「売れる小説」「売れない小説」の2種類があります。この二つにはどんな違いがあるのか、考えてみることにしました。
Title photo by xdxd_vs_xdxd(CC BY-SA 2.0)

葉っぱの坑夫がここまでに出した小説は、アンソロジーの短編小説集を除いて3冊あります。残念ながらどれも「売れる小説」には入りません。すべて海外の長編小説(英語)からの翻訳です。原作者は三

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小説の背景:エストニア探検 by Street View

小説の背景:エストニア探検 by Street View

ヨーロッパには何度か行っていますが、エストニアには行ったことがありません。平均的な旅行者と同じように、中央・西ヨーロッパや南ヨーロッパが中心で、北欧や東ヨーロッパには足を踏み入れたことがないのです。だからこの3月からエストニアの作家の小説を日本語にして、葉っぱの坑夫で出版することになって初めて、どんな地域なのか、その文化や風景を探索することになりました。

第1回目は、『沈黙の16年』という小説で

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